ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


2013年07月

2013年07月31日

最後のクレイジー犬塚弘 CC

ホンダラ一代、ここにあり!
犬塚弘/佐藤利明著

天性のジャズマンたちが集まって生まれた、日本一のコミック・バンド、クレイジー・キャッツ最後の生き残りの貴重な証言の数々。

・クレイジーキャッツ四番目の男と言われ、実際にそうして売り出されたけど、本人としてはそんな気はなかったらしい。クレイジーキャッツの最後の一人になってしまったが、こうして回想録が残せてよかった。僕の世代だと、クレイジーを知りながら、しかしほとんどリアルタイムで触れる事が出来なかった世代だろう。一応、「シャボン玉ホリデー」が放送されていたのも覚えているし、植木等の「ナンデアル、アイデアル」も覚えている。(残念ながら「大人の漫画」は記憶に無い) しかし、本書にも書かれているように、ドリフターズの「八時だよ、全員集合」の始まりとともに、クレイジーキャッツは表舞台から退いて行く(個人の仕事が中心になって行く)。僕は「全員集合」はほとんど見なかったので知らなかったが、「全員集合」という言葉がハナ肇の口癖ということも、本書で初めて知った。とにかく、犬塚自身の人柄と、面々、及び周辺人物の人柄がよく分かる本。
・発足前、フランキー堺のシティスリッカーズも含めて混沌としていたことは少しは知っていたが、所属バンドを失って遊んでいたハナ肇が犬塚の所属するバンドに入り浸って、犬塚に新しいコミックバンドを作ろうと持ちかける。バンマスの前で引き抜こうとするのがハナらしいが、結果としてバンマスまで加わってしまうのも笑える。ハナが目指したのは前述シティスリッカーズで、そこに植木等と谷啓がいた。シティスリッカーズはフランキーの映画出演で忙しくなり解散、結果、時間はかかったが、谷啓と植木が加わった事でキューバン・キャッツを経てクレイジーキャッツが誕生する。ちなみに、当時のバンド仲間に渡辺晋もいて、クレイジーはナベプロ創成期のメンバーとなる。
・石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」は、渡辺晋と美佐をモデルに作られたとのこと。つまり祐次郎が渡辺晋で、北原三枝が美佐である。ドラム合戦のシーンでは渡辺晋自身が彼の引きいるシックス・ジョーズと共に出演しているし、クレイジーに入って三ヶ月の安田伸もサックスを吹いているという。
・根っから見た目通りのハナ肇に、客よりも先にメンバーを笑わせる事を考えている引っ込み思案の谷啓、そして根は真面目な植木等、その他、青島幸男やすぎやまこういち(タイガースの曲で有名になる前はフジテレビで「大人の漫画」等の演出をしていた)等も、生き生きと描かれています。これを読むと青島とすぎやまは対照的な存在に感じ、放送作家から画面にまで出てタレントになった青島が、最後に、これらは全部布石で、次は選挙だと宣言するのも、納得の展開だったのだろう。一方で、すぎやまはギャグを撮る為に限りなく真面目に取組み、クレイジー面々(特に谷啓とそれに乗る仲間たち)の舞台裏からふざけることに対して、廊下で立ってろ!なんてことが繰返される。
・植木等が東宝で無責任男シリーズで当て、ハナ肇が松竹で山田洋次と組む、そして谷啓は東映で「図々しい奴」を主演する。これらは全て渡辺晋の戦略。第4の男として、犬塚は本意でないままTV(宇野重吉と共演)、松竹の「素敵な今晩は」(野村芳太郎監督の艶笑コメディ、岩下志麻と共演だが、これは不発)、そして大映で森一生の「ホンダラ剣法」に至る。本人は乗り気でなかったけれど、結果としてクレイジーから個人になると、俳優の方で生活することになる。余談だが犬塚は森一生に気に入られ、養子にならないかと持ちかけられたりする。リハーサルを繰り返し、さあ本番と思った時に「もう撮ったよ」と云うのも森一生。
・「クレイジー黄金作戦」は、ラスベガス・ロケを行っており、フランク・シナトラ(オーシャンと11人の仲間)でさえ出来なかったサンダーバード大通りでのロケを実現させる。これは実は、犬塚の親戚がカジの総支配人だったため、実現したのかもしれないと書いている。(未確認の想像だそうです) 歓待はしてくれたが、マジックミラーの仕掛けを見せられ、絶対に胴元は損をしないのだからとカジノで遊ばせては貰えなかったが(そんな金があったら家族に土産を買え!)、それでもこっそり別のカジノで遊んだ。犬塚は、他にも、勝新太郎が幼馴染み(勝新の家族が出演するTV番組に勝新が無理矢理出演させたら、若山富三郎から家族でもないのになんでここにいる、と怒られた)、菅原文太も親戚という。
