ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


2018年07月

2018年07月31日

15時17分、パリ行き

2018年 ワーナー The 15:17 to Paris
クリント・イーストウッド監督&製作 ジェフリー・E・スターン原作 ドロシー・ブリスカル脚本 トム・スターン撮影 クリスチャン・ジェイコブ音楽 アンソニー・サドラー/アレク・スカラトス/スペンサー・ストーン原作&出演 ジェナ・フィッシャー ジュディ・グリア レイ・コラサニ P・J・バーン トニー・ヘイル トーマス・レノン ポール=ミケル・ウィリアムズ ブライス・ガイザー ウィリアム・ジェニングス

2015年8月21日、オランダのアムステルダムからフランスのパリへ向かう高速列車タリスの中で、銃で武装したイスラム過激派の男が無差別殺傷を試みる。しかし、その列車にたまたま乗り合わせていた米空軍兵のスペンサー・ストーンとオレゴン州兵のアレク・スカラトス、そして2人の友人である青年アンソニー・サドラーは・・・

・封切りで見た後の再見ですが、文句無い出来。初見時以上にダレたシーンはなかった(初見時は旅行シーンですこしダレた)。それと、今回は特典が興味深かった。実は、本人たちが演じた役は、オーディションにより、一応、プロの役者で配役がされていた。それをイーストウッドの一言で本人たちが演じることになってしまった。(彼らは最初の打診時、カメオ出演させてもらえる程度だと思っていた) それと、主役以外も本人たちが演じていたことは知っていたけど、唯一撃たれて重傷を負った人と、その妻も、本人が演じているのは今回初めて知った。これは結構凄い。
・知っていて見ても、表彰、及びパレード・シーン、本物と映画撮影の区別はつかなかった。パレード・シーンは全部本物かな?





hirot15 at 23:53|PermalinkComments(0) 洋画 

2018年07月30日

ポロック 2人だけのアトリエ

2000年 アメリカ POLLOCK
エド・ハリス監督&製作&主演 バーバラ・ターナー/スーザン・J・エムシュウィラー脚本 スティーブン・ネイファー/グレゴリー・ホワイト・スミス原作 リザ・リンスラー撮影 マーシャ・ゲイ・ハーデン エイミー・マディガン ジェニファー・コネリー ヴァル・キルマー

1941年11月、ニューヨーク、グリニッチビレッジ。29歳の新進画家ポロックは、四兄サンフォード夫婦の家に居候しながら創作活動に励んでいた。だが、彼は10代の頃からアルコール依存症に陥って以来、不安定な精神状態を抱え、自らの才能に自信を持てないでいた。そんなある日、画家仲間と共に絵画展を企画したポロックは、同じく展覧会に作品を出品する女流画家リー・クラズナーと出会う。彼女はポロックの絵を見て、その才能に魅了されていたのだった。やがて2人は互いに通じるものを感じ、付き合い始めるのだが…。

・「アパルーサの決闘」に感心して、エド・ハリスの監督第一作も見てみる気になった。「アパルーサ」でヴィゴ・モーテンセンを立てたように、本作でもマーシャ・ゲイ・ハーデンが彼の主演・演出を支えているのは、彼の意図だろう。
・卓越した才能と裏腹に酒を飲むと全てをぶち壊しにする悪癖。彼女はグリニッジビレッジの日常が彼を蝕んでいると気がつき、田舎に居を移す。立ち直った彼は世間に認められ、酒さえ飲まなければ独自の地位を固めたのだが、彼のドキュメンタリー映画を作ることに協力した為に、その彼の芸術的態度に反するストレスに、彼の忍耐はリミットを越えてしまう。
・勿論、エド・ハリスは自ら監督しているため、演技のコントロールは役柄とは逆に完璧だっただろうが、何と言ってもマーシャ・ゲイ・ハーデンが好演。久々のエイミー・マディガンはその厚化粧(或は年齢?)で昔の印象は跡形も無いながらも好演(彼女はエド・ハリスと結婚している)。ジェニファー・コネリーがポロックの愛人として終盤に登場するが、彼女らしくない、珍しいキャラ。
・終り方は唐突だが、実話だから仕方ないのだろう。




hirot15 at 23:50|PermalinkComments(0) 洋画 

2018年07月29日

ダスト8

手塚治虫著

旅客機の墜落事故から生き延びた八人。彼らを救った「生命の石」を取り戻し八人の命を奪うべく、生命の山を守るキキモラが旅立つ!

