ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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プロフィール

hiro


2016年03月

2016年03月31日

獄門島 

横溝正史著

・「八つ墓村」に続いて読みました。「本陣殺人事件」に続く金田一シリーズ第二作で、時間的には「八つ墓村」より前の岡山シリーズです。「本陣殺人事件」の次ですが、間に戦争がはさまり、金田一自身も戦争に行っていて、長いブランクがあります。再読ですが、幸運なことに(?)雰囲気以外はそれほど覚えていない。石坂浩二の映画も見ましたが、確か、犯人は違っていたのではないか。まあ、どちらにせよ誰が犯人かは覚えていませんが。(ただ、市川崑の金田一映画に共通点があることは覚えているので)
・本作もまた、金田一耕助は犯人を突き止めるだけで殺人の阻止については全敗です。本作の場合、殺人阻止を目的に島を訪れているだけに、完敗と言えるでしょう。しかし「八つ墓村」と同じく、展開は面白くおどろおどろしい。俳句に見立てた殺人、「気違いじゃが仕方ない」(これは覚えていた)、道成寺の鐘、金田一が容疑者として捕まる。この清水という巡査がなかなか楽しい。楽しいと言えば床屋も単なる情報源という以上に面白いキャラだし。ただ、記憶より分家の方が形だけで存在感がなかった。これは映画の方の印象が残っているからかな。なんせ鵜飼青年をピーターが演じていた印象は強い。
・今、wikiで確認したら、1977年に石坂版映画と古谷版TVが両方作られていて、上映・放映時期も近かった為、映画がわざと犯人を変えたということを知った。TVと犯人が違いますと宣伝していたらしい。(僕は覚えていませんが、CMで横溝正史自身が「私も犯人を知りません」と言っていたらしい)
・それと、「気違い」という言葉が放送禁止用語で使えなくなった、という致命的とも言える事情が発生したことも。市川崑版が最後に「気違い」を使った「獄門島」ということらしい。古谷版は言い回しを変え、その後のTVはニュアンスを変えたりカットしたりしているとのこと。困るのは市川版の映画のTV放映で、その部分にピー音が入ってしまう為、視聴者はこの部分が分からなくなってしまうという。(NHKBSで一度だけ断りを入れた上でそのまま放送されたようですが) そういえば、先日見たWOWOWオンデマンドでの「兵隊やくざ」も気違いという台詞が消されていてうんざりしたのを思い出した。
・とにかく金田一の無力はともかく、推理小説としての質の高さを改めて思い知らされた。映画版は「悪魔の手毬唄」が最高傑作と思っているが、小説としては本作の素晴らしさを思い知らされた。



hirot15 at 23:31|PermalinkComments(0) 小説 | ミステリ

2016年03月30日

FACE展 2016

IMG_3086・もう終わってしまったのですが、印象だけ書き留めておきます。
・日本興亜美術館のFACE展 2016はとても面白かった。なかなかゆかりさんの絵はなかったが、気に入った絵も結構あった。フラッシュは駄目だが、写真撮影はOKだったので、何枚か 撮らせて貰った。ゆかりさんの絵は最後の最後に奥の方にあった。おお、暗い絵だ。しかしゆかりさんらしい絵で(前にも見た絵ですが)、その存在感は、その 絵の対面から見ると、他の絵の明るさに対する慄然とした深黒の存在感。ゆかりさんのタッチに少し似た絵もあったけど、それらにこのような存在感は無い。
・その他の絵も含めて、楽しい展覧会でした。


hirot15 at 21:57|PermalinkComments(0) ETC 

2016年03月29日

ストレンジャー〜バケモノが事件を暴く〜

本広克行監督 萩尾望都原作 鈴木勝秀脚本 香取慎吾 中条あやみ 萩原聖人 音尾琢真 小野武彦 段田安則 菅原永二 玉井詩織 宮下かな子 愛原実花 益岡徹

・都内で、首を絞められた後に頸動脈に穴を開けられ、血が抜かれるという殺人事件が立て続けに二件起きる。刑事の佐伯章二(萩原聖人)らは、シリアルキラーによる連続殺人事件も視野に入れながら捜査を継続する。その頃、大きなスーツケースを抱えた男・三杉晃(香取慎吾)と謎の美少 女・真理亜(中条あやみ)が深夜バスから降り立つ。古書店の店主・前島康夫(段田安則)のもとを訪ね、“香織”という女性を迎えに来たと告げる三杉。前島は、そう話す三杉の姿が鏡に映っていないことを指摘し「気を抜くな」と忠告する。一見普通の人間と何ら変わらない三杉たちだったが、実はふたりには秘密 が…。彼らは歳をとらずに生き続ける不老不死、バンパネラの一族だったのだ! 前島の勧めで三杉はかなり古びたマンションの一室を借り、中学校で産休補助の英語教員として勤務し始める。そして約束の夜、伊東香織(宮下かな子)を迎えに公園に向かった三杉だったが、その途中で自殺を図った女性・相沢陽子(愛原実花)を手当している間に香織が何者かに殺害されてしまう! 血は抜かれていなかったものの、香織も連続殺人事件の被害者であると推測した佐伯は捜査を開始。香織の身辺を探るうちに、彼女が児童養護施設の出身であることがわかる。そこで当時の様子を聞いた佐伯は、香織の「大人になったら“お兄ちゃん”が迎えに来てくれるの」という言葉が気になり…。さらに、香織の言う“お兄ちゃん”が三杉のことではないかと考えた佐伯は、三杉晃という人間について、そして連続殺人事件との関連について調べ始める。佐伯が自分たちの身辺を探っていることに勘付いた三杉は、真理亜とともに事件の真犯人を見つけ出すことに…やがて三杉のことを調べた佐伯は、衝撃的な事実を目の当たりにする…!

