ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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プロフィール

hiro


2021年02月

2021年02月28日

パブリック 図書館の奇跡

2018年 アメリカ The Public
エミリオ・エステベス監督&製作&脚本&主演 フアン・ミゲル・アスピロス撮影 タイラー・ベイツ/ジョアン・ハイギンボトム音楽 アレック・ボールドウィン ジェナ・マローン テイラー・シリング クリスチャン・スレイター ガブリエル・ユニオン ジェフリー・ライト マイケル・ケネス・ウィリアムズ チェ・“ライムフェスト”・スミス ジェイコブ・バルガス

オハイオ州シンシナティの公共図書館のワンフロアが約70人のホームレスたちに占拠された。記録的な大寒波の影響により、市の緊急シェルターがいっぱいで彼らの行き場がなくなってしまったのだ。彼らの苦境を察した図書館員スチュアートは図書館の出入り口を封鎖するなどし、立てこもったホームレスたちと行動をともにする。スチュアートにとってそれは、避難場所を求める平和的なデモのつもりだった。しかし、政治的イメージアップをねらう検察官やメディアのセンセーショナルな報道により、スチュアートは心に問題を抱えた危険な容疑者に仕立てられてしまう。

・前からみたいと思っていた映画。エミリオ・エステベスの映画は好きだ。ブラッド・パックのリーダーだった彼は、今も一人、我が道を行っている(途中、少しデミ・ムーアに惑わされたり、人気映画を狙ったりもしたが)。特にこの10年程は自分の監督・出演に専念している。前作「星の旅人たち」は特に好きな作品だった。
・本作はホームレスの公立図書館占拠事件が描かれているが、彼自身が煽動した訳ではなく、むしろ顔なじみのホームレスたちの行動に巻き込まれてしまった展開。艦内に残っていた図書館職員で彼が一番上位者だった(それに同情的だった)ゆえに、リーダー役になってしまう。占拠事件前の一夜の情事や、ちょっと変わった同僚の女性が上手く機能している。
・一方、彼に対立する二人が警官のアレック・ボールドウィンと、政治家のクリスチャン・スレイター。ボールドウィンは落ち着いた壮年になっており、悪くない。それに対するクリスチャン・スレイターは、彼のデビュー時の反体制的キャラから一転して、体制の権化のようなキャラであるのが感慨深い。非常に嫌らしいキャラを演じている。同時代に活躍してもスレイターはブラッドパックではないと思うので、あまり競演の記憶は無いのだが(確認したら「ヤングガン2」で共演していた)、この二人のそれぞれの立ち位置は面白かった。ただ、終盤においてスレイターが前面に出ないのは遠慮だったのだろうか?(前面に出るとしたら悪辣な行動しか無いので)
・それに代わって、それまでじっと雌伏していた図書館の館長(エステベスの上司)の行動が感動的だった。
・エステベスは軽薄な女TVレポーターに対して「怒りの葡萄」を暗唱するシーンも感動的だった。(勿論、レポーターは彼が何を言っているのか理解出来ない)

・アメリカの図書館の描写で、日本の図書館と比べて、多くが共通しているのも興味深い。勿論、ホームレスの溜まり場とまではなっていないが、それでも日本の図書館にも「眠らないで下さい」という張り紙はある。




hirot15 at 22:01|PermalinkComments(0) 洋画 | ドラマ

2021年02月27日

土曜は貴方に

1950年 アメリカ(MGM) Three Little Words
リチャード・ソープ監督 ジョージ・ウェルズ脚本 ジャック・カミングス製作 ハリー・ジャクソン撮影 アンドレ・プレビン音楽 ハーメス・パン振付 フレッド・アステア レッド・スケルトン ベラ=エレン アーレン・ダール キーナン・ウィン ゲイル・ロビンス グロリア・デ・ヘイブン フィル・リーガン ハリー・シャノン デビー・レイノルズ ポール・ハーベイ カールトン・カーペンター

20年代に活躍した作詞・作曲家、ハリー・ビルとバート・カルマーの伝記を元に描いたミュージカルドラマ。パートナーの怪我によりコンビを解散したジェシーは、かつての盟友・ハリーと共に作詞・作曲家コンビとして再スタートするが…。

