ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


ミュージカル・音楽

2023年08月07日

UNDERWATERLOVE~おんなの河童~

2011年 日本・ドイツ合作 Underwater Love - A Pink Musical
いまおかしんじ監督&脚本 守屋文雄脚本&出演 クリストファー・ドイル撮影 ステレオ・トータル音楽 正木佐和 梅澤嘉朗 成田愛 吉岡睦雄 大西裕 佐藤宏 西村絵美

恋人との結婚を控える明日香の前に、ある日とつぜん河童が姿を現わす。河童は、水死した高校時代の同級生・青木哲也の生まれ変わりだった。河童は明日香につきまとい、彼女が働く缶詰工場で一緒に働き始める始末。しかしそれには、ある理由があったのだが…。

・ということで「ろんぐ・ぐっどばい」と一緒に借りたいまおかしんじの三作目。これは撮影がクリストファー・ドイルによるミュージカルということに興味を持ったのですが、見てみればピンク映画よりの映画で、ピンク映画としても、ミュージカルとしても、カッパが登場するファンタジーとしても、どれも最悪につまらなかった。見るのが苦痛。ミュージカル・シーンとしては、「神田川のふたり」が部分的に成長した物だと感心したものの、このつまらなさは。ドイルの撮影の片鱗も感じなかったし。これはもう、女優の良さも皆無だし、見るべき点はひとつもない。(「神田川のふたり」が成長したな、という確認のみ) もう追いかける気は失せた。

・最近のTVドラマのエンディングでダンスで終わるのが流行っているけど、本作を見るとそれらがいかに優れているかがわかる。本作の魅力のなさが。



hirot15 at 22:36|PermalinkComments(0)

2023年02月18日

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years

2016年 イギリス The Beatles: Eight Days a Week - The Touring Years
ロン・ハワード監督&製作 マーク・モンロー製作総指揮&脚本 ジョン・レノン ポール・マッカートニー ジョージ・ハリスン リンゴ・スター シガニー・ウィーバー ウーピー・ゴールドバーグ エルビス・コステロ 浅井慎平

初期のリバプール時代から、1963年に始まった15カ国90都市166公演におよぶツアー、そして観客の前での最後の演奏となった66年のサンフランシスコ・キャンドルスティック・パーク公演までのライブ映像を中心に、関係者などのインタビューを織り交ぜながら、ビートルズの曲の変遷、半世紀以上も愛され続ける彼らの人気の理由を探る。

・最近のロン・ハワードもあまり好きじゃないし、今更と思いながら見始めたら、見始めた途端、自分がいかにビートルズが好きだったかということを思い出してしまった。勿論折々に曲は聞こえてきたものの、ポール・マッカートニーを最後に聴いてからも随分たっているのに。しかも予想に反してこの映画は非常に良い出来で、さすがロン・ハワードと言わざるを得ない。
・僕がビートルズを知ったのは70年代に入ってからだから既に解散していたが、しかしビートルズの曲はまだ世に溢れていて、友人のSから教えられ、FM雑誌を買って必死にエアチェックし、Sと共同でアルバムを買ったりした。その時、僕はまだ詳しくなかったので初期作品ばかり担当し、後期の名盤は全部Sの担当となって、あとからシマッタと思ったのですが。そう、結局、僕が本当にビートルズを好きになったのは「サージェント・ペパー」前後からなのだけど。
・だけど本作を見始めて、初期作品もこれほど好きだったのだと実感した。当時のライブ活動の凄さ。ちょっと前に「エルヴィス」(劇映画)を見て、その観客の熱狂を改めて感じたが、本作の熱狂はとんでもない。最後は囚人護送車で脱出しなければならなかったという悲喜劇。
・ビートルズがエブスタインによって形作られ、レコードでは稼げずライブで稼ぐ、そして実際、ライブを楽しんでいた彼らが、いかにライブに嫌気がさし、スタジオに篭ってしまうか、という過程も実感を持って描かれる。当時のジョンとハリスンの言葉や、現在のポールとリンゴのインタビューも挿入されている。結局、僕が本当に好きになったのはスタジオに篭ってからのビートルズだったと改めて思うのだが(だからこのドキュメンタリーは初期の快感と末期の快感の両方を味わわせてもらえる)
・だからこそ、この映画が再び、最後の屋上ライブで終わるのは実話とはいえあまりにも感動的なのだ。そして彼らが楽しんで演奏していることも嬉しく思う。そう、この映画では末期の仲違いにほとんど触れていない。ジョンの「キリスト騒動」はかなり克明に描かれているのだが、この映画の根幹として、四人の合意により活動していた、とあるのが嬉しいのだ。それが崩れていく過程は、ライブ活動をやめたあとのそれぞれの日常(常に一緒にいる必要がなくなった)ということで軽く触れられているだけだ。そう、彼らの初の休暇期間がビートルズ崩壊の原因だったと実感する。逆に休暇を取らなかったら、それはそれでライブ活動の中で自滅していったかもしれないが。
・ちなみにこのドキュメンタリーはいやに克明に日本公演を描いていると思ったら、日本だけの特別編集版らしい。それはそれで嬉しいのだが。僕は日本公演はあまり成功した公演ではなく、また末期の公演と思っていたが、実際には最後の公演ではなく、そこから更にアジアを回っているのだが、しかしそこからの公演はどんどん悲惨なものになっていった過程は描かれていた。

