ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


2011年02月

2011年02月28日

瞳の奥の秘密 BB

フアン・ホセ・カンパネラ監督 リカルド・ダリン、ソレダ・ビジャミル、パブロ・ラゴ、ハビエル・ゴディーノ、カルラ・ケベド、ギレルモ・フランセーヤ、ギレルモ・フランチェラ

・アカデミー外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画で、チラホラ噂は聞こえて(読んで)いて、これは見なければなあ、と何となく思っていた。なるほど。
・部分的にはこの程度かな、と感じる部分もあったのだけど、最後まで見ると、やはりかなりのものと思いました。逆にここまでいかなければ(途中でいくらでも終れたのですが)、<この程度>という感想で終っていたかもしれない。(実際、前半はアル中の相棒キャラがちょっといいじゃない、と思っていた程度だった)
・この相棒はかなり面白く、そこからサッカー場の捕り物は、観客がいるいないは別として、「ダーティハリー」の競技場シーンに匹敵する印象的な競技場での逮捕と思ってしまった。競技場での捕り物は数あれど、この展開だけは予想していなかったもので。しかもこのアル中で言えば、その後、また消えた後、とんでもないシーンに出現して、全てをぶち壊しかけたシーンは本当にスゲー奴、と呆れました。
・冒頭部分はいいし、被害者の美しさは本当に印象的で、映画自体はほとんどここから始まるが、主人公にとっての始まりはそうではなかった、というところが上手いですね。現在と過去の回想(或は小説の内容)の二重性が、背面でも常に二重性で展開するのが、実によかった。

HIDE.O's
Zom's


hirot15 at 00:16|PermalinkComments(0) 映画 

2011年02月27日

のんのんばあとオレ AA

水木しげる著

・今更なんですが、ドラマとかで部分的に見たり、この漫画自体も部分的に読んだ記憶もあるし、多分、水木漫画の中で最も「ゲゲゲの女房」と重なるのではないかと思うのですが。(自伝は除いて、ですが、味わいとしてはこちらの方が重なると思う)
・本書を読み終えて、ああ、これは三つの悲恋物語なんだ、と。最初の女の子の死はあまりにあっさりし過ぎていて「?」な後味のまま通り過ぎてしまうのだけど、後の二人はそれぞれに強烈。どちらも意味は違うが、あまりにも水木らしい幻想的体験。鬼太郎でも地獄までつき合う話は何度もあるけど、本書の見送りは全く方向性が違うそれだろう。後者は死に別れではないが、ある意味より悲惨な結末にも関わらず、何故か明るい余韻と、後日談の面白さ。著者にとって四人目の女がゲゲゲの女房なのでしょうか。(いや、南国にも一人いたっけ?) 彼女との今に至る長い連れ添いが前三人の悲恋を慰めます。
・その他、イカル(母親の方)は竹下景子といまいち重なりませんが(ただし家柄の口癖は重なる)、父親の方は、まさに風間杜夫のそれ、そのままでとても良い味。のんのんばあの決して主人公ではない配置も絶妙ですね。
・あと、もう一つ突出しているのは、ガキ大将の地位争いと「相手なし」という今で言ういじめのエピソード。のんのんばあ自体が何と無い存在感で終るのに反して、実は悲恋からいじめにいたるまで、これほどきっちりと終る水木漫画は、実は最高傑作なのではないかと思ったりして。


hirot15 at 00:26|PermalinkComments(0) 漫画 

2011年02月26日

ダレン・シャン DD

ダレン・シャン~若きバンパイアと奇怪なサーカス~
ポール・ウェイツ監督 ダレン・シャン原作 クリス・マッソグリア、ジョシュ・ハッチャーソン、ジョン・C・ライリー、ジェシカ・カールソン、渡辺謙、レイ・スティーブンソン、パトリック・フュジット、ウィレム・デフォー、サルマ・ハエック

・実は前々から気になっていて、原作も読もうかと思っていたのですが、とりあえず映画を見てがっくり。これはつまらない。
・渡辺謙やウィレム・デフォーが出演しているが宝の持ち腐れ。設定がややこしいばかりでそれが全く面白さに反映していない。親友の為に半ヴァンパイアになった少年が結局、その親友と敵対関係になる、というのだけど、まあ、「ポーの一族」を筆頭に、質のいい同種の作品を知っていれば、映画の本作や「トワイライト」なんて馬鹿馬鹿しくて見ていられない。さすがにこれでは続編は作れないだろう。

Zom's


hirot15 at 00:45|PermalinkComments(0) 映画 

2011年02月25日

ある小さなスズメの記録 CC

ある小さなスズメの記録−人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯−
クレア・キップス著 梨木香歩訳

・週刊ブックレビューで取り上げられたのと(室井滋がレビュアー)、やっぱり訳者が気になって読んでみたのですが、訳者に関しては後書きも含めてあまりピンときませんでした。それよりも原書解説のジュリアン・ハクスレーの方が面白かった。これは本文読後の再確認(反芻)としても良かったし。
・本文自体は、正直、題材的に元々興味がなかったので、興味深い部分は面白く、そうでない部分はちょっと苦痛だった。文章自体もちょっと会わない感じ。まあ感情移入の度合いが浅かったのだと思いますが。何故か、バラエティに富んだ青春時代より、それらが衰えた老年期、特に発作後の方がすらりと読めた。それは死に近くなり可哀想、とかそういうのではなく、(勿論、臨終シーンはあっさりしていてもグッとくるが)、なんでだろう、と我ながら不思議だったが、ハクスレーの文章でもそこの部分を意外に重要視していて、あ、やっぱりそうなんだ、という感じ。シャンパンの話とか、ホッピングでなくウォーキングとか。確かに歩く雀は見た事が無い。
・勿論、生まれたばかりで飼い始める事が出来、しかも野生に返しても生きていけない故に飼い続けたという事情の重なりは奇跡的で、おそらくプリンティングから、芸を覚え(こちらは一時みんなの戦時の慰めとなる)、歌を覚え(こちらは一度きりの公開コンサートだった)、更に環境と本能の葛藤が見て取れるあたりは面白いのですが。写真が老年期に入ってから記録する事を思いついたというのも残念ですが(それでもその時の写真は掲載されている)、何より歌の録音がないのが残念ですね。
・でもやっぱり、動物は死を看取らなければならないのが嫌だなぁ。繰り返すけど、本書の臨終に対するあっさりは救いです。その後に解説がついて死を引きずらないのも。