・犬塚は、無責任シリーズの古沢憲吾監督とは相性悪く、一度機嫌を損ねてからはほとんど顔見せでしか使ってもらえなかった。(ただし後日、スタントのもたつきに苛ついて自分でスタントをしてからはこの監督の機嫌も直って麻雀に誘ってもらえたとか) 一方、山田洋次とは相性がよく、ハナ肇が離れて、「男はつらいよ」シリーズが始まってからも、彼と安田伸は頻繁に使ってもらえたとのこと。最終作も、渥美清の容態の悪さには気がつかず、単に歳をとったと思っていたが、ラストシーン(実は僕は未見なのですが)、いつも一人で去って行く寅が、リリーと一緒に去って行くシーンで監督の気持ちを後で知ったと書いています。ちなみに、渥美清のメジャーデビュー(浅草の芝居小屋から日劇に進出した)時、クレイジーは立会っている。渥美清は舞台に出たとたん、いきなりアドリブで浅草時代の決め台詞「俺、シャツ着てんだ」と云って、座をさらったとのこと。(ちなみにこのギャグは、渥美清が結核で灰の手術をした為、その傷痕を隠す為にいつもシャツを着ていることを逆手にとっていつも最初にこの啖呵を切ったという)
・ハナ肇は「男はつらいよ」のヒットに悔しがり(やはりオレが原点なんだと思っていたらしい)、それが反発力となって、「遥かなる山の呼び声」でかつてのバカシリーズのキャラそのものを演じてブルーリボン賞を取った。一方、自分の意に添わぬキャラで人気はあっても賞には無縁な植木等もハナの栄冠を悔しがっていたが、舞台「王将」で坂田三吉を演じてからはふっきれた。それからは、スーダラを振られても嫌がりもせずに演じたと言う。
・奥さんのヘソクリで初のマイカーを買ってもらったというエピソードも、奥さんとの馴れ初めの物語に展開して感動的。両方の親はどちらも良い人だったが、彼が芸人であること、奥さんの体が弱い事で、どちらからも反対されて、駆け落ち同然の結婚だったらしい。奥さんは結婚してからも病気が多く、そんな彼女がいつのまにかこれだけのヘソクリをしていたことに驚いた。この病弱の奥さんが、結果として長生きしているのだから、そんなもの。
・本書で最も印象深いエピソードは植木等の言葉。「嫌な事、理不尽な事があっても、ちゃんと根に持っていこうな」という言葉。「怨みを持て」とは云わず、「根に持って」と云ったこと。良い事も悪い事も覚えておこう、という態度。この姿勢は最後まで続いたという。
・クレイジーが最後に集まったのは、市川準の「会社物語」(1988/正直、これを見た時、僕はクレイジーにもあまり関心が無く、映画自体もあまり面白いとは思わなかったが、今、もう一度見たい気分)だったという。その頃、犬塚はナベプロを辞めていたが、クレイジーが集まるときは参加するという約束だったため、それを守ったという。この映画はジャズも含めて、久々にクレイジーが本領を発揮した。しかしその後、市川監督がその面々でJRのCMを撮る時、植木等は電車に乗り遅れて参加しなかった。しかし、これはもしかしたら植木自身のクレイジーとの訣別だったように犬塚は思ったという。実際、その後、「スーダラ伝説」(1990)という企画が持ち上がった時、彼はクレイジーとしてではなく、ソロでやる事にこだわった。この後、クレイジーはもう一度だけ、TBSの「植木等スーダラ90分」(1991)で集結し、それが最後の演奏になったとのこと。
・そしてハナ肇の告別式(1993)で、植木等は誰にも相談しないで「クレイジーはこれで解散です」と宣言した。
・そのハナ肇のお通夜の時、谷啓の靴下が脱げかかっていたので注意すると、おもむろに足の裏を見せた。そこには「お先に失礼」と書いてあり、犬塚と植木は思わず笑ってしまう。こういうときにも、わざわざ家から用意して来る、谷啓とはそういう男だった。
・1987年渡辺晋、1994年石橋エータロー(彼が料理家になる為にクレイジーを脱退したところからクレイジーの離散は始まった)、1996年に安田伸、2006年青島幸男、2007年には植木が、2010年谷啓、2012年桜井センリが亡くなり、犬塚弘は一人残った。
・谷啓の告別式で犬塚は弔辞を頼まれ、原稿を書こうとしたがやめた。アドリブで思い出を語り、それが本書には収録されている。それはクレイジーの集結のなりゆきが語られ、数年待ってくれたら、また天国でクレイジーをやろうと終わっている(加山雄三に、数十年にしなきゃ駄目と怒られた)。
・犬塚は、ハナ肇の女房役に徹しようとし(瞬間湯沸かし器のハナ肇に、文句はまず自分に当たれ、と仲間との緩衝材になり、仲間もまたハナ肇への不満を彼に云うようになった)、植木等は常に犬塚の事を気にかけ、演技に付いてもいつもこっそりとアドヴァイスをくれた、谷啓とは常に馬鹿をやり、演奏し合う親友だった。(谷啓は「あれやってくれ」と云えば「やるの?」とだけ云ってスターダストを吹いてくれた)

