ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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プロフィール

hiro


2017年11月

2017年11月30日

3月のライオン 前編

2017年 東宝
大友啓史監督&脚本 羽海野チカ原作 岩下悠子/渡部亮平脚本 山本英夫撮影 菅野祐悟音楽 神木隆之介 有村架純 倉科カナ  染谷将太 清原果耶 佐々木蔵之介 加瀬亮 前田吟 高橋一生  岩松了 斉木しげる 中村倫也 尾上寛之 奥野瑛太 甲本雅裕 新津ちせ 板谷由夏 伊藤英明 豊川悦司

幼い頃に交通事故で両親と妹を亡くし、父の友人である棋士・幸田に引き取られた桐山零。深い孤独を抱えながらすがりつくように将棋を指し続けてきた零は、 中学生でプロ棋士の道を歩みはじめる。しかしある事情から幸田家での居場所を失い、東京の下町でひとり寂しく暮らしていた。そんなある日、和菓子屋を営む 川本家の三姉妹と知り合った零は、彼女たちとの賑やかで温かい食卓に自分の居場所を見出していく。

・原作漫画は未読だけど、アニメの第一シーズンは結構見ていたので、大筋は分かっていた。将棋はコマを動かせるだけで、盤面は全く分からないけど、それは「ヒカルの碁」で、将棋よりは分かっていてもそれほど役に立たないし、逆に分からなくても面白かったので、そちらは気にする必要はないだろう。勿論熟知していたら、もっと面白いかもしれないけど。(まあこういうのは、盤面はちゃんと考証しているだろうし) それよりも、対局中の棋士の表情にはかなり凝っているというか、本作の面白さのほとんどはその部分かもしれない。特に佐々木蔵之介には感心した。
・倉科カナが予想以上の好演。妹達も良かった。一方で、有村架純の役柄は無理があると思っていたけど、むしろ倉科と役柄が逆と思ったが、有村にスナック勤めは無理があるから、やはり倉科の演技の広さが適任か。勿論、「ひよっ子」のイメージが強いこともあるのだろうけど。アニメの第二シーズン以後はまだ未見なので、今後、有村がどこまで挽回出来るか(このまま性悪義姉ではおわらないだろう)、後編への期待のほとんどは、それ。
・神木隆之介はしっかり主役を演じきっているけど(良くも悪くも「聖の青春」の松山程アクが強くない)、ただ、棋士たちはみんなちょっと(アニメに合わせて)デフォルメされ過ぎているかな。面白いのは前述の佐々木蔵之介くらい。



hirot15 at 23:16|PermalinkComments(0) 邦画 

2017年11月29日

沿岸防衛隊

1949年 イギリス LANDFALL
ケン・アナキン監督 ネヴィル・シュート原作 ギルバート・ガン/タルボット・ジェニングス脚本 ウィルキー・クーパー撮影 フィリップ・グリーン音楽 マイケル・デニソン パトリシア・プランケット キャスリーン・ハリソン デニス・オディア デヴィッド・トムリンソン ジョーン・ダウリング A・E・マシューズ モーリス・デナム マーガレッタ・スコット セバスチャン・ショウ ノーラ・スウィンバーン チャールズ・ヴィクター ローレンス・ハーヴェイ ポール・カーペンター フレデリック・ライスター ハバート・グレッグ

英空軍のリックは、パトロール中に味方の潜水艦を誤爆した疑いで異動となる。恋人のモナはリックの容疑を晴らそうとするものの、リックは新型ミサイルを積んだ爆撃機のテストパイロットになり、危険な試験飛行に臨む。

・原作は「渚にて」のネヴィル・シュート、監督もケン・アナキン、たいした監督ではないと思うけど、「史上最大の作戦」「素晴らしきヒコーキ野郎」「バルジ大作戦」など何作か見覚えはあるけど、僕の好きなジャンルではない。アナキン・スカイウォーカー(スターウォーズ」)がルーカスとの親交から名付けられたとは知らなかった。
・で、本作。ちょっとしたガールハント場面から始まる(自動車で送られているのに相手の名前も知らない
)。しかし主人公が友軍潜水艦を誤爆したと疑われてから物語は動き出し、バーテンダーの恋人が手がかりをつかんでもそれを主人公に話す機会は訪れない(そのことは考えたくないんだ、と話は中断してしまう)。
・主人公は誤解されたまま海軍のテストパイロットとなるが、それは誤爆させた海軍側の復讐ではなく、むしろ誤爆したパイロットの適性を疑うものだったが、互いの誤解を互いに前向きに受け取ることにより展開することに救いを感じる。
・結局、ヒロインの得た情報は事後情報となってしまう。それはそれで巧い構成だろう。


