ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


2018年12月

2018年12月31日

ルームロンダリング

2018年 日本
片桐健滋監督&脚本 梅本竜矢脚本 江崎朋生撮影 川嶋可能音楽 池田エライザ 渋川清彦 伊藤健太郎 光宗薫 木下隆行 つみきみほ 田口トモロヲ 渡辺えり オダギリジョー

18歳で天涯孤独の身となってしまった八雲御子。そんな御子の前に叔父の雷土悟郎が現れ、住む場所とアルバイトを用意してくれることになった。そのアルバイトとは訳あり物件に住み、部屋の履歴を帳消しにする「ルームロンダリング」という仕事だった。このアルバイトを始めたことで、幽霊が見えるようになった御子は、幽霊と奇妙な共同生活を送り、彼らのお悩み解決に奔走させられる。そんな中で御子は失踪した母親と再会を果たすが……。

・以前、同じ職業を描いた小説を読んだ記憶があったが、そのタイトルは「東京ロンダリング」だった。しかしそれが原作ではなく、むしろ、それを読んだときは、(恐がりとか、ミエル人以外には)なんとも羨ましい職業と書いたが、本作はそのミエル人を主人公としてしまった。だから映画としての方向性は全く違う、むしろこっちの方が普通の展開なんだろうな。
・それなりに面白かったけど、何と言っても久々に つみきみほ が見れたのはなんか感動的だったのだけど、僕としてはそれこそ「櫻の園以来という感じなのだけど(「覚えていないけど「蛇イチゴ」にも出ていたらしい)、確認してみたら、別に引退していた訳ではなく、ボツボツとは出ているみたい。
・娯楽映画としてのクライマックスは「猿蟹合戦」なのだろうけど、まあ、その後の つみきみほ のエピソードが良かったですね。




hirot15 at 23:49|PermalinkComments(0) 邦画 

2018年12月30日

パーフェクト・レボリューション

2017年 日本
松本准平監督&脚本 熊篠慶彦企画&原案 長野泰隆撮影 江藤直子音楽 リリー・フランキー 清野菜名 小池栄子 岡山天音 余貴美子 石川恋

幼少期に脳性マヒを患い、重度の身体障がいがあるクマ。自身もセックスが大好きなクマは、障がい者にとっての性への理解を訴えるための活動を、車椅子生活を送りながら続けていた。そんなある日、クマは人格障害を抱えた風俗嬢のミツと出会う。恋に落ちた2人は、幸せになるために究極の愛に挑んでいく。

・身障者役のリリー・フランキーはいつもの名演しているけど(スケベであるという設定が彼らしい)、むしろポイントは清野菜名の人格障害(体は健康であるが心を病んでいる)の方にある。彼女の暴走に、リリーは勿論、彼を世話する小池栄子側と、清野菜名を保護している余貴美子側を巻き込まれていく。
・正直、あまり面白いとは思わなかったし、納得のいく展開でもなかったのだけど、終盤にある(僕はここをクライマックスと思って見ていた)車椅子でのダンスシーンは素晴らしかった。このシーン、その前に清野菜名の決定的暴走シーンにより、二人は引き離され、接近禁止となっている。それがやっと解けたため、一度だけの再会が実現して、この(一度だけの)ダンスシーンが実現したのだ。
・ただ、残念ながら、映画はこのまま切なくも美しくは終らない。その後にクライマックスからエンディングに至る訳ですが。
・僕としてはやはりダンスシーンをクライマックスにしてもらいたかった。



hirot15 at 23:29|PermalinkComments(0) 邦画 | ドラマ

2018年12月29日

ジュラシック・ワールド/炎の王国

2018年 アメリカ JURASSIC WORLD: FALLEN KINGDOM
J・A・バヨナ監督 マイケル・クライトンキャラクター創造 デレク・コノリー/コリン・トレボロウ脚本 オスカル・ファウラ撮影 マイケル・ジアッキノ音楽 クリス・プラット ブライス・ダラス・ハワード レイフ・スポール ジャスティス・スミス ダニエラ・ピネダ ジェームズ・クロムウェル トビー・ジョーンズ テッド・レビン ジェフ・ゴールドブラム B・D・ウォン ジェラルディン・チャップリン イザベラ・サーモン