・ワンちゃんと云えば、僕達の世代は王貞治のことだったのだけど、この面々の中では犬塚弘のことだった。(ちなみに芸名はヒロシと読むけど本名はヒロムと読む) そういえば、もう誰も王貞治のことをワンちゃんとは云わず、長嶋茂雄のことをチョーさんとは云わないな。(金田正一が表に出ないこともありますが)



hirot15 at 23:07|PermalinkComments(0) その他読書 

2013年07月30日

ストロベリーナイト劇場版 DD

佐藤祐市監督 誉田哲也原作 竹内結子、西島秀俊、大沢たかお、小出恵介、宇梶剛士、丸山隆平、田中要次、半海一晃、津川雅彦、中林大樹、高嶋政宏、三浦友和、生瀬勝久、武田鉄矢、遠藤憲一、渡辺いっけい、柴俊夫、染谷将太、鶴見辰吾、今井雅之

シリーズ4作目『インビジブルレイン』を基に、連続殺人事件の謎を追う姫川玲子と姫川班を待ち受ける最大の試練を描く。警視庁捜査一課の警部補、姫川玲子率いる姫川班の管轄で暴力団のチンピラが殺害される事件が発生する。捜査が難航する中、玲子のもとに“犯人は柳井健斗だ”というタレ込み情報がもたらされる。ところが警察上層部は、柳井健斗への追及はならずと不可解な指示。 納得いかない玲子は単独での捜査を開始する。そしてその過程で柳井健斗と繋がりのある男、牧田と出会う玲子だったが…。

・これは期待していたんだけどなぁ。本作を借りるとき、またまた間違えて、既にTVで見ていた「インビジブルレイン・アフター」を借りてしまって、がっかりしながらも再見したのだけど、やっぱり悪くない出来。本編への期待をますますつのらせたのだけど。
・ドラマ版のテンションを保っているのは分かるけど、映画という事で作る方が力み過ぎているのかなぁ。竹内結子と大沢たかお、この展開がどうもしっくりこない。本筋でなくアッチいっちゃってる苛立たしさ。いや、結局、映画はこれが本筋なんだけど、多分、だから駄目だったんだろうな。
・対立軸である組対四課もほとんど機能していないし、だいたい上層部の捜査妨害にも説得力が感じられない。
・何となく、それぞれのテンションが高過ぎて、方向違いに暴走してしまった印象。「アフター」のようにもっと落ち着いてしっかりしたドラマを展開して貰いたかった。
・残念の一言。

Zom's

原作
HIDE.O's




hirot15 at 23:35|PermalinkComments(0) 映画 

2013年07月29日

北海道警察2 笑う警官 

小久保 利己監督 佐々木譲原作 土屋 保文脚本 財前直見 / 鈴木一真 / 松本莉緒 / 川崎麻世 / 松尾貴史 / 池田政典 / 北原佐和子 / 新井康弘 / 松田悟志 / 高田純次

ある警官が殺された。容疑者として浮上したのは現役警官であり、小島百合(財前直見)の同期でもある津久井卓(池田政典)だ。上層部の強引な捜査に疑問を持ち、津久井と秘かに接触した百合は、とある道警幹部の不正を暴くべく「百条委員会」が開催されること、そこに津久井自身が証人として出廷する予定だということを知る。津久井を排除しようとする何者かの意図を感じた百合は、「百条委員会」開催というリミットをもって事件の真相を追うべく、組織の闇に立ち向かう!