hirot15 at 23:57|PermalinkComments(0) 洋画 | 戦争

2017年11月28日

LOGAN/ローガン

2017年 アメリカ/カナダ/オーストラリア LOGAN
ジェームズ・マンゴールド監督&製作総指揮&原案&脚本 スタン・リー製作総指揮 スコット・フランク/マイケル・グリーン脚本 ジョン・マシソン撮影 マルコ・ベルトラミ音楽 ヒュー・ジャックマン パトリック・スチュワート ボイド・ホルブルック スティーブン・マーチャント ダフネ・キーン リチャード・E・グラント エリック・ラ・サール エリゼ・ニール エリザベス・ロドリゲス クインシー・フォース

ミュータントの大半が死滅した2029年。長年の激闘で疲弊し、生きる目的も失ったローガンは、アメリカとメキシコの国境付近で雇われリムジン運転手として働き、老衰したプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアを匿いながら、ひっそりと暮らしていた。そんなある日、ローガンの前にガブリエラと名乗る女性が現れ、ローラという謎めいた少女をノースダコタまで連れて行ってほしいと頼む。組織に追われているローラを図らずも保護することになったローガンは、 チャールズを伴い3人で逃避行を繰り広げることになるのだが……。

・「X-MEN」シリーズの番外編「ウルヴァリン」シリーズの三作目。プロフェッサーXの関係する部分が意外。それと無敵に思えたローガンの衰えの描写も。それに対してローラの動きは凄い。特に最初の見せ場の手、だけでなく足技を見せるシーンの凄さ。
・ただ、牧場一家のエピソードなどちょっと悲惨過ぎるシーンはちょっと気になるが。一方で、それがプロフェッサーの<想い>で見ると確かに感動的なのだが。
・X-MENというミュータント集団の中での改造人間としてのウルヴァリンの立ち位置というものを改めて考えてしまった。(施設で養成されたと言う意味では本作においては同じなのだが)




hirot15 at 23:56|PermalinkComments(0) 洋画 | SF

2017年11月27日

潜水艦シー・タイガー

1943年 イギリス WE DIVE AT DAWN
アンソニー・アスクィス監督 J・B・ウィリアムズ/ヴァル・ヴァレンタイン脚本 ジャック・コックス撮影 ジョン・ミルズ エリック・ポートマン ロナルド・ミラー ジャック・ワトリング レジナルド・パーデル ニオール・マッギニス

英軍の潜水艦シー・タイガー。乗組員たちは休暇中だったが、召集され独軍の新造艦ブランデンブルクを攻撃するために緊急出撃した。バルト海で戦いが行われ、作戦は成功するが、燃料切れのシー・タイガーは……。

・冒頭部分が任務終了で休暇に出る乗組員達のこもごも(結婚を控えていたり、離婚問題があったり)、それが突然の出撃命令で解決すること無く寸断され、おきまりの潜水艦ものとなる。潜水艦の浸水対処シーンや、燃料切れによる絶体絶命的展開、そしてそれに対する一か八かの作戦等、まあ面白い展開ではあるのだけど、基本的に戦争映画が好きでない僕は、こんなものかな、というところ。何か国語も喋れて、もっと出世していて当然なのに、出世せず、休暇になると飲んだくれて帰って義兄と折り合い悪く離婚寸前(しかし幼い息子のことは愛しているし、妻に本音をぶつけられなくて、ただただ義兄と喧嘩して終ってしまう)というインテリ乗組員がちょっと面白かった。決死の作戦時に、艦長が「俺もついて行きたいのだが」と言ったとき、「あんたのドイツ語ではすぐバレてしまう」と。艦長もそれには反論出来ない。戦闘シーンはともかく、そうした人間性のシーンは悪くない。



hirot15 at 23:46|PermalinkComments(0) 洋画 | 戦争

2017年11月26日

追憶(2017)

2017年 東宝
降旗康男監督 青島武/瀧本智行原案&脚本 木村大作/坂上宗義撮影 千住明音楽 岡田准一 小栗旬 柄本佑 長澤まさみ 木村文乃 矢島健一 北見敏之 安田顕 三浦貴大 高橋努 渋川清彦 りりィ 西田尚美 安藤サクラ 吉岡秀隆

1992年、冬。親に捨てられた13歳の少年・四方篤は、似た境遇の田所啓太、川端悟と共に、軽食喫茶を営む仁科涼子と山形光男のもとで家族のように暮らしていた。しかしある事件をきっかけに幸せな日々は終わりを迎え、彼らは離れ離れになってしまう。25年後、成長して刑事になった篤は、無残な刺殺体と なって発見された悟と再会を果たす。そして捜査が進められていく中、啓太が容疑者として捜査線上に浮上し……。