・再見、ですが、正直あまり覚えていませんでした(アステアは多く見過ぎて混同しているが、皮肉にもレッド・スケルトンのコメディ部分(特に野球ネタ)はかなり多く覚えていた)。
・しかし今回見直して、なんでこの作品を流してしまったのだろうと我ながら驚いた。奇しくも前に見たのが「ベル・オブ・ニューヨーク」でヴェラ・エレンとの共演という共通点があるのだが(というより、それが理由で今回再見したのだが)、「ベル・オブ・ニューヨーク」がその時書いた通り、ストーリー的には見るべき点の無い(空中のダンスのユニークさ)のに対し、本作にはストーリー的に秀逸だ。
・まず、最初からヴェラ・エレンとの素晴らしすぎるダンス・シーンがあり(その時点で「ベル・オブ・ニューヨーク」に匹敵する)、次にアステアの手品好きがギャグとなる楽しい展開(しかしイトーリーとしてはそれゆえにヴェラはアステアの求婚を渋る)、そしてこの手品の失敗の張本人であるレッドとの共作関係になるのが、アステアが足の怪我により踊れなくなるというちょっと驚きの展開。アステアが劇中で(一時的ではあるが)踊りを封印され、仕方なくその他の才能で生活することになり、ヴェラとのコンビが解消され、レッドとのコンビが結成される。ここでヴェラとの関係修復とレッドとの関係の継続のエピソードが素晴らしい。
・この展開の中で、アステアとヴェラの結婚の一方、レッドの恋愛が上手くいきそうで上手くいかない、その失意をアステアがレッドの野球好きに関心をそらすというギャグが数度繰り返される。そしてその過程で、突如登場するのが、これがもしかしたらデビュー作かもしれない(wikiでは最初に書かれた作品で、次が「雨に唄えば」)デビー・レイノルズであり、二人が路上で作詞作曲作業をしている中に割り込んで、「ブブッディブ」と茶々を入れる。これが、マリリン・モンローが有名にした「お熱いのがお好き」のモンローとシンボル的曲(恐らく「ハッピー・バースディ・プレジデント」と並ぶ)であり、その曲が、このハリー・ビルとバート・カルマーのコンビ作品であることを初めて(いやいや再見ですよ)知った。(ただし、このデビー・レイノルズの歌唱は本物の歌手ヘレン・ケイン(ベティ・ブーブ」のモデル)の吹替えで、レイノルズの声ではない)
・驚きはもう一つ。レッドが野球で突き指してピアノを引くことに不自由し、アステアと喧嘩になった中で突然生まれるのがマルクス兄弟の「けだもの組合」で有名な「キャプテン・スポルディング万歳」。これもまたおったまげた。(本作初見の後に「けだもの組合」を見たのだろうか? そうでなければ驚かない訳はない)
・物語は終盤、中盤で仕掛けられた布石(レッドがアステアに脚本家の才能が無いと確信してアステアの脚本家デビューを影で妨害した)が爆発して、二人のコンビは喧嘩別れで解消される。このシーンが、二人の恥ずべき愛称が書かれたケーキの蝋燭をアステアの手品で消していくという象徴的シーン。
・二人のそれぞれの妻は二人を仲直りさせようと必死で画策するが・・・という展開。それは失敗したかに見えたが。
・最後の和解の象徴として、今度はケーキのろうそくの火をアステアが手品で灯していく。感動的。
・勿論、ストーリーと、レッド・スケルトンを中心としたギャグだけでなく、ヴェラとアステアのダンスも素晴らしい。(ヴェラがソロで踊るシーンもあるが、共演、というよりバックダンサーたちが単なる彼女の踊りの道具でしか無く、アステアとの踊りと決定的に違うことは明白)

・予想外収穫の多い秀作だった。




hirot15 at 22:59|PermalinkComments(0) 洋画 | ミュージカル・音楽

2021年02月26日

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼

2020年 東宝
中田秀夫監督 志駕晃原作 大石哲也脚本 今井孝博撮影 大間々昂/堤博明/兼松衆音楽 千葉雄大 白石麻衣 鈴木拡樹 音尾琢真 江口のりこ 奈緒 飯尾和樹 高橋ユウ ko-dai 平子祐希 谷川りさこ アキラ100% 今田美桜 田中哲司 北川景子 田中圭 原田泰造 成田凌 井浦新