前作でハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れ、恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られていた。そんな中、恐竜行動学のエキスパートのオーウェンはテーマパークの運営責任者だったクレアとともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。

・これは醜悪。ジュラシック・ワールドの世界観を借りて、ひたすら人間の醜悪さを描くが、それは作品自体の醜悪さでもあると思う。かろうじて、ジュラシック・パークにおいて子供の存在が大きかったのを踏襲して、本作でも、少女の存在が(その存在は複雑ではあるが)救い。
・それにしても、このエンディングは開き直り?
・次作で建て直すのか、それとも地獄に堕ちるか。



hirot15 at 23:50|PermalinkComments(0) 洋画 | アクション・サスペンス

2018年12月28日

真実

梶芽衣子著

厳しい世界だからこそ「やってやろう」「やらなきゃ女じゃない」と思った-。時代を超えて愛される女優、梶芽衣子が半生を振り返る。深作欣二、勝新太郎らとの撮影秘話やプライベートも公開。

・元々モデル(「女学生の友」やデパートのカタログ等)としてスカウトされ、NHKの「若い季節」のチャームガールとして立っているだけの存在だった(渥美清に優しくされた)。それが日活にスカウトされ、女優に。女優としては素人だったが、かなり生意気で風当たりも強かった。彼女を拾ってくれたのが高橋圭三、そして女優修行を自らに課して押しかけて教えを請うたのが山岡久乃だった。山岡久乃は態度は冷たかったが、しっかり教えてくれた。
・本名の太田雅子から芸名を考えてくれたのがマキノ雅弘で、「梶芽衣子」と「桂芽衣子」のどちらが良いかを問われ、自分で「梶芽衣子」の方を選んだ。マキノは着物の着こなし方も教わり、とても役に立った。(マキノ自身の「日本残俠伝」にも出演できた)
・日活ではそれまでの青春映画から「野良猫ロック」で不良少女を演ずることによりイメージチェンジに成功、日活の斜陽(ロマンポルノへの転換)により自分も日活から東映に移籍した。当時は既に五社協定も崩壊し、多く先輩俳優が日活を離れていたので自分の移籍など問題にもならなかった。
・東映での出だしはTVの「大江戸捜査網」で、映画とTVの撮影の差に戸惑う。(映画は基本的にひとつのカメラ、TVは複数のカメラ、カチンコも無く、局にってスタートの間合いも違った) いつの間にか「ポスト藤(純子)とされてしまい不本意に「銀蝶渡り鳥」シリーズ二本。(特に着物で仁義を切る写真が大嫌いだった)
・「女囚さそり」へのオファーは脚本を読んであまりに安っぽいエログロでやりたいと思わなかったが、原作漫画を読んで、「ヒロインが全く喋らなかったら面白くなるんじゃないか」と閃き、「台詞を一言も発しないでいいなら受ける」と条件を出す。監督の伊藤俊也も第一回監督の新人で、1週間ほどの保留の後、受け入れてもらえた。監督との対目の時に「きわどいシーン(ヌード)が問題でなく、無言が問題とはっきり言った。
・無言の演技は、本当に喋らないでドラマが成立するかどうか、監督も不安だったので、映画としては異例の順撮り撮影となった。だからどうしてもセリフが必要なシーンは納得して発したが、基本的には無言を貫けた。順撮りは、常に現場に控えていなければならず、期間も4ヶ月を要したが肉体的には辛かったが充実した日々だった。元恋人に出刃包丁を突きつける衝撃的シーンは自分のアイデアだった。