・「ポーの一族」の設定によるオリジナル・ストーリー、と思う。(原作を思い出せないが、このような物語はなかったと思う)
・しかし、オリジナルを比較しなければ、それなりに面白いストーリーだった。エドガー(=アキラ)が自分に関係してしまった殺人事件の解決をする。心情的には大人になったらもう一度逢うと言う約束が果たされなかったのは悲しいことだが。
・しかし、逆に「ポーの一族」の外側から事件に迫り、「ポーの一族」の片鱗を知る刑事側のアプローチも悪く無い展開だった。
・香取慎吾、中条あやみ、好演。




hirot15 at 23:19|PermalinkComments(0) TV | 漫画

汲取

・移住して四ヶ月、初めて汲取を依頼しました。ポットン便所は小学三年くらいまで使っていて、バキュームカーのお世話になっていたけど、それ以来。かなり溜まってきていたのだけど、つい先週まで雪に埋もれて頼むのを躊躇っていたのです。最高額の5184円かかりました。高いのか安いのか分からない。バキュームカーは昔は近くを通るだけで臭かったけど、ほとんど匂わなかったのは進化か、それとも家のトイレの臭いで消されていたのか。そういえば久々に、昔、再従兄弟が子供のとき、バキュームカーを見ては「衛生車、衛生車」と笑っていたことを思い出した。再従兄弟が幼稚園くらいの時だったかな。その時までバキュームカーを衛生車と言うとは知らなかった。(今、念のためググッてみたら、本当だった)
・冬でも来てもらえるのか、念のため聞いてみたら、雪掻きさえしておいてくれれば、とのこと。やっぱり雪に埋もれていてはやってくれない。次の冬からはマンホールが埋もれないようにしなければ。


hirot15 at 21:53|PermalinkComments(0) 只見 

2016年03月28日

大草原 

1947 The Sea of Grass
エリア・カザン監督 コンラッド・リクター原作 スペンサー・トレイシー, キャサリン・ヘップバーン, ロバート・ウォーカー, メルヴィン・ダグラス, フィリス・サクスター

19世紀末。家畜王・ジムと結婚したルーティーは、草原を愛し農業を嫌悪する夫と仲違いするようになる。やがて家を出た彼女は弁護士チェンバレンと愛し合うが…。

・久々のエリア・カザン、「ブルックリン横丁」(1945)に続く初期作品。序盤のキャサリン・ヘプバーンの存在感が抜群で(列車が到着して新郎を待つ間にバーでチェンバレンと出会うシーンや、新居の台所で彼女を疎ましく思うコックのジェフに自身を認めさせるシーンなど)、一方、スペンサー・トレイシーの方はそうした柔軟性は無く、新居に向かう途中で自身の土地である大草原について語るシーンは鬱陶しく感じる。このシーンが映画の終盤において見事に活きてくるのは、エリア・カザン後期の代表作「草原の輝き」を思い出す(奇しくもどちらも草原でもあるが、どちらも最後に意味を噛み締めるという共通点)。
・前半、こうした二人の姿勢は、ヘプバーンの柔軟性とトレイシーの頑さで、トレイシーは悪役に見える。弁護士チェンバレンもまたその流れの中で正義に見えるが、ここでヘプバーンとチェンバレンが関係してしまうところで物語は本当に動き出すのだろう。ヘプバーンの柔軟性は失われ、やがて破滅がおとずれる。一方、ヘプバーンを失ったトレイシーもまた、チェンバレンに屈して、牛の放牧に使われていた大草原は農耕に使われることとなり、それが始まった時は大成功をおさめ、チェンバレンが正しかったことが証明されたように見えたが。
・この後、後半は、トレイシーとその子供達、姉弟が成長してからの物語となる。まさに大河ドラマとなっている。こちらで思い出すのは同じエリア・カザンの「エデンの東」だ。勿論、ジェームズ・ディーンのような存在感は無いが、父と息子の関係、母と息子の関係、その愛憎は既にこの初期の作品において種は蒔かれていたのかもしれない。
・「エデンの東」を思い出すもう一つのシーンは、トレイシーの親友の臨終シーン。ヘプバーンを許そうとしないトレイシーに対して「誰も言わないだろうから、自分が今言う。君は間違っている」という臨終の言葉は、一見、正反対に見えて、やはり「エデンの東」におけるティムシェルという言葉を思い出す。
・本作は99%まで見事な出来だが、ハリウッド(製作会社に)にハッピーエンドを求められたか、最後のシーンのみ失敗している。容易なハッピーエンディングにがっくりした。僕としては、その前の母と娘の和解シーンで充分に(ハッピーとは言えないが悲劇的エンディングは回避され、彼女がトレイシーに会わないで去ることこそ)納得のいくエンディングだと思うのだが。勿論、後の「エデンの東」も「草原の輝き」も、このような容易なハッピーエンドにはならず、納得のいくエンディングになっている。だから、初めて見た頃、「草原の輝き」は嫌いだったのだけど。(中学生には分からない、もう少し人生の苦みを味わわなければ)