長い黒髪の女性ばかりが狙われた連続殺人事件の解決から数カ月後。同じ現場から新たな身元不明の死体が発見された。捜査にあたる刑事・加賀谷は、かつて自分が逮捕した連続殺人鬼・浦野のもとへと向かう。獄中にいる浦野が口にしたのは、浦野が師と仰ぐ「M」というダークウェブ上に存在する謎の人物だった。一方その頃、加賀谷の恋人である美乃里に謎の男の影が迫っていた。

・前作はヒロインに対するストーカー的展開がかなり怖かったが、本作はそういう展開ではなく、そういう怖さは少ない。普通のサスペンス映画という感じで、その結末に至る展開は完全にレクター博士を意識していると思う。
・真犯人はほとんど序盤から予想がつくが、それは前作の犯人である浦野に焦点があたるところで失敗とはいえないだろう。むしろ、主人公の家庭事情(トラウマ)が面白かった。




hirot15 at 22:58|PermalinkComments(0) 邦画 | ホラー

2021年02月25日

幸せになるためのイタリア語講座

2000年 デンマーク Italiensk for begyndere
ロネ・シェルフィグ監督&脚本 ヨルゲン・ヨハンソン撮影 アンダース・W・ベアテルセン ピーター・ガンツェラー ラース・コールンド アン・エレオノーラ・ヨーゲンセン アネッテ・ストゥーベルベック サラ・インドリオ・イェンセン

冬、デンマーク・コペンハーゲン近郊のとある町。妻を亡くしたばかりのアンドレアスは、新任牧師としてこの町を訪れ、ホテルに泊まる。そのホテルのお人好しなフロント係ヨーゲンは、レストランで働く親友のハルにクビを宣告する役を上司から押しつけられ当惑する。そのヨーゲンへ秘かに想いを寄せているウェイトレスのジュリア。パン屋の店員オリンピアは偏屈な父親に閉口し、美容師カーレンはアルコール依存症の母を抱えていた。そんな彼らは、市の主催する週に一度のイタリア語初級講座で顔を揃えようとしていた。

・「ライオット」の後に見た本作は僕の見たロネ・シェルフィグの最も初期の作品。上記あらすじが非常に的確に本作を描いている。これら、総ての登場人物の悲哀がイタリア語講座に集まることにおいて化学的変化を起こすことになる。「ライオット」とは反対に途中がどれほど悲惨でも、最後に心温まる映画。僕はやはりこういう映画がいい。




hirot15 at 22:58|PermalinkComments(0) 洋画 

2021年02月24日

ライオット・クラブ

2014年 イギリス The Riot Club
ロネ・シェルフィグ監督 ローラ・ウェイド原作&脚本 セバスチャン・ブレンコー撮影 カスパー・ウィンディング音楽 サム・クラフリン マックス・アイアンズ ダグラス・ブース サム・リード フレディ・フォックス オリー・アレクサンデル ベン・シュネッツァー マシュー・ビアード ジャック・ファーシング ジョシュ・オコナー ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ ホリデイ・グレインジャー トム・ホランダー

オックスフォード大学の新入生アリステアとマイルズは、大学内で数百年の歴史を持つ秘密クラブ「ライオット・クラブ」の入会儀式を通過し、上流階級の頂点に立つエリートたちの仲間入りを果たす。しかし欲望と権力にまみれたクラブ内では、会長の座を巡って陰湿な争いが繰り広げられていた。ある日、郊外の庶民的なパブで晩餐会を開いた会員たちは、金の力を借りてやりたい放題の一夜を過ごすが……。