・「ダスト18」を読んで、「ダスト8」も読み直してみることにした。なるほど、最初に読んだ時、僕が失望した訳だ。それなりにうまく再構成されているが、しかしこの作品からはキモが抜けてしまっている。まず、二匹のキキモラは石を奪うと守るという対立関係でなく、夫婦という設定になってしまっている。任務を帯びたのは奪う一匹だけであり、もう一匹は夫婦で離れたくないからついてきてしまうのだ。それが奪うと守るのその後の展開は、対立でなく、もう一匹は人間を助けたいからではなく、用心棒代を稼ぐ為だ。(「ダスト18」の後半、金が必要になり、そのような展開になるが) 「お前が働いている間、僕は生活費を稼ぐ」というわけだ。或は、マッドサイエンティストの娘の設定が消え、単なるマッドサイエンティストと狂ったコンピュータ物になってしまう。日本兵の話も息子という設定が消え(これは実は親子の年齢が合っていないことに気がついたのかも。僕は読みながらそんなこと気にしなかったが)、逆にこの日本兵は実は現地人で日本兵に救われて育てられたという逆の親子関係になってしまっている。養子はがりがり日本兵魂を植え付けられた結果なのだが、そこに、「ダスト18」にあった本物の親子愛と恋人愛の濃密なクライマックスはない。勿論、僕が感動した「ダスト18」のエンディングに至る物語もない。
・その「ダスト8」のエンディングは噴飯物だ。任務を果たして帰った二人に造物主(?)は、騒がれ過ぎたから、時間を戻してやり直してしまおうという、最もくだらないハッピーエンド(結局誰も死ななかったことになってしまうのだ。そりゃあ、暗さは消えるわな)。
・その他、多分、「ダスト18」のマッドサイエンティストのエピソードで湧いたであろうアイデア、石は割っても使える、という主砲を「ダスト8」では最初から容易に使ってしまう。最後も「石の数さえあわせりゃいい」という容易な考え。それなら二人は夫婦なんだから、二人で相談して誰も殺さず帰ればいいじゃん、って感じ。
・一つだけ、「ダスト18」にないオリジナル・エピソードがある。これは、小品だが、唯一、「ダスト8」の存在価値かもしれない。それ以外は、「ダスト18」の感動が残っているのは、K国の死刑囚救命運動の話だ、これだけ、オリジナルをほぼそのまま残しているから。





hirot15 at 23:44|PermalinkComments(0) 漫画 | SF

2018年07月28日

ダスト18

手塚治虫著

航空機事故で死亡するはずだった18人が、生命の石を手に入れたことから、死からまぬがれるのだが、その石を取り返そうとするキキモラとそれを阻止しようとするキキモラを描く。

