ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


映画

2024年03月27日

ふたりのマエストロ

2022年 フランス La Scala
ブリュノ・シッシュ監督 ヨセフ・シダーオリジナル脚本 ブリュノ・シッシュ/ヤエル・ラングマン/クレモン・ペニ脚本 ドゥニ・ルーダン撮影 フロレンシア・ディ・コンシリオ音楽 イバン・アタル ピエール・アルディティ ミュウ=ミュウ キャロライン・アングラード パスカル・アルビロ ニルス・オトナン=ジラール

パリの華やかなクラシック界でそれぞれ指揮者として活躍する父フランソワと息子ドニ。ある日フランソワのもとに、世界最高峰のミラノ・スカラ座の音楽監督への就任を依頼する電話が掛かってくる。ドニはライバルでもある父の成功を素直に喜べずにいたが、翌日、今度はドニがスカラ座総裁から呼び出しを受ける。実は就任を依頼されたのはドニで、父フランソワへの連絡は誤りだったのだ。父に真実を伝えなければならず葛藤するドニだったが……。

・イスラエル映画「フットノート」のリメイクとのこと。オリジナルは未見。
・序盤で賞を得た息子の晴れの場に欠席する父親を描くことで父子の確執が描かれたあとでのスカラ座就任のトラブル、息子の就任の知らせを父親の就任に間違えて知らせてしまっての、それを知った息子の苦悩から始まるのだけど、そもそも間違えた本人たちがその訂正を息子に丸投げしてしまうところに不可解さを感じたが、それはまあしょうがないことなのか。
・しかし問題はそれを知らせたあとの父と息子の葛藤だろう。こんな展開アリ?って感じ。そしてクライマックス。それがまたそんな展開アリ?って。しかしまあ、この結末は気持ちいい結末だから、ありえなくてもアリ、か。

この作品を見た直後、小澤征爾の訃報があつた。
主人公が常に見ていたのが小澤征爾の指揮だった。
 

hirot15 at 22:38|PermalinkComments(0)

2024年03月26日

七人樂隊

2021年 香港 七人樂隊 Septet: The Story of Hong Kong
サモ・ハン/アン・ホイ/パトリック・タム/ユエン・ウーピン/ジョニー・トー/リンゴ・ラム/ツイ・ハーク監督 
「稽古」ティミー・ハン 
「校長先生」フランシス・ン サイア・マ イアン・ゴウ 
「回帰」ユン・ワー アシュリー・ラム 
「ぼろ儲け」ン・ウィンシー トニー・ウー エリック・ツイ 
「道に迷う」サイモン・ヤム ミミ・コン ロイス・ラム チュン・キンファイ 
「深い会話」チョン・タッミン チョン・カムチン ラム・シュー ローレンス・ラウ

50年代、必死にカンフーの稽古に励んだ幼い自分と仲間を描く、サモ・ハン監督の自伝的エピソード「稽古」。
教育に生涯を捧げる校長先生と、彼を慕う同僚の女性教師とかつての教え子たちを描いたアン・ホイ監督の「校長先生」。
移住を控えた恋人たちの別れをスタイリッシュな映像で描いた、パトリック・タム監督の「別れの夜」。
ユエン・ウーピン監督が、香港を離れる孫と香港に残る祖父のユーモラスで温かな交流を描いた「回帰」。
香港の飲食店を舞台に大儲けを夢見る一般市民が株価に右往左往する姿を、ジョニー・トー監督が描いた「ぼろ儲け」。
香港の変わり様に翻弄される男を描き、本作が遺作となったリンゴ・ラム監督の「道に迷う」。
病棟を舞台に、たたみかけるセリフ群が展開する、ツイ・ハ―ク監督の「深い会話」。