・ポールはもう一度ライブ活動がしたくてウイングスを結成したと思っていたが、彼らはライブに嫌気はさしていたが、それでもやはりライブの快感も求めていたのだろうな。また、ポールの日本公演で、当時はスタジオでしか演奏できなかった「アビーロード」の曲をライブで演奏された時に感動したことも思い出した。



hirot15 at 19:19|PermalinkComments(0)

2023年01月29日

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン

2018年 アメリカ Amazing Grace
シドニー・ポラック監督&撮影 アラン・エリオット/ジョー・ボイド/ロブ・ジョンソン/スパイク・リー/チエミ・カラサワ/サブリナ・V・オーウェンズ/ジェリー・ウェクスラー/ジョセフ・ウールフ製作 アレサ・フランクリン製作&主演 ジェームズ・クリーブランド アレキサンダー・ハミルトン コーネル・デュプリー ケニー・ルーパー パンチョ・モラレス バーナード・パーディ チャック・レイニー

1972年1月13、14日の2日間、ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会でおこなわれたライブを収録した、アレサ・フランクリンのアルバム「AMAZING GRACE」。そのライブの模様をポラック監督がドキュメンタリー映画として撮影した。その後、映像と音声がシンクロできない技術的トラブルに見舞われて未完となっていたが、その素材をもとに半世紀近い時間を経て完成し、公開に至った。

・上記解説にあるような映画ですが、正直、彼女のことをそれほど知っているわけではない。姿を観たのもジャケットとか以外では「ブルース・ブラザース」くらい? エラ・フィッツジェラルドと混同することもあるか(いや、彼女はジャズ歌手だよ)。そう、アレサはソウル、ゴスペル歌手。そういえばゴスペルを知ったのは山口雅也さんに「マザー」という映画の感動を聞いて、観に行ってからだった。確かに衝撃的で、ゴスペルに興味を持った。この映画もまさにゴスペル。だいたい、舞台は教会だから。タイトルにもなっている「アメイジング・グレイス」は元々知ってはいたけど、好きだったのは本田美奈子の最期の歌唱版だった。あれが最高だと思っている。一方、本作の「アメイジング・グレイス」は見事にゴスペルとして崩している。正直、後半は崩しすぎてついていけないほどだった。(彼女は同じ歌を決して同じには歌わない(歌えない?)歌手だった)
・しかしまあ、シドニー・ポラックも2008年には亡くなっていて、アレサ自身もこの映画の製作(完成)年に亡くなっている。技術的進歩の成果なのでしょうが。彼女はこの完成版を観れたのでしょうか。

・と、いうところでWOWOWでアレサ・フランクリン特集なのか(ほとんど宣伝は見ていないので知らないのだが)、同時期にアレサ・フランクリンの映画(これは本人ではなくジェニファー・ハドソンが演じている)「リスペクト」を放映していたので続けて見始めたら、あれ。これ見たことあるような?と確認したら、昨年の春ころ既に見ていた作品だった。だから、前述のように全くアレサを知らないわけではなかったのだが、申し訳ないけど、この映画はあまり好きじゃなかった。だから忘れていたのだろうけど・・・・




hirot15 at 22:35|PermalinkComments(0)

2022年09月23日

ライフ・ウィズ・ミュージック

2021年 アメリカ Music
シーア監督&製作&原案&脚本&音楽 ダラス・クレイトン脚本 セバスティアン・ウィンテロ撮影 クレイグ・デレオン/ラビリンス音楽 ケイト・ハドソン レスリー・オドム・Jr. マディ・ジーグラー メアリー・ケイ・プレイス ベト・カルビーヨ ジュリエット・ルイス キャシー・ナジミー ティグ・ノタロ ヘンリー・ロリンズ ベン・シュワルツ ヘクター・エリゾンド

