2020年12月
2020年12月31日
天国は待ってくれる(1943)
1943年 アメリカ Heaven Can Wait
エルンスト・ルビッチ監督&製作 サムソン・ラファエルソン脚本 ラディスラウス・ブス・フェケテ原作 エドワード・クロンジェガー撮影 アルフレッド・ニューマン音楽 ジーン・ティアニー ドン・アメチー チャールズ・コバーン マージョリー・メイン レアード・クレガー スプリング・バイイントン アリン・ジョスリン ユージン・パレット
エルンスト・ルビッチ監督&製作 サムソン・ラファエルソン脚本 ラディスラウス・ブス・フェケテ原作 エドワード・クロンジェガー撮影 アルフレッド・ニューマン音楽 ジーン・ティアニー ドン・アメチー チャールズ・コバーン マージョリー・メイン レアード・クレガー スプリング・バイイントン アリン・ジョスリン ユージン・パレット
・地獄行きの手続きを委ねられている閻魔大王(レアード・クリーガー)は、そこにやって来た全く天国行きに執着しないヘンリー(ドン・アメチ)という男に興味を抱き、彼からその人生の話を聞くことにした--。
・久々の再見。細かい内容は例によって忘れていたが、その忘れ加減がとても心地よく楽しく見れた。
・見ると、ああそうだった、そうだったと思い出しつつ、先の展開は思い出さないのが良い。
・まあこの作品は内容よりも、wadさんが愛していた作品(ドイツで見た為に邦題が分からず、間違えて「天国から来たチャンピオン」(原題が同じ)を見たんじゃなかったっけ)という想い出の方が強いけど。
・ドン・アメチはつい先日「マイアミの月を見てあまり良くなかったけど、本作は絶品。
・ジーン・ティアニーもまたその後にダニー・ケイの「夫は偽者」を見たばかりだったけど、本作の方が格段良かった。
・誕生日が節目となる展開。二人の誕生日の馴れ初めは勿論(彼女のくしゃみにより結婚出来た、そういえば、彼の葬式にもまたオペラを歌うおばさんって、どれだけ長生きなんだ?)、特に彼女の家出のエピソードが良い。
・彼女の駆け落ちの時に登場して彼女がカンザスを離れての結婚願望の基となった彼女の両親の不仲が新聞漫画を通じて描かれる、脇道としての絶品さはルビッチならではのもの。勿論、彼の説得の仕方と、祖父の介入の仕方も見事。こういうのをルビッチ・タッチと言うのだろう。
・彼女との最後のダンスも泣けるが、そこで終らず、彼の老後から臨終まで描ききる見事さ。そして、往々にして、その中の描かれない、閉じられたドアなのです。
2020年12月30日
ランボー ラスト・ブラッド
2019年 アメリカ Rambo: Last Blood
エイドリアン・グランバーグ監督 デビッド・マレル キャラ創造 シルベスター・スタローン原案&脚本&主演 マシュー・シラルニック脚本 ブレンダン・ガルビン撮影 ブライアン・タイラー音楽 パス・ベガ セルヒオ・ペリス=メンチェータ アドリアナ・バラッザ イベット・モンレアル オスカル・ハエナダ ジーニー・キム ホアキン・コシオ
エイドリアン・グランバーグ監督 デビッド・マレル キャラ創造 シルベスター・スタローン原案&脚本&主演 マシュー・シラルニック脚本 ブレンダン・ガルビン撮影 ブライアン・タイラー音楽 パス・ベガ セルヒオ・ペリス=メンチェータ アドリアナ・バラッザ イベット・モンレアル オスカル・ハエナダ ジーニー・キム ホアキン・コシオ