・これは見るほどに感慨深くなり、在りし日の香港を懐かしく思う。多分、この監督たちも皆、そのような気持ちでそれぞれの短編を作ったのだろう。それぞれが懐かしい香港(サモハンとアン・ホイ)、或いは香港の変貌の境目を描いていると思う。だから、多くの映画が海外移住(パトリック・タム、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラム)がテーマとなってしまう。
・これらを撮った監督は皆香港ニューウェイブの真っ只中で活躍した監督たち。そのうち何人かはハリウッドに渡った。パトリック・タムはウォン・カーウァイの師匠的存在。そんな中でツイ・ハークのみが真っ向ナンセンス・コメディを撮り、そこで香港でなく、これらの監督たちをからかう映画とした。自身とアン・ホイが出演している(他にいるかどうかは未確認)。アン・ホイはツイ・ハークにあんたが呼んだんでしょ、と言っている。これらの監督の中でマギー・チャンの名前だけが出て、ツイ・ハークも俺はマギー・チャンだと叫んでいる。マギー・チャン本人が出演していないのが残念。
・そして彼らを集めてプロデュースしたのがジョニー・トーなのだが、彼のみが時代の流れを株式という観点で描いたのだが(コロナかと思ったらサーズだった!)、残念ながらコメディとしては真っ当すぎてイマイチだったかな。この中で感慨を感じたのは香港、でなくサーズだった(僕たち日本人はコロナと置き換えるだろう)
・そして、クレジットになぜかリンゴ・ラムのみ枠がついているのがなぜかと思ったら、これが彼の遺作となっていたことを、上記のあらすじで知って、あわてて確認したら本当に2018年に亡くなっていた・・・残念。



hirot15 at 22:32|PermalinkComments(0)

2024年03月25日

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(1987)

1987年 香港 倩女幽魂 / A Chinese Ghost Story
チン・シウトン監督&殺陣 ツイ・ハーク製作 『聊斎志異』(『聶小倩』(じょうしょうせん))原作 ユエン・カイチー脚本 プーン・ハンサン撮影 ロメオ・ディアス/ジェームズ・ウォン音楽 レスリー・チャン ジョイ・ウォン ウー・マ ラム・ウェイ ラウ・シウミン

舞台は昔の中国。借金を集金するために旅をする書生の青年ニン・ツァイサンは郭北県へとやって来た。だが途中で雨に降られて借金の帳簿を濡らしてしまい、集金が出来なくなってしまう。無一文のニン・ツァイサンは仕方無くただで泊まれる宿を求めて蘭若寺へと向かう。寺に住む道士インに黙って寺に泊まるニン・ツァイサンだったが、蘭若寺は魔物が出るという曰く付きの場所だった。ニン・ツァイサンは寺に響く琴の音色に引かれて湖上の東屋に行き、そこで琴を奏でていた美女シウシンと出会った。

・久々の再見。何度見たかわからないほどだが、結構忘れていた(特に結末部分、続編があるからか)。それと、多分この作品で知ったはずのウー・マがアクションをすることが新鮮に感じた。このシリーズ以外でのウー・マはほとんど喜劇役者だったから。それと、改めてジョイ・ウォンの美しさ、可愛らしさ。改めて、香港女優の美しさの頂点はジョイ・ウォンとブリジット・リンだと思う。レイリー・チャンもこの作品と「男たちの挽歌」で知ったのだと思うが、このあたりではまだ弱々しさがあったんだなぁ。
・とにかく懐かしい。改めて言うまでもないが、やはり屈指の傑作と思う。




hirot15 at 22:55|PermalinkComments(0)

2024年03月24日

レイン・オブ・アサシン 剣雨

スー・チャオピン/ジョン・ウー監督 ミシェル・ヨーチョン・ウソンワン・シュエチーバービー・スーショーン・ユーケリー・リンレオン・ダイグオ・シャオドンリー・ゾンファンジャン・イーイェン

武術の奥義を窮めたインドの王子達磨大師の遺体を手にした者は武術の覇権を握ると伝えられてきた――数百年後の明朝時代の中国では、暗殺組織〈黒石〉が達磨の遺体を手に入れようと暗躍。しかし〈黒石〉最強の女刺客、細雨[ルビ:シーユー](ケリー・リン)は組織を裏切り、達磨の遺体とともに失踪する。やがて細雨は曽静[ルビ:ザン・ジン](ミシェル・ヨー)と名乗り、配達人の阿生[ルビ:アシャン](チョン・ウソン)と出会い、都の片隅で穏やかな日々を過ごしていた。そんな中、迫り来る〈黒石〉凄腕の刺客たち。過去を捨てたはずの美しき女刺客は、人生の全てを懸け、壮絶な最終決戦に身を投じていくが――