・「さそり」は大ヒットしたが、それにより、自分としては続けるつもりはなかった一作きりという最初の約束が反故にされ第二作も出演せざるを得なくなった。それにより女優を引退して結婚し、主婦になるという道が閉ざされた。実は彼女は既にその時、結婚を前提として同棲生活に入っていたのだが。相手の男は御曹司ではあるが我儘な男で、彼が帰るまで彼女が起きていなければならず、ある日、彼を待ちながら玄関口で居眠りしてしまったら、彼に足蹴りされて口の中を切ってしまい、もうダメだと別れる決意をした。そんな彼は別れを納得した時、「決して女優を辞めず、決して結婚しない」ことを約束させられたが、その約束は守っている。
・第二作は仕方ないと思いつつ、しかし第三作は決して出ないと会社と岡田茂社長までも巻き込んだ大抗争が繰り広げられた。しかし自分の知らぬ間に東映と自分の所属会社で2年契約が成立していて、結局、出演せざるを得なかった。しかしその間に深作欣二の「仁義なき戦い・広島死闘編」に出演できた。(深作との仕事は念願だった。その時、深作に「今度は女を演じてくれ」と言われた。深作にとってそれまでの彼女は「少年」だったそうである) 深作は手持ちカメラを使う(当時としては)独特のスタイルで、その撮影は過酷で最後は発作を起こして山崎務に病院に運ばれた。病名は胃けいれんで、後に深作に「俺と仕事した人は一度は胃痙攣をやる」と言われた。
・「さそり」は第3作まで伊藤俊也だったが、梶芽衣子としては第一作以外は気に入っていなかった(僕は第三作までが好きだったが、多分、第二作目以降は作家性が強過ぎて女優としての面白みがなかったのではないか、というのは僕の想像)。これまた仕方なく引き受けながら、彼女自身の要望で監督を日活時代の「野良猫ロック」で意気投合した長谷部安春にした第四作(梶芽衣子最後の出演作)は彼女としては最も好きな作品という。彼女自身、世間の評判と評価が一致していないのは承知の上で。第四作を(これが本当に最後と俊藤も含めて念押しした上で)引き受けたのは、第三作のトラブルで岡田茂社長に対して申し訳なく思ったから、という。いよいよ撮影に入る時、長谷部の妻から彼女に「長谷部に何を着せて送り出せばいいか」と問い合わせる電話が来た。「普通にジーパンでいいんじゃないですか」と答えたが、長谷部はそれが東映での初めての仕事で、後に長谷部の死後、墓参りの折に奥さんから、当時彼のために常に高級ハイヤーで出迎えていたことを明かされた。俊藤のはからいと知りそのような細やかな気遣いが本当に素敵な人と改めて見直した。
・当時、舞台挨拶で、舞台で歌を歌うことは当たり前になっていた。歌を知らない彼女は、日活時代、かろうじて「美空ひばりさんの曲なら歌えます」と答えたら、「彼女は東映、彼女の歌の譜面などあるわけないじゃないか」と呆れられた。その後、自分の歌える曲を一生懸命勉強した。そが後の「恨み節」に生きることとなる。「恨み節」は本当は6番まであるのだが、本当はもっとあったのにTVの放送コードの関係で全部は歌えなかった。しかしこれまた知らぬ間に年間60曲出すという契約がされていて、苦労した。正直、「恨み節」のヒットで似たような歌ばかり歌わされてうんざりしたが、カヴァー曲の企画が出て、これで救われた。歌は後に勝新太郎と共演の際(勝新・高倉健と梶芽衣子の「無宿(やどなし)」)のおり、自分のレコードを勝新に褒められて、その時、「役者として歌いなさい」とアドヴァイスされる。勝新の歌を改めて聴くと、それがよくわかり、その後、そのように心がけている。