・いかにも降旗らしい作品だけど、こちらも歳とったせいか素直に感動してしまう。被害者と容疑者と刑事に分かれてしまった、決して会ってはならない筈の幼馴染み三人が運命的再会をしてしまう、という出来過ぎた話で、過去の犯罪が現在の因縁として蘇るという話は、あまり詳しくは覚えていないが、根岸吉太郎(役所広司と渡辺謙)の「絆」を思い浮かべるが(アメリカ映画なら勿論「ミスティック・リバー」や「スリーパーズ」などがあるが)、こちらはちょっと筋が違っていた。
・再会を素直に喜ぶ柄本(被害者)と、複雑な心境の岡田(刑事)、そして岡田との再会を喜ばず、柄本との関係を否定する小栗(容疑者)という三者三様。岡田は三人の関係を隠して単独行動をした結果、上司に知られて操作を外される、と、岡田中心に物語は進むが、何ともやりきれないのは、その真相だろう。勿論、岡田が三人の関係を隠したのは、過去の犯罪を知られたくなかっただろうからだが、岡田と小栗、(そして真相を知らないまま?或は最後に知ったか)柄本、それぞれのすれ違いがそのままこの映画の展開になっている。それはあまりにも切ない。
・安藤さくらの物語はうまく描かれているし、木村文乃の物語もこれでいいと思うが、長澤まさみのパートだけがちょっと舌ったらずな気がして残念だが、仕方ないか。(長澤まさみの疲れた表情はいよいよ演技の幅か広がったように思える。派手な役柄ばかりを選ばないのが今後を期待させる)
・柄本の娘が出番は少ないものの印象深い。出発前の会話、旅先での最後の電話、そして死後の後悔、そしてエピローグ。
・脇は甘いけど、素直に受け取りたい。



hirot15 at 23:52|PermalinkComments(0) 邦画 | ドラマ

2017年11月25日

過去を逃れて

1947年 アメリカ OUT OF THE PAST
ジャック・ターナー監督 ジェフリー・ホームズ原作&脚本 ニック・ムスラカ撮影 ロイ・ウェッブ音楽 ロバート・ミッチャム ジェーン・グリア カーク・ダグラス ロンダ・フレミング リチャード・ウェッブ スティーヴ・ブロディ ヴァージニア・ヒューストン ポール・ヴァレンタイン ディッキー・ムーア

ギャングのボスに雇われ、その愛人を捜し出したジェフ(ミッチャム)。しかし、彼はなすすべなくその女性を恋してしまい……。

・これは凄い。ファムファタル物の最高潮と思える作品。
・映画はフィルムノワールの常套手段たる、物語が始まってすぐ回想に入る形式。そこで主人公のジェフが語る相手は恋人アン(ヴァージニア・ヒューストン)であり、その内容はかつての恋人キャシー(ジェーン・グリア)に関する犯罪話だった。ジェフは決着をつけて来ると言い残してアンのもとを離れ、そして現在形の物語が始まる。
・ジェフはボスを裏切ってキャシーと逃げるのだが、それにより、ボスに借りを作り、その命令を受けざるを得ない。ボスはジェフの裏切りを服従で返させようと言う訳。この顔で笑ってひたすらねちっぽいボスを演じるのが、珍しく徹底した悪役のカーク・ダグラス。まだ序盤の回想シーンで、キャシーと二人で逃げる直前にジェフの前に現れるあたりのサスペンスもなかなかのもので、この時点で、(予めアンという存在は示しているが)キャシーはファムファタルとはいえ観客は二人の味方として見ている。実際、このサスペンスを逃れた二人は、しばらくの間、逃亡中ながらも幸せな関係が描かれているのだ。だから、次のサスペンスにおいて、ジェフは彼女の為に格闘するのだが、その時、キャシーがジェフに相手を殺して!と叫ぶシーンから流れは一変する。それからのロバート・ミッチャムはひたすら、死体遺棄を続けなければならなくなる。
・繰返すが、ジェーン・グリアのファムファタルぶりが凄い。そして、それを相手にするのがロバート・ミッチャムと、カーク・ダグラスなのだ。そう、徹底した悪役であるカーク・ダグラスもまた、その登場から最後までジェーン・グリアとの葛藤なのだ。そういう意味で、ダグラスもまたミッチャムと同じように、彼女に翻弄され続けていたのだ。
・物語は分かりやすいようで分かり難いようで分かりやすい。要は、要点だけを追っていけばいいのだと思う。
・ラスト・シーンで、聾唖の少年が空(ソラでなくクウ)を見上げるシーンが良いエンディングだった。



hirot15 at 23:59|PermalinkComments(0) 洋画 | ノワール・ボイルド

2017年11月24日

ろくでなし

1934年 フランス Mauvaise graine
ビリー・ワイルダー/アレクサンダー・エスウェイ監督 ダニエル・ダリュー, ピエール・ミンガン, レイモンド・ガレ