・ロネ・シェルフィグの映画を観ていて、本作は僕の見る最新映画(実際は新作をZOMさんが見ていて、その寸評がきっかけでロネ・シェルフィグを見る気になった)だけど、これは最後まで見ることになった映画ではあるけれど(つまり、詰まらない映画ではない)、これほど不快な映画はそうはない。女流監督で(と書くと偏見?)よくもこのような映画を撮ったものだ。
・あらすじにもあるように、基本は「アニマルハウス」的大学のクラブ映画。しかし、たとえばあの映画がいかにハチャメチャなコメディであろうと、このようにリアルに不快な映画ではなかった。本作は、まさに現代の闇の真実をあからさまに描いてしまったのではないか。
・プロローグにおいて、このクラブの原点と成った寵児ライオットは、そのやりすぎた放蕩により殺された。彼は殺されても仕方なかった。しかし、問題は、彼を継いだライオットクラブの面々は、ライオット自身のように、自分の罪を償わない。
・この映画におけるわずかな救いは、最後のワン・シーン前で、一人がクラブに戻ることを拒否したシーンだろう。そして、ラストにおいて、犠牲となった一人は、クラブの申し出を受けるか拒否するか、その答えを出さないまま終っているのだ。これこそまさに、闇は口を開いているのだ。
・自分たちは何をやっても償わず、庶民には罰を科そうとする、まさに現代の縮図がここに描かれていて、あまりにもおぞましくてこれほど不快な映画は他にない。



hirot15 at 22:57|PermalinkComments(0) 洋画 

2021年02月23日

17歳の肖像

2009年 イギリス An Education
ロネ・シェルフィグ監督 リン・バーバー原作 ニック・ホーンビィ製作総指揮&脚本 ジョン・デ・ボーマン撮影 ポール・イングリッシュビィ音楽 キャリー・マリガン ピーター・サースガード アルフレッド・モリーナ ロザムンド・パイク オリビア・ウィリアムズ エマ・トンプソン オリビア・ウィリアムズ サリー・ホーキンス

1961年、ロンドン郊外。ある雨の日、オックスフォード大学を目指す優等生のジェニーは、倍も年の離れた男性と恋に落ち、勉強漬けの日々からは想像もできなかった刺激的な世界を体感していく。

・これもZomさんが見ていた。ロネ・シェルフィグはこれまで見たどの作品も似たようなものが無い。
・本作は、厳格だが杓子定規で浅はかな父親と、実はもっと寛容な母親、一方で、ヒロインを新しい世界に招いてくれる男性。この男に両親がたぶらかされていく展開が面白かったが(実はヒロインも半分たぶらかされていることは予感出来る)、絶頂からどん底の急展開の後、担任教師の寛容さ(特に校長と対照的態度)が泣けた。
・展開は面白く、男も恐ろしい程魅力的だったが、苦い物語。



hirot15 at 22:56|PermalinkComments(0) 洋画 

2021年02月22日

ワン・デイ 23年のラブストーリー

2011年 アメリカ One day
ロネ・シェルフィグ 監督 デビッド・ニコルズ原作&脚本 ブノワ・ドゥローム撮影 レイチェル・ポートマン音楽 アン・ハサウェイ ジム・スタージェス パトリシア・クラークソン ケン・ストット ロモーラ・ガライ レイフ・スポール

しっかり者のエマと自由奔放で恋多きデクスターは、互いにひかれ合いながらも友人でいることを選び、親友として毎年7月15日を一緒に過ごすと決める。旅行や恋愛相談など友人としての交際を続けながらも、エマは秘かにデクスターを思い続けていたが、あるときデクスターから別の女性と結婚することを告げられ……。

・正直、中盤までは互いに無理して一緒になれない二人の物語として毎年7/15が描かれる。それが、互いに別の結婚相手が出来た頃から不穏になり、結局、やっとのことで二人が素直になって、ハッピーエンドかと思いきや。実はそこからがこの映画の真骨頂であると気がついた。
・だから、中盤までは退屈しない程度、だけど、終盤だけは心が乱れ、納得する映画だった。
・ロネ・シェルフィグは、ZOMさんのブログで「ニューヨーク 親切なロシア料理店」が気になり、確認したら「人生はシネマティック!」は僕も気に入っていたので、この監督の作品を観てみることにした。本作はZomさんが気に入っていると言う作品。



hirot15 at 22:56|PermalinkComments(0) 洋画 | ドラマ