・「さそり」でブレイクした後、再びTVの企画が出されるが、正直乗り気ではなかった。しかし沢田研二との共演による「同棲時代」(未見)は脚本が山田太一で、当時まだ歌手だった沢田研二も本番ではとても良い演技をしてくれた。(その前段階では彼女が沢田に「自主練をしましょうか」と呼びかけるような出来だったが、沢田ははっきりと「本番ではちゃんとやりますから」と言われてその通りになった)
・連続ドラマの゛「寺内貫太郎一家」(これも未見)を久世からオファーされた時は、自分のキャラは邪魔になると何度も断ったが、久世は諦めてくれなかった。最後に相手役に藤竜也を用意したと言われて出演に同意した。藤竜也もまた「野良猫ロック」時代の盟友だった。足の不自由な静江(シーちゃん)という役は、久世の「全部見ている俺を信じろ」という言葉に惚れて演技した結果、それを納得するものになった。しかし第二シーズンのオファー(これは久世によるものではないらしい)は、第一シーズンの見事なエンディングを壊したくなかったので断った。
・「無宿」における勝新と高倉健について。撮影の合間には三味線の練習と称して、まわりの者を楽しませてくれる勝新。思いついたことはなんでも芝居に反映させようとする勝新に対して、全く動じない高倉健を貫く高倉健の、対照的な対比は見事だった。(「無宿」については、勝新について書かれた「偶然完全」でも少しだけ触れられている。そま「偶然完全」を読んだ後、作品自体も見たけど、僕は感心しなかった、というか、滅茶苦茶否定的感想を書いています)
・渡哲也も日活時代の先輩後輩で、自分が生意気だと言われていた頃によく親身になって説教された仲だった(女なんだから可愛がられなきゃダメだ」との忠告に「あなたに言われたくないわ」と可愛げなく言い返していた)。「勝海舟(大河ドラマ)」で渡哲也が病に倒れた時、見舞いに行ったら、後から石原裕次郎が顔を出し、「俺はお邪魔虫だな」とすぐに引っ込んでしまった。その折、二人での共演の話が出て、退院後、東京でプロデューサーも交え話し合うが、梶が「増村保造」を推薦したが、渡のイメージに合わず(若尾文子の女性物イメジが消えなかったのだろう。市川雷蔵とか、男もいいと言ったのだが)たち消えとなってしまった。その後も松本清張もので再び共演の機会があったのに、それも政治的問題で実現せず、もうダメから、と思っていたら、やっと深作の「くちなしの花」で共演が実現できた。
・その増村との仕事は、相手役も宇崎竜童、題材も「曽根崎心中」と自分で見つけて、ATG系で実現させた。過酷な撮影で監督からは最初に一度褒められたきり(うん、梶くんは映った方がいいな)、罵倒されどうしだったが、映画は無事完成した。しかし、ATG系ゆえに、彼女自身はノーギャラだったため、税務署に仕事と認められず、マネージャーは3ヶ月も税務署との談判に通うこととなった。一方、彼女自身も出演期間、収入が入らないので、その時、キャバレー営業、つまり昔とった杵柄の歌により、助けられた。
その甲斐もあって「曽根崎心中」は大ヒットし、モントリオール映画祭に招待され、そこでの評判も上々(彼女は審査員特別賞を受賞)だった。現地でアラン・ドロン(審査委員長)にも会うことができたが、同行した川喜田夫妻は夫妻は、それまで東宝東和で契約していたのを金銭的問題で裏切られたため、ドロンを完全無視した。