・現在出回っているのは、手塚が全集に収録する際、大幅に書き直し、構成し直して、タイトルも代えてしまった「ダスト8」。手塚が自分でも気に入っていない作品の一つで、全集収録がなかったら、少なくとも生前は出版されることはなかっただろう。少年サンデー連載時は人気が出なくて打ち切られた作品で、タイトルの変更は勿論、18人の物語を描く前に打ち切られてしまったから、最初から8人に変更したからだ。
・連載時、僕は小学生だったので毎回は読むことは出来なかったが、何回かは読むことができた。そして結構気に入っていただけに、打ち切りは残念だった。しかし、「ダスト8」として初めて全編(「ダスト8」としての全編)読んだ時、「こんなものだったかな、やっぱり」と少しがっかりしてしまっていたのだが。
・今回ほぼ完全版が出ていることを知って、本当に連載時からこの程度のものだったのか、確かめたくなったのだ。前述通り、かなり手を入れたことは手塚自身が後書きで書いていたから。
・そして、読み直して、最後に感激したのが、ラストシーンを覚えていたことだ。ストーリーとしてでなく、ラスト・シーンとして。「ダスト8」はこんなシーンはなかった。
・肝心の内容。面白いのだ。ただし、18にする予定だったエピソードが6つで終ってしまったそれぞれの内容はとてつもなく暗い。そしてそのほとんどが救うことが出来ずに終ってしまう。K国のキムさん死刑判決に対する救命運動、恐怖症に陥ったレーサー、横井さんに題材を取った日本人捜索、そして最もSF的マッドサイエンティスト物。結末は美しいエピソードもあるが、しかし悲惨な展開も多い。しかしその内容が濃いのだ。
・例えば、日本兵捜索は、亡き母親の遺言で父親の捜索なのだが、見つけた父親はほとんど狂気で勿論日本の敗戦を認めないで、彼の婚約者であるアメリカ娘を殺そうとやっきとなる。母親の名前を知っていた故、かろうじて自分が息子であることは受け入れるが(二人は出征前、結婚しておらず、一度結ばれただけだったから、彼は自分に息子がいることを知らなかった。一方で恋人の存在は秘密だから、自分しか恋人の名前は知らない筈だったのだ)、とうとうアメリカ娘は捕まり、処刑されかかる。息子は必死で彼女の盾となるのだが・・・
・或はマッドサイエンティストのエピソードは妻に裏切られて人間不信に陥った彼は自分のもつ生命の石を削ってそれを与えることで無生物に生命を与えられることを知る。彼の最後の実践は、自分の作った世界最高のコンピュータに生命を与えることだった。そして彼はそのコンピュータ、アニーを自分の決して裏切らない妻として、アニーに人類抹殺を命ずるのだ。彼の別れた妻との間には娘がいて、彼女は父親に会いにきたのだが、父親は会おうとせず・・・・
・最初に書いたように、キキモラという冥界の生物二匹がWは石を奪おうとし、Mが石を守ることで人間の命を守ろうとする。このMとWが、多分、後の「MW」として昇華していくことは誰でも推察するだろう。
・確かに唐突なエンディング(人間界が嫌になり、二人が任務放棄して去っていく)だが、その背景は美しい。
・「ダスト18」は、確かに手塚治虫の最も暗かった時期の作品(劇画の台頭、虫プロと虫プロ商事の倒産等)であり、その暗さが前面に出てしまった作品ではあるが、自分ではスランプと自覚していただろうが、実は作品自体はスランプではなかったのだと思う。
・僕はこの作品が好きだ。ただし、もしもこの後、続いていたら、ますます暗い方向に進んでしまったかもしれず、もしかして、この打ち切りはある程度タイミングのよい打ち切りだったのかもしれないと思う。





hirot15 at 23:50|PermalinkComments(0) 漫画 | SF

2018年07月27日

ミューズ

2017年 スペイン・アイルランド・ベルギー・フランス合作 Muse
ジャウマ・バラゲロ監督&脚本 フェルナンド・ナバーロ脚本 パブロ・ロッソ撮影 スティーブン・レニックス音楽 エリオット・コーワン フランカ・ポテンテ アナ・ウラル ジョアンヌ・ウォーリー クリストファー・ロイド レオノール・ワトリング マヌエラ・ベレス

大学教授サミュエルは教え子のベアトリスと交際していたが、彼女はサミュエルの家で自殺してしまう。それ以来、サミュエルは女性が惨殺される悪夢に悩まされるように。ある日、サミュエルはテレビで「儀式殺人」と思われる事件のニュースを目にするが、その犠牲者リディアはサミュエルが夢で見た女性だった。

・これは面白く怖かった。予知夢を見た男が主人公だが、彼が事件現場に潜入してみると、もう一人、同じ予知夢を見た女と遭遇する。そこで二人が見つけたもの。二人は現場からの脱出の際、はぐれてしまうが、その後、主人公は二人が見つけたものを取り返しに来る謎の女に脅迫される。それまでに彼が調べた結果、この事件に絡む過去の人間はほとんど様々な方法で変死している。自分もその一人になるのか。しかし返したくてもそのモノは女の方が持ち去ってしまっているのだ・・・
・タイトルにもなっているから、バラしてしまうが、彼らに迫る女はミューズであり、それも死の天使、彼女たちを調べようとした者達はみな残酷な死に方をしているのだ。(一方で、彼らが調べられたように、ある程度までは様々な文献に載っている) ひとつだけ、ポイントとなるものをあげておくと、彼女たち七人のミューズはいくつかの絵になっているのだが、七人のミューズとされながら、六人しか描かれていないのだ! この謎も含めて、恐ろしい展開とともに、しかし実に論理的に展開していくのだ。七人のミューズが一人ずつ登場して来るのも良い。
・意外な拾い物だった。



hirot15 at 23:52|PermalinkComments(0) 洋画 | ホラー

2018年07月26日

アパルーサの決闘

2008年     アメリカ APPALOOSA
エド・ハリス監督&脚本&製作&主演 ロバート・B・パーカー原作 ロバート・ノット脚本 ディーン・セムラー撮影 ジェフ・ビール音楽 ビゴ・モーテンセン レニー・ゼルウィガー ジェレミー・アイアンズ ティモシー・スポール ランス・ヘンリクセン ジェームズ・ギャモン トム・バウアー アリアドナ・ヒル アダム・ネルソン ガブリエル・マランツ ジョン・リン