・グリーンベレーの戦闘エリートとして活躍していたジョン・ランボーは、いまだベトナム戦争の悪夢にさいなまれていた。ランボーは祖国アメリカへと戻り、故郷のアリゾナの牧場で古い友人のマリア、その孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていた。しかし、ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致されたことで、ランボーの穏やかだった日常が急転する。娘のように愛していたガブリエラ救出のため、ランボーはグリーンベレーで会得したさまざまなスキルを総動員し、戦闘準備をスタートさせる。
・多分、ランボー・シリーズの最終作、と、前作でも思っていた気がする。前作は2009年だから11年前。試しに今感想を読んでみたら、なんと「老人ランボー」を描いたら面白いのでは、なんて書いていたら、本当に老人ランボーを描いてしまった。(まあイーストウッドのような老人演技はありませんが)
・内容は、前半がメタメタに悲惨な展開で、さすがにここまでやっちゃうの?(しかもランボーはご都合主義的に殺されない)って展開で、それにより、後半の凄まじい復讐に必然性を持たせたのでしょうが。
・そういう意味では、爽快とも言えるのだけど、しかしそこには全くサスペンスがない(一応、数発弾が当たっていますが)。ひたすら前もって仕掛けた罠を使って大量殺戮をしていく。まあ、そういう映画です。
・最後に椅子に座ったランボーと共にこれまでのランボー・シリーズ(その登場から)が走馬灯的に描かれて、これは「あしたのジョー」的に燃えつきた描写なのかな? 最後に馬で駆け去るランボーは最後の幻想なのかな、などとも感じるのですが。
2020年12月29日
ナイト・オブ・シャドー 魔法拳
2019年 中国 神探蒲松齢 The Knight of Shadows: Between Yin and Yang
バッシュ・ヤン(嚴嘉)監督 ボーハム・リュー(劉伯翰)、ジアン・ウェン脚本 チェ・ヨンファン(崔永桓)撮影 チャオ・チャオ(趙兆)音楽 ジャッキー・チェン イーサン・ルアン(阮經天) エレイン・チョン(鍾楚曦) リン・ボーホン(林柏宏) リン・ポン(林鹏) チャオ・シャン(喬杉) ランス・リュー(劉智福) マーク・リュー(劉智满) チャールズ・リュー(劉智堂) パン・チャンジアン(潘長江) キングダム・ユン(苑瓊丹)
バッシュ・ヤン(嚴嘉)監督 ボーハム・リュー(劉伯翰)、ジアン・ウェン脚本 チェ・ヨンファン(崔永桓)撮影 チャオ・チャオ(趙兆)音楽 ジャッキー・チェン イーサン・ルアン(阮經天) エレイン・チョン(鍾楚曦) リン・ボーホン(林柏宏) リン・ポン(林鹏) チャオ・シャン(喬杉) ランス・リュー(劉智福) マーク・リュー(劉智满) チャールズ・リュー(劉智堂) パン・チャンジアン(潘長江) キングダム・ユン(苑瓊丹)
・妖怪の世界から人間たちを守っていた結界が破れ、妖怪たちが人間界へ押し寄せる。彼らを捕らえるため人間界に送り込まれた妖怪ハンターのプウは、学者を装いながら、「陰陽の筆」の力を使って邪悪な妖怪たちを封印していく。ある時、美しい2人の女妖怪が少女たちを誘拐するという事件が発生。現場の村に駆けつけたプウだったが、女妖怪のひとりのシャオチンが、かつては人間であったが、愛する者のために妖怪になったという悲しい過去を持っていることを知り……。
・冴えなかった。面白くなかった。もはや肉体芸をしないジャッキーでも本作はワイヤーワークばかりに頼り、それ以外のアクションン(例えば椅子の芸など)もスローな気がした。ほとんどジャッキーで見るべき点が無いのはちょっと哀しい。
・唯一、シャオチンとツァイチェンの人間と妖怪の入れ替わり恋物語だけが興味深く、入れ替わりが解決したところで(悲恋にせよ、ハッピーエンドにせよ)奇麗に終われば良かったのに、その後無駄なスペクタクルでしらけきってしまった。シャオチンは血が汚れていても理性があったのに、ツァイチェンが汚れた血によって凶悪になることに説得力は無い。二人の恋物語こそクライマックスだったのに、クライマックスをスペクタクルにするという蛇足によって、最後まで冴えない作品になってしまった。