映画化もされた作品のドラマ化。「北海道警シリーズ1」は未見。あくまでドラマシリーズという範疇を出ていないとはいえ、映画よりはずっと面白い。財前直見を主人公としているところが長所でもあり短所でもある。短所としては生活安全課がこんだけ捜査に踏み込むところに無理を感じる。まあそこが面白さでもあるのでしょうが。まあとにかく映画のように冗長なジャズ描写を入れたりせずに、単純に制限時間ドラマにしているところにドラマとしてのキレがあるのでしょう。映画とは逆に高田純次をコメディリリーフと共に面白い役割が与えられているのもドラマならでは。まあ馬鹿馬鹿しいけどそれも高田純次が関係していれば許してしまう。オチも見事!
・映画がどうだったかは忘れたが、真犯人の置き方も悪くない。
・鈴木一真が珍しく準主役で善人側を好演している。



hirot15 at 23:31|PermalinkComments(0) TV 

2013年07月28日

だましゑ歌麿III CC

吉川一義監督 高橋克彦原作 古田求脚本 水谷豊、中村橋之助、鈴木杏樹、原田龍二、南沢奈央、寺島進、鶴見辰吾、金子貴俊、谷村美月、笹野高史、梅沢富美男、六平直政、萬田久子、岸部一徳、古谷一行

歌麿の命が狙われる!忍び寄る赤い“かげ”の正体とは!? 歌麿の娘と名乗る記憶喪失の少女の謎とは!?

・歌麿の暗殺計画と歌麿の隠し子、この二つの結びつき。エレキテルの平賀源内(ここでも表向きは獄死したことになっている)も登場してなかなか楽しい。谷村美月の役柄は隠し子ではなく、醜い痣の為に花魁になれない吉原の裏方。南沢奈央演ずる隠し子と巧い対照となっている。
・歌麿と隠し子の方はなかなか良い脚本(原作?)だと思うが、松平定信による暗殺計画の方は無理がある気がする。蔦屋が合法的に罰せられているのに、何故歌麿には非合法な動きとなるのか。まあ僕の無知、或はこれ以前の成り行きを僕が忘れているのかもしれませんが。
・前作には失望したけど、本作は悪くない。最後のシーンの谷村美月は見事。


だましゑ歌麿2
だましゑ歌麿


hirot15 at 01:04|PermalinkComments(0) TV 

2013年07月27日

久米宏と「あまちゃん」

・久々に久米宏の「ラジオなんです」を聴いたら、タイムリーなことに、久米宏が「あまちゃん」を見たという話題になった。元々のお題は「フィクションとノンフィクション」で、スペインの列車事故やロッテの井口の話を皮切りにした考察だったが、その終盤に出たのが「あまちゃん」だった。ただし、残念なことに久米は(知人に勧められて)「あまちゃん」を一度見たきりのようだ。そして、そこに(多分、週末の予告編部分にて)故意か偶然か、「夜のベストヒット・テン」(だっけ、うろ覚え)の久米宏もどきの姿があったわけです。久米宏はそれを「ベストテン」として話している。この部分、予告編で一度見たきりなのだから誤解してもしかたないかもしれない。黒柳徹子にしては若過ぎる、などと言っているが、自分の部分に関しては、おれ、こんなのに出たっけ、などとトボケて、自分でない決定的証拠として、画面の久米(もどき、糸井重里が演じているのも、友人ゆえに微妙な心境みたい)が台本を持っていたということ。久米は「ベストテン」を始めるにあたって、それまでの歌謡番組が全てフィクションであることを前提として、歌謡番組でノンフィクションをしようという意気込みだったという。だから、台本など有り得ないのだ、と。ついでに、「ベストテン」で一番危うかったのが、10位から1位に溯る形式にあったことも告白している。つまり、ノンフィクションゆえ、まかり間違えば1位まで辿り着けない可能性があったというのだ。云われてみれば。実際、そういう危うさは何度か見た記憶もある。ついでに、ノンフィクション(久米がこだわるのでこのように書きます)ゆえ、歌手もいやがる人もあり、ある歌手は一度も自分の歌の歌詞を間違えずに歌った事がなかったとも言っている。「ベストテン」は字幕で歌詞が出るので、ちゃんと見ていれば歌詞が間違えた事は誰でも分かる。
・ちょっとズレたけど、僕が残念に思ったのは、久米が一度しか見ず(「あまちゃん」の流れを知らず)に語ってしまった事。実は「あまちゃん」の主題自体がフィクションとノンフィクションの間をうまく利用した物語であること。だから、久米の云う「ベストテン」も、実は「ベストテン」に限りなく近いと思わせる「夜のベストヒットテン」なのだ。(しかし台本に関しては考証ミスですね。本人に出演打診していれば? と本人も言っていますが、これを話題にてしまったから、ますますNHKからお呼びがなくなると言っていました) そして、先日も書いたように、歌の吹替えをエピソードにしたその映像自体が吹替えである多重構造の面白さ。吹替えという行為自体がフィクションかノンフィクションかということを考える面白さ。最も単純な答えは多分、吹替えであることを暴露した時点でノンフィクションになる?なのでしょうか。
・ちなみに、この日のラジオのテーマは「バブルの時代」でして(「フィクション」についてはオープニング・テーマ)、ここでも「ベストテン」と「ニュースステーション」がバブルの賜物だった事、そして「ニュースステーション」をやる為に「ベストテン」を降りた事を話していました。
・ついでに、今日の「あまちゃん」、ついに、薬師丸ひろ子と小泉今日子のツーショットが実現しましたね。またまた次週へのフリ、決まってた!