鬼龍院花子問題
・以前読んだ「シネマの極道」の梶芽衣子のくだりが大嘘である事が書かれています。それで本書のタイトルが「真実」であるのかと思うほど。「シネマ」の作者、東映グループのプロデューサー日下部は 梶芽衣子の企画を歳が合わないので夏目雅子にして、梶芽衣子には後で仲直りしたと書かれているが、その本の中身を知った梶芽衣子は三度怒ったと言う。1度目は企画を盗まれた時、2度目はあやまるからと(その時初めて一度だけ会ったきり)言うので出向いたら謝りもせずなあなあにするどころか失礼な態度を取られ席を立ったこと。その後若山富三郎に慰められ怒りをおさめたのに三度大嘘をつかれるとは。

・本書において、いくつものトラブルを起こしながら、基本的に、彼女はすべての人に対して好意的に書いているが、唯一、日下部だけは徹底的にこきおろしている。本書のタイトルも確実に日下部に向けたものだろう。

・「曽根崎」と「鬼龍院」も寛大の後、3ヶ月のニューヨーク留学をする。その際のブロードウェイの俳優たちの姿勢(役をもらえない時はチャンスを待ってアルバイトをして待つ)に感銘を受け、日本に帰ったらもらった仕事はなんでも受けようと決意する。フジテレビでの「笑顔泣き顔ふくれ顔」というTVドラマはそれまでの彼女とは全く違う、わざとメガネをして目立つホクロをつけるなど、今までにないアクセントをつけて成功した。ここで企画の重村さんと出会ったことが「鬼平」につながった。
・ニューヨーク帰国後、自分がどうしてもと望んだ出演は二つ。一つは野村芳太郎の「わるいやつら」で、主役で賞を取った後、役の大小は問わないという姿勢で、なんでもいいから役をくれと野村に直談判の手紙を出し、女将役を手に入れた。
・もう一つが、勿論、「鬼平」で、歌舞伎の勉強の過程で中村吉右衛門の存在を知り、どうしても共演したいと思ったが、「鬼平」を知った時、既に撮影は始まっていた。だから、ここでもどんな役でもいいから出演させてくれ、と当時出演していた亀山プロデュサーを通じてお願いしたところ、おまさ の役をもらうことができた。一話のゲストでいいと思っていたのに、レギュラー(途中からの登場だったので初回に間に合わなくてもよかった)に抜擢されて感激した。それ以後、スケジュールは「鬼平」に合わせたため、黒澤からのオファーも断ざるを得なかった。
・今、「鬼平」が完結した後、彼女は70歳でロックに挑戦している・・・・リスタートだ。



hirot15 at 23:44|PermalinkComments(0) その他読書 | ドキュメンタリー

2018年12月27日

8年越しの花嫁 奇跡の実話

2017年 松竹
瀬々敬久監督 岡田惠和脚本 斉藤幸一撮影 村松崇継音楽 佐藤健 土屋太鳳 北村一輝 浜野謙太 中村ゆり 堀部圭亮 古舘寛治 杉本哲太 薬師丸ひろ子

結婚を約束し幸せの絶頂にいた20代のカップル・尚志と麻衣。しかし結婚式の3カ月前、麻衣が原因不明の病に倒れ昏睡状態に陥ってしまう。尚志はそれから毎朝、出勤前に病院に通って麻衣の回復を祈り続ける。数年後、麻衣は少しずつ意識を取り戻すが、記憶障害により尚志に関する記憶を失っていた。2人の思い出の場所に連れて行っても麻衣は尚志を思い出せず、尚志は自分の存在が麻衣の負担になっているのではと考え別れを決意するが……。

・出会いから土屋太鳳の病気の発症まで、反射運動以外に意識の無かった土屋太鳳が目覚めるが記憶を失っていたという展開、そして二人が再び関係性を取り戻すまで。正直、意識を取り戻すまではルーティンという感じでそこそこ程度だった。ただし、佐藤健が予約してあった結婚式場を取り消さずに、たとえ今年に間に合わなくても翌年以降も同じ日付を予約し直すという申し出は泣けるし、その後、佐藤健の同僚(浜野謙太)の結婚式で同僚が号泣するシーン(佐藤健より先に結婚するという事実)も印象的だった。一度は佐藤健と別れようとする土屋太鳳の両親(薬師丸と杉本)が諦めない佐藤健を受け入れるシーンも。
・しかし本作の本質は、やはり意識を取り戻した土屋太鳳の過去と向き合う展開だろう。土屋太鳳にとって義理での付き合いが二度目の交流に至るまで。佐藤健は安定した演技だが、むしろ驚くべきは土屋太鳳の意識障害から意識を取り戻した後の惚けた表情、それが理性を取り戻していく過程。その見事な演技。
・何故、本作を観たかったか忘れていたが、脚本が岡田惠和だったんだ。納得。



hirot15 at 23:43|PermalinkComments(0) 邦画 | ドラマ

2018年12月26日

レッドボール作戦

1953年 アメリカ RED BALL EXPRESS
バッド・ベティカー監督 ジョン・マイケル・ヘイズ脚本 モーリー・ガーツマン撮影 ジェフ・チャンドラー アレックス・ニコル チャールズ・ドレイク シドニー・ポワチエ