2020年12月28日
仮面ライダー1号
2016年 東映
金田治監督 石ノ森章太郎原作 井上敏樹脚本 藤岡弘、企画&主演 坂部剛/鳴瀬シュウヘイ/中川幸太郎音楽 西銘駿 岡本夏美 阿部力 長澤奈央 武田幸三 大沢ひかる 山本涼介 柳喬之 岩崎う大 槙尾ユウスケ 竹中直人 大杉漣
金田治監督 石ノ森章太郎原作 井上敏樹脚本 藤岡弘、企画&主演 坂部剛/鳴瀬シュウヘイ/中川幸太郎音楽 西銘駿 岡本夏美 阿部力 長澤奈央 武田幸三 大沢ひかる 山本涼介 柳喬之 岩崎う大 槙尾ユウスケ 竹中直人 大杉漣
・45年前に悪の秘密結社ショッカーによって改造人間にされた本郷猛は、長年にわたり、日本そして海外で悪と戦い続けてきた。ある少女の危機を知り、急遽日本に帰国した猛は、仮面ライダーゴースト/天空寺タケルら仲間たちと出会い、仮面ライダーに変身し、ショッカーに立ち向かう。
・やはり初代仮面ライダー、懐かしい。藤岡弘、がひとまわり大きくなった(お肥えになった)のもご愛嬌、それに合わせた新しいスタイルも(最初のスタイルを活かしつつ)悪くない。競演の仮面ライダーゴーストについては全く知らないので、いまいちその周りの人間関係が分からないのが少し残念(竹中直人は何なんだ?)
・旧ショッカーとそこから離反した新ショッカーの三つ巴、立花藤兵衛の孫娘の登場も嬉しいし、大杉漣演ずる地獄大使の復活も、大杉漣が蘇ったようで何となく嬉しかった。今回限りと断わって味方になったし。それだけに、彼のラストシーンは物悲しい。
劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season1 覚醒
2018年 東映
石田秀範/田崎竜太/金田治監督 石ノ森章太郎原作 小林靖子脚本 はい島邦明音楽 谷口賢志 武田玲奈 東亜優
石田秀範/田崎竜太/金田治監督 石ノ森章太郎原作 小林靖子脚本 はい島邦明音楽 谷口賢志 武田玲奈 東亜優
・「生と死」を重要なテーマとして取り上げた本作では、「養殖と野生」をコンセプトに、病弱な青年・水澤悠=仮面ライダーアマゾンオメガと、アマゾンを狩るアマゾンとして生きる男・鷹山仁=仮面ライダーアマゾンアルファを巡る物語が展開。
・「仮面ライダーアマゾン」は単行本で一冊だけ買って読んだ記憶がある。その本は親戚の子供にあげてしまったけど、諸処の事情でその子とはそれ以来一度も会っていない。そういう想い出で、昭和の仮面ライダーとしては一号・二号以外に少しだけ思い入れを持っていたのだが(他の昭和ライダーは名前しか知らない)。
・しかし本作はその昭和ライダーアマゾンとは違う、それをモチーフ(原型?)としたアマゾンプライムが(多分アマゾンというのに引っ掛けて)製作依頼した別物のアマゾン(ズ)ということらしい。だから、平成ライダーとも直接的つながりは無い(らしい)。石森章太郎を原作としているというつながりだけか。
・本作はそうやって出来たアマゾンプライムでの13話の第一シーズンを再構成して作った劇場版(つまり総集編)とのこと。オリジナルの製作方針が一般TV向けより過激に作られていることは、本作を観れば分かるし、多分それがウリで、昭和・平成ライダーと一線を画す作品なのだろう。確かにその展開はそれなりに刺激的で、主人公たる二人のアマゾンはショッカー(なんて出てこない)でもなければヒーローとも言い難い。
・平成ライダーの「クウガ」「アギト」には熱狂したが、それ以来、第二シーズンの総集編たる続編が少し楽しみ。