hirot15 at 23:51|PermalinkComments(0) 洋画 | ドラマ

2016年03月27日

ファンタスティック・フォー2015 

2015年 アメリカ FANTASTIC FOUR
ジョシュ・トランク監督 スタン・リー原作 マイルズ・テラー 、 ケイト・マラ(堀北真希) 、 マイケル・B・ジョーダン 、 ジェイミー・ベル(ガレッジセール・ゴリ) 、 ティム・ブレイク・ネルソン 、 オーウェン・ジャッジ 、 エヴァン・ハンネマン 、 マイルズ・テラー

ある事故で特殊能力を身に付けてしまった4人の若者たちが、その望まぬ能力に葛藤しながらも地球滅亡の危機に立ち向かい、成長していく。

・流行のリブート作品で、アメコミの世界観はよく分からないのだけど、アヴェンジャーズと併存しながらアヴェンジャーズ・シリーズではなく、どちらかと言えばスパイダーマンやX-MEN、デアデビルなどと競演するらしい。
・2005年版はかなり好きだったが、その続編はかなり質が落ちてがっかりした記憶がある。本作はリブートだからもう一度誕生篇なのだけど、真面目に作ってはいると思うけど、前作の方が面白かったと思う。多分、メンバーがグループになるまでの関係性が前作の方が面白かったし、透明女もジェシカ・アルバの方がセクシーだった(今回も美人ではあるけど、透明というセクシーさが活かされていない)。クライマックスもつまらないし、敵が自分だけ見殺しにされて取り残された怨みは分かるが、「俺の世界」の意味が分からない。世界征服なら分かるが、あんな荒涼とした世界に一人でのこって何が楽しいのだろう?



hirot15 at 23:44|PermalinkComments(0) 洋画 | SF

2016年03月26日

アントマン

2015年 アメリカ 原題 ANT-MAN
ペイトン・リード監督 エドガー・ライト脚本 ポール・ラッド 、 マイケル・ダグラス 、 エヴァンジェリン・リリー 、 マイケル・ペーニャ

仕事も家庭も失ったスコットが、最愛の娘のために身長わずか1.5cmになれるスーツを着用し、正義のヒーロー“アントマン”になるための特訓を開始する。

・アベンジャーズのシリーズの新作です。まだメンバーにはなっていなくて、発明した博士はS.H.I.E.L.D.から出て、シールズを信用していない。(この博士が初代のアントマンで、本作の主人公は二代目ということになるのだろうか。いや、それ以外、博士の奥さんもアントマンになっているけど、女だから彼女はアントウーマン?) アペンジャーズのメンバーとしてはS.H.I.E.L.D.の倉庫に侵入した際、ファルコンと戦っている。
・TVの予告なんか見てもあまり面白そうでなく、ほとんど期待していなかったけど、一応、見てみたら、思ったよりは面白かった。「ミクロの決死圏」ほどではなくとも、「ミクロ・キッズ」よりはスーパーヒーロー物として面白いかな。でも、小さくなる能力は分かるけど、同時に昆虫を操れるようになる、というのは御都合主義な気がする。その二つって、全く違う分野じゃない。都合良く二つの能力を持つなんて。それに、敵方は研究を成功していなかった筈なのに、簡単に成功してしまうのも御都合主義。せめて、「頭部を守るから成功する」という秘密を成功する鍵にしなければ、ご都合主義としか思えない。
・しかし人間関係として、敵方から父親に密かに協力する娘と、父娘の微妙な関係(娘は母親が飛行機事故で死んだという父の言葉を信じていない)、本当に彼女は味方なのか、というサスペンスがある。主人公がアントマンになろうとする鍛錬に協力しながらも彼にアントマンになる資格は無く、自分こそ案とマンになるべきだと思っている、その微妙さが良い。一方で、自分が泥棒になって刑務所にはいった為、娘に会えなくなった主人公が、この博士親子と微妙に重なるのも良い配置で、主人公の娘が父親大好きぶりがとても愛らしいのだ。(しかし一つ間違えば、博士と娘の関係と同じになりかねないことも自覚している)
・このようにドラマとしてはそれなり、一方で大きなご都合主義もあり、クライマックスも圧倒的な面白さは無い。それでも、まあ思ったよりは楽しめたから、良しとしなければ。
・アベンジャーズの近作ではキャプテン・アメリカと協力関係になりそう。



hirot15 at 23:43|PermalinkComments(0) 洋画 | SF