アルコール依存症のリハビリプログラムを受けながら孤独な日々を送るズーは、祖母の死をきっかけに、疎遠になっていた自閉症の妹ミュージックと暮らすことに。感受性豊かで周囲の変化に敏感な妹との生活に戸惑うズーに、アパートの隣人エボが優しく手を差し伸べる。3人での穏やかな日常に居心地の良さを覚え始めたズーは、自身の孤独や弱さに向き合いながら少しずつ変わろうとするが……。

・奇妙な映画。多分心象風景的ミュージカル・シーンとシリアスで奇妙な姉妹の物語が共存した映画。妹ミュージック(という名前)の方は自閉症で普通のコミュニケーションはとれない。朝起きて玉子料理を食べながら三つ編みを編んでもらい、散歩に出る。散歩は近所の人が見守っていて、育てる祖母はそれを待つ。それが日常。しかしある日、祖母はミュージックの散歩中に急死してしまい、親権は姉のズーということになるのだが、彼女は麻薬で保護観察中の身。ケイト・ハドソンが坊主頭で怪演している。昔は一緒に暮らしていたというが、はたしてどのような暮らしぶりだったのかは描かれていない。ズーはただただ妹の現況に戸惑うのみ。近所の人々、特に隣室の黒人エポが彼女をフォローするが、ズー自身も麻薬から立ち直れてはいない(だいたい未だ売人をしている)。最初はミュージックの幻想的ミュージカル・シーンだったのだが、ズーやエポのミュージカル・シーンは麻薬によるものなのか、それとも。
・正直、中盤まではそれなりに興味深く観れたのだが、終盤に進むにつれてついていけなくなる。ただ、クライマックスは幸か不幸か、形としては典型的ハッピーエンドに向かうので、なんとか突き放されずに済んだ気分。
・この映画の監督シーアの音楽は全く知らない。多分、ミュージカル・シーンにこそ音楽的センスが発揮されているのだろう。実際、僕は予告における奇妙なミュージカル・シーンに興味を持ってこの映画を見たのだから。このような自閉症と麻薬中毒あがりの姉妹の物語とは思いもしなかった。
・うーん、なんとも言い難い映画だった。



hirot15 at 22:15|PermalinkComments(0)

2022年08月31日

バード

1988年 アメリカ(ワーナー・ブラザース) Bird
クリント・イーストウッド監督&製作 ジョエル・オリアンスキー脚本 ジャック・N・グリーン撮影 レニー・ニーハウス音楽 ジョエル・コックス編集 フォレスト・ウィテカー ダイアン・ベノーラ マイケル・ゼルニカー サミュエル・E・ライト キース・デビッド マイケル・マクガイア ジェームズ・ハンディ Damon Whitaker

54年9月1日、自殺を図り精神病院に収容されたバードの脳裏に、18年前、16歳の時の故郷カンサス・シティでの記憶、ヘロイン中毒死した父の遺体、そしてレノ・クラブでのコンテストでシンバルを投げられた屈辱が蘇る。

・勿論再見、ではありますが、実はイーストウッドの傑作と言われているこの作品を見るのは封切り以来。この映画が好きではなかったのです。当時、自分の思い込みでジャズに傾倒していた僕は(しかし今思い返せば入り口に立った程度で、その後、踏み込みきれないまま興味は移ってしまった)、この映画のジャズ描写に物足りなさを感じたのだったと記憶している。
・今、35年ぶりに見直して、確かに踏み込みきれてはいないように感じるが、同時に俺はどれだけジャズが分かっているんだ、と逆に自分の思い込みが恥ずかしくなる。この映画のジャズは多分、観客にとってそれなりに心地よいものだろうと思う(やり過ぎの描写がない)。同時に、この映画の見どころを今更ながら、パーカーの妻チャンを見るべき映画だったということ。その他はすべて、状況設定にさえ感じてしまう。やはりそれは僕がバードを分かっていないからかもしれないが。
・再び少し間をおいて、もう一度見てみるべき映画かもしれない。



hirot15 at 23:47|PermalinkComments(0)

2022年07月21日

ミュジコフィリア

2021年 日本
谷口正晃監督 さそうあきら原作 大野裕之脚本&製作&音楽 上野彰吾撮影 佐々木次彦音楽 松本穂香主題歌歌唱&出演 日食なつこ主題歌作詞作曲 古後公隆主題ピアノ曲 井之脇海 山崎育三郎 川添野愛 阿部進之介 石丸幹二 濱田マリ 神野三鈴 縄田カノン 多井一晃 喜多乃愛 中島ボイル 佐藤都輝子 辰巳琢郎 茂山逸平 大塚まさじ 杉本彩 きたやまおさむ 栗塚旭