1930年代のパリ。裕福な医者の息子アンリは放蕩三昧の生活を続けていた。父は放蕩生活の支援を断ち切るためアンリの愛車ビュイック・ロードスターを売り払ってしまう。後日、その車の新しいオーナーがキーをつけたまま路上駐車しているのを発見する。アンリは誘惑に負け、最近、知り合った若い娘とのデート に車を盗み乗り去る。だが、後をつけてきた3人組の男たちに掴まりガソリンスタンドへ連れて行かれるのだった…。

・ビリー・ワイルダーがフランスを経てアメリカ亡命の途中、フランスで撮った処女作とのこと(共同監督となっているが実質的にほとんどワイルダーによるものということだが・・・)。ビリー・ワイルダーは二冊くらいは伝記(自伝も含む)読んでいるのだが、本作については全く記憶に無く、ハリウッドにおける「少佐と少女」(ジンジャー・ロジャース主演)が処女作と思い込んでいた。見れるわけがないと思い込んで記憶から消していたのか? wikiで確認したら、一応「悪い種子」というタイトルで明記されている。(共同監督とは書かれていない。また、当時は労働許可証がなかったので他の脚本作品も含めて偽名で仕事をしていたと言う)
・本作はコメディとも犯罪映画ともジャンル分けに迷うが、自動車泥棒と言うテーマは、ワイルダーがドイツ亡命時に所有の高級車を売らなければならなくなった哀しみから作られたとのこと。
・正直、佳作とも言い難いが、いくつか興味深い部分もある。コメディとも犯罪映画とも迷うのは、多分、本来は犯罪映画なのだが、各所にコメディ・タッチのセンスが表れている為にコメディと見紛えてしまうのだろう。最初がガールハントで始まる部分とか、いつも盗む過程で車を壊してしまう男とか、それで落としたナンバープレートを子供が自分のおもちゃの自動車に載せるとか(ここはそれだけで微笑ましいシーンだったが、後の伏線にもなっているのがワイルダーらしい)、ネクタイを盗むのが趣味の男とか、車を盗まれないように鎖でとめた後(現在の自転車の盗難避けみたい)、そこに駐車禁止の標識を見つけ、ちょっと戸惑った後、標識の方を取ってしまうとか。特に笑えるのは、リゾートで大量のネクタイ盗難が発生し、みんながパニックに陥っている中、一人だけのんびり日光浴をしている男。その理由は?というギャグ。しかし一方でシリアスな部分は実にシリアス。ギャグの直後にボスとの殴りあいがあり、こちらはシリアスなのだそれに。現在と違い、車を盗むこと自体を見せてはいない。こんなに簡単なの、もしかしてキーもなかったの?と勘ぐるくらいで、そこにスリルは無い。盗まれた側の慌てぶりを面白く描く方に主眼が置かれている(コメディ部分)。
・後半になって、ボスが彼を殺そうとするスリル、警察に追われるスリル。カーチェイス(多くが二人乗りのバイクというのが当時の風俗?)も当時としてはなかなかのもの。警察に追われながら、一方で車が壊れかけているスリルもある。なんとか警察から逃れて、改心して外国に恋人とともに逃げようと決意して、え?これで終り?と思ったら、勿論、クライマックスがあったのだが。ここもまたとてもコメディとは言い難いシリアスさ。そして、この結末は、陳腐ではあるがハリウッドのそれともフランスのそれとも違う。
・ワイルダーはこの後、ハリウッドでの監督デビュー前にルビッチのもとで修行し、そしてホークスの演出術を学んだ(「教授と美女」の脚本提供の代償)。それは正解だった。本作のセンスに、監督としての洗練された演出術が加わった訳だ。
・ちなみにヒロインのダニエル・ダリューは14才でデビューした後の16才当時の作品。勿論、wikiの代表作の中には表記されていないが、二人で警察から逃れた後、とぼとぼと道を歩くシーン(「郵便配達は二度ベルを鳴らす」を思い出した)はなかなか良いシーンだった。

(ビリー・ワイルダー関係としては本作が二作目。一作目はドイツ時代、脚本家としての「日曜日の人々」)




hirot15 at 23:50|PermalinkComments(0) 洋画