hirot15 at 23:35|PermalinkComments(0) TV 

2013年07月26日

黒い天使 CC

ロイ・ウィリアム・ニール監督 コーネル・ウールリッチ原作 ダン・デュリエ ジューン・ヴィンセント ピーター・ローレ ブロデリック・クロフォード

・フィルムノワール・コレクション1の二本目。原作はウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)の有名作だが、未読、本作も初見。
ピアニストのマーティン(ダン・デュリエ)の妻が、自宅で殺された。次の日、家から出てきた妻の浮気相手が逮捕され死刑の判決を受けるが、彼の妻のキャシー(ジューン・ヴィンセント)は夫の無罪を信じて疑わない。警察に見放されたキャシーは独自に夫の嫌疑を晴らそうと動き、まず被害者の夫マーティンを疑うが、彼にはアリバイがあり、彼と共に真犯人を追う事となる。二人はピーター・ローレ扮するナイトクラブのオーナーが怪しいと睨み、マーティンのピアノとキャシーの歌でコンビを組み、ナイトクラブに潜入するが・・・
・いかにも悪役然としたピーター・ローレの余裕の演技に、被害者の夫と容疑者の妻が結託して犯人を追うばかりか、コンビを組んでナイトクラブで歌を歌うという展開がなかなか面白い。勿論、フィルムノワールに音楽(特にジャズ)は合うし、この映画でも冒頭はレコードの音楽がうまく使われているのだが、しかしその後の展開は、ミュージカルと見紛う部分がある。探偵コンビが楽しんでしまっている雰囲気。それはある意味錯覚ではなく、マーティンの方はキャシーに求婚してしまうほどなのですが。
・真犯人は、原作とは違うらしい。この映画は、終盤、確かに呆気にとられる急展開をするわけですが。これに驚くか、呆れるか、怒るか。まあ何と言いましょうか。終盤のサスペンスが全く方向外れ(方向は勿論、無実の容疑者の死刑執行時間なのですが、そこに至る犯人探しからのベクトルの大きなズレ)に向かってしまう。
・ダン・デュリエは妻に見放されるアル中、プロピアニスト、そしてヒロインを助ける探偵と、なかなか面白いキャラを出している。おしむらくは、ヒロイン側のジューン・ヴィンセントにもう少し魅力があったらな。
・ちなみに、ウールリッチの装飾的雰囲気は、ある意味、二人の歌詞で活かされているように感じました。



hirot15 at 23:45|PermalinkComments(0) 映画 

2013年07月25日

大時計 CC

1948年 
ジョン・ファロウ監督 ケネス・フィアリング原作 ジョナサン・ラティマー脚本 レイ・ミランド チャールズ・ロートン モーリン・オサリヴァン ジョージ・マクレディ リタ・ジョンソン エルザ・ランチェスター ハロルド・ヴァーミリア

・出版社編集長ジョージ・ストロードは敏腕だったがそれゆえ独裁社長ジョナスの横暴でこき使われ続け、今回もやっと社長にクビにされてもそれを振りきるつもりで妻との6年待たせ続けた新婚旅行に行こうとするが、今回も時間に遅れて妻に置き去りにされてしまう。自暴自棄となった彼は社長の愛人と飲み明かし、彼女の機転で社長とすれ違うように間一髪、バレずに済むが、妻を追いかけて旅行先に行くと、そこにも社長からの命令が。しかし、今回は、自分と社長の愛人がからんでいるらしく、つまを振りきっても応じざるを得ない。何故なら、社長はどうやらあの時逃げた男、つまり自分と知らずに自分の事を追っているらしいからだ。やがて、愛人が殺されていることを知った彼は、追う側に有りながら追われる者であり、彼への包囲網はどんどん狭まっていく。