音楽へのコンプレックスを持ちながら、京都の芸術大学に入学した漆原朔は、ひょんなことから現代音楽研究会にひき込まれる。しかし、そこには朔が音楽を遠ざけるきっかけとなった異母兄の貴志野大成と、朔が憧れる大成の彼女・小夜がいた。天才作曲家として注目される存在である大成、そんな大成を一途に愛する小夜との間で朔は苦悩する。子どもの頃からモノの形や色が音として頭の中で鳴っていた朔。その能力が現代音楽を通して表現できることを知る。そして朔と同じように自然の音を理解する女性、浪花凪が彼の前に現れ、朔は秘めたその才能を開花させようとしていた。

・「神童」「マエストロ」に続くさそうあきら原作の音楽マンガの三度目の映画化。本作は原作漫画未読(「マエストロ」も原作を読んでいるかどうか覚えていない)。しかしどうも僕はさそうあきらの映画化作品と相性が良くないらしい。特に本作の題材は現代音楽で、これは更にわからないと言わざるを得ない。
・鴨川の音楽や、松本穂香の熱演も、分かったフリをすることが精一杯。ただし、この松本穂香は唯一積極的に興味深かった唯一のシーンだった。このパフォーマンスは分からなくても凄い。
・しかし現代音楽の分からなさとは対照的に物語自体は分かりやすすぎて逆にひいてしまう。なんか全体、キモチワルイのだ。唯一、これまた松本穂香の普通でなさが、逆に最も観やすいシーンになってしまっている。登場人物全員がなんらかの意味で気持ち悪いが、もしかしたらその表象が、ピアノを教えチェロを弾く母親かもしれない。逆に唯一、普通に健全だったのは濱田マリの教師か。
・主人公の井之脇海って僕は全く知らないけど、なんかリトル香取慎吾という気がして、それ自体気持ち悪かった。その義兄役の山崎育三郎も普段はハンサムに見えるのに時折見せる意外な凡庸な容貌(それが妙に井之脇海に似ているのは意図か偶然か)にも驚いた。三枚目の演技は見慣れていたが、これほど凡庸に容貌はこれまで見たことがなかったので。



hirot15 at 19:30|PermalinkComments(0)

2022年07月16日

ディア・エヴァン・ハンセン

2021年 アメリカ Dear Evan Hansen
スティーブン・チョボウスキー監督 スティーブン・レベンソン脚本&製作総指揮 ブランドン・トゥロスト撮影 ダン・ローマー/ジャスティン・ポール音楽 ベン・プラット ジュリアン・ムーア ケイトリン・デバー エイミー・アダムス ダニー・ピノ アマンドラ・ステンバーグ コルトン・ライアン ニック・ドダーニ

学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいるエヴァン・ハンセンが自分宛に書いた「Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)」から始まる手紙を、同級生のコナーに持ち去られてしまう。後日、コナーは自ら命を絶ち、手紙を見つけたコナーの両親は息子とエヴァンが親友だったと思い込む。悲しみに暮れるコナーの両親をこれ以上苦しめたくないと、エヴァンは話を合わせ、コナーとのありもしない思い出を語っていく。エヴァンの語ったエピソードが人々の心を打ち、SNSを通じて世界中に広がっていく。

・不覚にも原作部隊をまったく知らなかったが、確かに重い内容を見事なミュージカルとして仕上げている。途中、善意とはいえ嘘を重ねていく(それは当然善意だけでなく自らの快感にもつながっていく)展開はその後を考えると先を見たくなくなるほど胸が痛くなるのだが。
・そこにおける救いは、真相が知れた後の、絶縁ではあるが、相手の善意があることだった。(息子と同じように、彼に自死して欲しくない)
・久々の本格的ミュージカル(しかも単なる娯楽ミュージカルでなく重いテーマ)で、まわりの日常の中で当人だけ歌い出す非日常の介入に慣れるまで少し時間はかかるが、ミュージカルというものを堪能も出来る。僕は久々に「ヘアー」を初めて見た時を思い出した。
・それと、本作で最も恐ろしいと思ったのは、SNSの拡散シーン。真実も嘘もこうしてアッという間に拡散されていくのだ。そして、たとえそれが嘘だと本人は分かっているにもかかわらず、本人に取っても恐怖ではなく快感となっていく。多分、この感覚は現実的なものであり、だから、実際にもこれに類似することが起こっているのだろうと想像する。だから限りなく怖い。



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