・再見だけど、見たことも覚えていなかった。ジョン・ウーで検索して出てきてちょっと驚いた。ジョン・ウーにミシェル・ヨーなのだから。
・初見時はやはりアクションばかり気に入っていたが、確かにストーリーはちょっと(特に序盤が)わかりにくかったが、しかしストーリーもなかなか面白かった。
・それでもジョン・ウーが主導とはいえ、共同監督というところが伸び切らなかった原因だろうか。




hirot15 at 22:33|PermalinkComments(0)

2024年03月23日

BLUE GIANT

2023年 東宝
立川譲監督 石塚真一原作 NUMBER 8脚本 東郷香澄撮影 上原ひろみ音楽&ピアノ演奏(サックス)馬場智章/石若駿(ドラム)演奏 
(声)山田裕貴 間宮祥太朗 岡山天音 須田美玲 乃村健次 東地宏樹 青山穣 木下紗華 加藤将之 木内秀信 高橋伸也 四宮豪 

仙台に暮らす高校生・宮本大はジャズに魅了され、毎日ひとり河原でテナーサックスを吹き続けてきた。卒業と同時に上京した彼は、高校の同級生・玉田俊二のアパートに転がり込む。ある日、ライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈と出会った大は彼をバンドに誘い、大に感化されてドラムを始めた玉田も加わり3人組バンド「JASS」を結成。楽譜も読めずただひたすらに全力で吹いてきた大と、幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈、そして初心者の玉田は、日本最高のジャズクラブに出演して日本のジャズシーンを変えることを目標に、必死に活動を続けていく。

・評判通りの作品だった。特に音楽・演奏は素晴らしい。ただ、音楽シーンでの回想と特殊効果はちょっと使いすぎに感じた。もう少し場面を選んで使えば肝心なシーンでもっと効果的だっただろうに。
・昔、ジャズが好きだった頃を思い出して懐かしかった。そのあたりも有名曲でも前衛すぎることもなく、ちょうどいいものだった。




hirot15 at 21:14|PermalinkComments(0)

2024年03月22日

女群西部へ!

1952年 アメリカ(MGM) Westward the Women
ウィリアム・A・ウェルマン監督 チャールズ・シュニー脚色 フランク・キャプラ原作 ウィリアム・メラー撮影 ヘンリー・ラッセル音楽 ベヴァリー・デニス レナータ・バンニ ジョン・マッキンタイア ジュリー・ビショップ ホープ・エマーソン マリリン・アースキン レノア・ロネガン ヘンリー中村 ドニーズ・ダルセル ジョージ・チャンドラー フランキー・ダーロ ブルース・コーリング イブリン・フィンリー クレア・カールトン テッド・アダムス ジーン・クーガン ヘンリー・ウィルズ ジョン・ケイソン ドロシー・グレンジャー ジョン・ウォー・イーグル フランク・マクグラス ロバート・テイラー

1851年、カリフォルニアの牧場主ロイ・ウィットマン(マッキンタイア)は、自分が礎を築いた土地の繁栄のため、100人のカウボーイたちの花嫁候補の女性たちをシカゴの町で募り、はるばる数千キロ離れた西部へ連れて行く旅を画策する。彼女らの護衛とガイドのために、信頼できる男バック・ワイアット(テイラー)ほか15名の男たちを雇い、選ばれた140人の女とともに大幌馬車隊を編成して、アメリカ横断の旅に出発する。