・清水の舞台から飛び降りるつもりで買った「フィルムのワール傑作選1」(全8作)の中の最初の作品。
・噂のみ聞いていた作品。というか、今調べてみたら、何故知っていたかと云えば1987年製作されたケヴィン・コスナー、ショーン・ヤング主演の佳作映画「追いつめられて」が本作のリメイクとして作られていたので、多分、その時に本作のことを知ったのかもしれない。ちなみに「追いつめられて」はショーン・ヤングがまだ「ブレードランナー」ヒロインの残り香を保ち、ケヴィン・コスナーの絶頂期の作品。今回「大時計」を見ても、そう云われない限り、「追いつめられて」は思い出さないだろうが、云われればなるほどと納得する。時代と舞台が両作を大きく隔てている。
・ついでに、スタッフ&キャストを見るのも楽しい。ジョン・ファロウはもしかして初めて監督作を見るのかもしれないが、ミア・ファロウの父親、そして母親のモーリン・オサリヴァンもヒロインとして出演している。ケネス・フィアリングの名前も見覚えがあるが、それも「大時計」のタイトルと同じ、「追いつめられて」原作者だからだろう。脚本のジョナサン・ラティマーも僕にとっては懐かしい名前。映画の脚本家としてでなく、今はもう忘れ去られたであろう創元推理文庫の「処刑六日前」の著者。内容は覚えていないのに名前だけは何故か覚えている。ちなみにこのラティマー、脚本化としてはジョン・ファロウとかなりコンビを組んでいたようだ。キャストを見れば、レイ・ミランドはともかく、チャールズ・ロートン、エルザ・ランチェスター(「フランケンシュタインの花嫁」)等、ニヤリとする面々。
・さて、肝心の内容。正直、導入部はそうとうタルく感じる。悪辣な独裁者チャールズ・ロートンよりも、レイ・ミランド自身の軽さの方が気になる。実際、せっかく社長を(職業を)振りきったのに、なんで遅刻するかといえば、自分の責任、妻に見限られても当然ではないか、と。しかし、このタルい事件前の彼の行動が、一応伏線として機能して、ドラマが動き出した後は、かなりのサスペンス作品になっていく。あらすじでも書いたように、社長は愛人と一緒にいた男を見つけるように命ずるが、命ぜられたミランドがその本人とは気がついておらず、ミランドの方はそれを悟られないように、相手をミス。リードに導き、やがて愛人が既に殺されていることを知ってからは真犯人を追わなければならない。この構造に持っていくまではかなり無理とタルさを感じなければならないが、この構造の中に入ってしまえば、なりの面白さになってくる。特に、犯人がビルの屋内にいることが知れてビルから出られず、包囲網がどんどん狭まっていく展開はかなりの面白さ。ここで微妙というか、ちょっと残念なのが、タイトルにもなっている「大時計」の存在。これは舞台となる出版社の象徴として社長が自慢する文字通り巨大な時計、この時計により、社内全ての時計が動いている(大時計が止まると全ての時計が止まる)というものなのだが、ひれの作中での使い方が、いまひとつ上手くない感じ。折角の大道具なのだから、もう少し上手く使って欲しかった。それに対し、サラリと描かれたエレベーターの方が最後に大きく機能してしまうところが、何と申しましょうか。大時計を使って、このくらい上手い仕掛けをして欲しかった。
・チャールズ・ロートンは残念ながら、彼の技量から云えば、それほど名演をしているとは言い難く、むしろ、ロートンの実生活の妻であるエルザ・ランチェスター演ずる画家の方が実に面白い存在感を出していた。いや、これも今回調べるまで、エルザ・ランチェスターがチャールズ・ロートンの妻とは知らなかった(或は忘れていた)。
・「追いつめられて」が傑作とまでは云えなかったが、かなり面白かったように、本作も傑作とまでは言い難いが、心に刻み付けられた一作ではあった。(そういえば、チャールズ・ロートンが名演しそこねているように、「追いつめられて」でもジーン・ハックマンが名演しそびれていたなぁ)



hirot15 at 22:19|PermalinkComments(0) 映画