パットンの戦車隊はパリへと向かっていた。そして物資が不足し進軍が滞るなか、軍用トラックのルートが切り開かれた。ドイツ軍の執拗な妨害をものともせず、補給部隊の決死の輸送作戦が始まった……。

・久々。バッド・ベティカーの西部劇やミステリは見たが、戦争映画は初めて。
・これはパットンに燃料弾薬を届ける補給隊の話だけど、前線の兵士にからかわれながらも(当然乱闘になる)、不眠不休で往復を繰返す(戦隊は前進するから段々距離も長くなる)。不眠不休でトラックで目的地に着くと今度はバケツリレーのように物資を降ろす。一見、つまらなそうな映画だが、思ったより面白い。隊長と曹長の間には過去の確執があるようで(曹長は隊長と共に故郷でトラック運転手をしていたが、どうやら曹長の兄を死なせてしまったらしい)、他にも人種問題(初期のシドニー・ポワチエが出演している)、敵襲、地雷地帯など。クライマックスは燃え盛る町をガソリンや弾薬を積んで突破する、「恐怖の報酬」を彷彿とさせる展開だ(この場合、ニトロでないので衝撃はあまり関係ないが)。
・ジェフ・チャンドラー演ずるこの隊長の存在感が微妙に興味深く、厳しさと優しさがどちらに転ぶか分からないのが面白い。例えば差し入れのコーヒーとドーナツが届いても休憩をさせず、一方で途中でサボッてトラックに乗り遅れて自転車で遅れて着いたときは咎めない。補給隊と前線兵士が部隊ぐるみの乱闘になったときはそのまま乱闘を見守るだけで止めに入る相手隊長を制止する。部下が戦死したときは全員で簡易の葬式を行い、それを咎めて前進を命ずる上官を無視する(さすがに最後はこの上官も帽子を取って黙礼する)。
・ただ一つ、フランス娘との恋話(前述のトラックに乗り遅れた兵士は彼女の自転車を借りてトラックを追いかけるのだ。勿論、目的地まで追いつかない)は、たかが長くても一時間やそこらでこれほどの恋仲にはならないだろう、と。これがきっかけで、なら分かるが。それよりもフランス人家族がフランスを助けに来たこのアメリカ兵をもてなしてありったけの食料やワインをテーブルに広げたけれど、子供達の飢えを隠す様子を察して食べることができないシーンは良かった・・・



hirot15 at 23:31|PermalinkComments(0) 洋画 | 戦争

2018年12月25日

カメラを止めるな!

2017年 アスミック・エース、ENBUゼミナール
上田慎一郎監督&脚本&編集 曽根剛撮影 永井カイル音楽 濱津隆之 真魚 しゅはまはるみ 長屋和彰 細井学 市原洋 山崎俊太郎 大澤真一郎 竹原芳子 吉田美紀 合田純奈 浅森咲希奈 秋山ゆずき 山口友和 藤村拓矢 イワゴウサトシ 高橋恭子 生見司織

30分以上に及ぶ長回しなど、さまざまな挑戦に満ちた野心作。「37分ワンシーンワンカットのゾンビサバイバル映画」を撮った人々の姿を描く。とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたが、そこへ本物のゾンビが襲来。ディレクターの日暮は大喜びで撮影を続けるが、撮影隊の面々は次々とゾンビ化していき……。

DVD化されての再見ですけど、これをそんなに繰返し見て面白いかなぁ。こんなもんでしょ、というだけの感想ですが。ここんとここの監督(劇中の役者でなく)がラジオによく出ていたけど、この映画より監督自身の話の方が楽しかったかな。
・たいした役ではないが(TVのオーナーかな?)なんか凄く印象深いタレントがいるな、と思って改めて確認してみたら、というタレントだった。




hirot15 at 23:30|PermalinkComments(0) 邦画