無法者のブラッグ一味から罪なき人々を守るため、アパルーサの町へやって来た保安官バージル・コールと相棒のエベレット・ヒッチ。しかし、美しい未亡人アリソン・フレンチの登場により、2人の運命は狂わされていく。

・エド・ハリスの監督作(2作目、一作目は未見(知らなかった))ということもさることながらロバート・B・パーカーの西部劇が原作ということも今日もしんしんだったが、その期待はある程度満たされた。
・とにかくレニー・ゼルフィルガーのファム・ファタルぶりが全編を支配する。決して美人とは思わないが、コケティッシュさと状況に応じた立場の転身さ。
・しかし何より一見主役のエド・ハリスが、実は主役は彼の補佐役のヴィゴ・モーテンセンであった(監督エド・ハリスの巧さ)という技巧。
・一見、捕らえた囚人を裁判まで守り抜こうとする「リオ・ブラボー」的状況が、そのような方向には向かわず、実は健全だったアンジー・ディキンスンではなく、レニー・ゼルフィルガーというファム・ファタルに翻弄される、予想外の展開。
・とにかく、エド・ハリス演出(ロバート・パーカーの原作は未読ですが)によるヴィゴ・モーテンセンの存在感に敬服です。



hirot15 at 23:51|PermalinkComments(0) 洋画 | 西部劇

2018年07月25日

嘘を愛する女

2018年 東宝
中江和仁監督&脚本 近藤希実脚本 池内義浩撮影 富貴晴美音楽 長澤まさみ 高橋一生 DAIGO 川栄李奈 野波麻帆 初音映莉子 嶋田久作 奥貫薫 津嘉山正種 黒木瞳 吉田鋼太郎

食品メーカーに勤める川原由加利は、研究医である優しい恋人・小出桔平と同棲5年目を迎え、公私ともに充実した日々を送っていた。そんなある日、自宅で桔平の帰りを待つ由加利のもとに、警察が訪ねてくる。桔平がくも膜下出血で意識を失っているところを発見されたのだが、桔平の所持していた運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたもので、職業も名前も全てが嘘であると判明したのだ。ショックを受けた由加利は桔平の正体を突き止めるべく、私立探偵の海原匠と彼の助手キムに調査を依頼。やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ未完成の小説が見つかる。その内容をもとに、いまだ病院で眠り続ける桔平の秘密を探るため瀬戸内海へと向かう由加利だったが……。

・予想外、面白かった。主演の長澤まさみが実に嫌な女を演じていて、それに関わる吉田鋼太郎、私立探偵役です。その助手が最初分からなかったけど、DAIGO。彼も地味に好演。黒木瞳は特別出演という感じで、意外なことにほとんど内容にはかかわらなかった。悪酔いした長澤まさみを介抱するだけ。それと川栄李奈が毎度のクセのある役柄、演技。だけど、最後に消えてしまったのはちょっと残念。しっかり退場させてあげたかった。
・本作は序盤で、二人の出会いと日常が描かれ、次に本題となる恋人くも膜下出血で意識不明になった時、彼の身元が全て嘘であったことが分かる。その後の長澤まさみのショックと対応も納得のいくもので、彼女の必死の恋人の身元探しが始まる。やっと、その正体が分かったと思ったときのどんでん返しが凄い。そして、吉田鋼太郎の過去についても少しずつ分かりかけていたところで、長澤まさみの境遇とリンクするところも良い。
・そして、何より驚いたのは、もしかしてオープニングで見落としてしまったのかもしれないけど、見終わった後で何となく見た本作予告の冒頭。<実話に基づく>って、ほんとかよ、って驚き。半分事実だとしても凄いと思う。
・実に嫌な女を演じ続けた長澤まさみが最後に可愛い女となっている。やはり本格的に上手くなっている。



hirot15 at 23:51|PermalinkComments(0) 邦画 | ミステリ