・これは思わぬ拾い物。というか、製作陣を見れば納得がいく。監督のウェルマンこそあまり記憶には残っていないのだが確認すると結構見ているし(多分西部劇DVD全集で見たのだと思うが、「民衆の敵」も彼の監督)、脚本は「赤い河」の人、そして何より驚くべきは原作がフランク・キャプラ! これには思わずキャプラの名前を記憶違いしたかと思ったが本人だった。ロバート・テイラーもあまり記憶には残っていないが(「哀愁」の人)、とにかく女150人のシカゴからカリフォルニアまでの数千キロの旅。男は最初15人だったけど、次々減って、いや、案内人として雇われたテイラー以外はボスの老人ジョン・マッキンタイアと、そしてもう一人! ヘンリー中村という日本人の小男だけしか印象に残らない。ヘンリー中村の役名はイトーなのだが、本名はその後日本人の名前がいくつも続くのが笑える。彼は時折日本語を話すのだが、最初のうちは聞き取れず、本当に日本語なのかと疑ったが、慣れてくると、ちょっとなまりはあるが本当の日本語を話しているのが聞き取れた。
・女たちの西武横断だが、そこにはほとんどコメディの要素はなく、逆にとてつもない凄まじさが描かれていく。決して殺してはならない筈の少年があっさりと死んでしまい(射撃練習の際の事故)、母親が半狂乱で墓を離れようとせず、自殺を恐れて手を縛られて馬車に乗せるのはともかく、少年の愛犬が少年の墓を離れようとしないエピソードは泣ける。それを必死で日本語と英語で説得するのがイトーである。
・その他、急坂で馬車を降ろそうとして事故ったり、水害で馬車が飲み込まれたり、インディアンの襲撃で何人もの女性と・・・もう一人が死んでいったり、かと思えば出産エピソードがあったり。女同士の本気の殴り合いもある。とにかく全編本気の凄まじさなのだ。
・最後に到着して待っていた男たちとの対面エピソードも本気!!
・とにかく埋もれるのはもったいない本物の女性西部劇だ。




hirot15 at 22:00|PermalinkComments(0)

2024年03月21日

最後の酋長

1953年 アメリカ(ユニバーサル) Seminole
バッド・ベティカー監督 チャールズ・K・ペック・Jr.原作&脚本 ラッセル・メッティ撮影 ジョセフ・ガーシェンソン音楽 ロック・ハドソン アンソニー・クイン バーバラ・ヘイル リチャード・カールソン ヒュー・オブライエン ラッセル・ジョンソン リー・マービン ラルフ・ムーディ ジェームズ・ベスト ジョン・デイ

士官学校を出たばかりのコールドウェルは、フロリダの任地へ向かうことになった。セミノール族というインディアンが合衆国の西部保護区への移住計画に反対しており、彼らを説得するために派遣されたのだった......。

・久々のバッド・ベティカーはやはり面白かった。
・まず関係性として、ロック・ハドソンが将校、アンソニー・クインがインディアンとの混血、そして二人の間にバーバラ・ヘイルという娘がいて三角関係なのだが、ここで三角関係の確執の物語にならないのがベティカー。アンソニー・クインは白人として士官学校に入るか、インディアンとして酋長になるかを選択した結果、インディアンとして生きることを選ぶ。そしてヘイルはそのクインを愛しているのだが、クインの方は彼女がハドソンと結婚した方が幸せになれると思っている。しかし三人のそんな関係が進むよりも前に、イカレた将校上官がハドソンの反対を無視してインディアンに対する急襲を仕掛けてしまうわけだ。それと並行して、クインの方は和平の気持ちをヘイルを通してハドソンに伝えようとするのだが、彼女はこの急襲に間に合わない。無謀な急襲は失敗するのだが、ハドソンがクインに助けられるのを軍人たちに目撃されたこと、そしてヘイルがインディアンの馬に乗っていたことから、二人はスパイと疑われて・・・実に巧妙な展開。この後、更にいくつかのエピソードが重なった末・・
・このイカれた上官を僕なら何度殴りかかったか、と思うけど、ハドソンはそんな挑発には乗らないのだが、結局は銃殺刑が待っているのだ。
・この結末こそ、少しばかり御都合主義的には思えるが(見張りがいるのになぜ気がつかない?)、しかしそれに目をつぶって見事な作品だった。
・やはりバッド・ベティカーは面白い。



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