hirot15 at 00:34|PermalinkComments(0) その他読書 

2011年02月24日

ちょんまげぷりん CC

中村義洋監督 荒木源原作 錦戸亮、ともさかりえ、佐藤仁美、忽那汐里、堀部圭亮、中村有志、井上順

・原作は知らないのだけど、ジュヴナイル? 続編も出ているらしい。監督は勿論、「チーム・バチスタ」シリーズの人。まあきわどいライン上にある監督と思いますが、本作もある意味同様。長短両方が同居している。実は評価もBにしかけて思いとどまった。Bにするには躊躇があったのわけで。
・中盤までは素晴らしい出来。江戸時代の青年武士が現代にタイムスリップして、ともさかりえ演ずる母子家庭に救われて共同生活に至る。その過程は見事。特に武士のちょんまげが時間が経つとみっともなくなるあたりのリアリティはなかなか良い。ざんばらは描けてもこういうのはあまり見た事がないと思う。
・ケーキコンテストまでは文句無しですね。しかしその後の逆転の描き方が上手くない。勿論、主旨は分かるが急ぎ過ぎてリアリティがない。もう二つくらい何かのクッションが必要だった。これは原作か映画のオリジナルか分からないのだけど、子供がいなくなった時にいたところも描写が足りないからリアリティが無い。これは勿論、観客に知らせない事のサスペンスは理解出来るが、そこが工夫というものだろう。いくつも方法は思いつく。ついでに言えばクライマックスのアクションも、もう少しリアリティか、それともそれに代わる何か(ファンタスティックさ?)が欲しかった。
・と、つまり前半の綿密さと、後半のズボラとも言える手抜きの差が目立つわけで、これは日程等の原因でもあったのだろうか。もったいない。最後は無難に、しかしそれなりに納得がいくよう見事にまとめていますが。
・初主演としては錦戸亮が好演、子役もヘタウマ。佐藤仁美はさりげない役柄ですが、見れて嬉しい。(佐藤性は何人か好きな人がいるのだけど誰が誰か混同してしまう)
・まあしかし、とにかくCでは申し訳ないくらい楽しい映画でした。錦戸の家事シーンがとても良かった。




hirot15 at 00:38|Permalink 映画 

2011年02月23日

嗤うエース CC

本城雅人著

・「スカウトデイズ」「ノーバディノウズ」「ダブル」と読んできた著者の、多分現在のところ未読だった単行本最後の一冊。「ダブル」で競馬に寄り道したものの(と言っても記者時代は競馬も担当していたとの事ですが)、再び野球に戻った一作。「ノーバディノウズ」が大リーグを舞台に天才打者の裏面を描いた作品だったのに対し、今度はそれこそ子供の野球からプロ野球までを通して八百長と天才投手の関係を描いた作品で、作者のこれまでの作品の軌跡から見れば見事な構成と思います。ただし、同じ構成でも作品自体の構成という意味では一つの対象を多角的に描いていくというのは全作品同じで、ちょっと飽きてきている事も否めない。そろそろ別の手法に挑戦してみては、と思います。
・ただ、そうは言っても構成自体は見事。12歳から27歳(小六からプロの中堅)まで、刑事、中学の友人、高校の友人、それに後半は妹の視点も加えて、天才投手波岡を描いていく。特に後半、二人の友人のかたや親友として残り、かたや彼の不正を暴こうとする雑誌記者として対立する構図は見事。ただ、見事さはひとつズレればあざとさにもつながり、刑事が主人公と同じように父親が賭博で味を持ち崩して家族を残して自殺している(ちなみに親友の父親も政治汚職で家族を苦しめている)ところまでいくと、読みながら作り過ぎだなあ、と思ってしまうのですが。
・それでも、そう思いながら読んでいくと、このクライマックスから結末にかけては、著者に対して、また「仕掛けられた!」と思ってしまう。これが前述した著者の全作品を俯瞰しての構図の上手さ、ということです。「ノーバディノウズ」の天才打者に対して、感心しながらももうひとつ納得出来ないのに対して、僕はこの波岡という投手に対してはかなりの尊敬すら感じてしまいます。これぞ、正義と堕落の逆転、と書くと半分中身を推測出来そうですが、それほど簡単ではないので、念のため。単に姿勢の問題です。(覚書として書いておくと、中学の友人は不良にたかられているところを波岡に助けられている、高校の友人は波岡と関係ないところで友人の不正に対して毅然とした態度を取れない、というところがその後の人生に反映していると言えるでしょう)
・カリフォルニア、という夢は、「真夜中のカーボーイ」を思い出しますね。夢のようであって、どちらも実はほとんどカリフォルニアに辿り着こうとしているのです。

HIDE.O's
記者像が卑しく描かれているのは、記者の実態というより、配置のせいと思います。卑しくというよりかなり裏も表も知っている、という。「スカウトデイズ」を読むと分かるし、「ノーバディノウズ」を読むと本作の裏返しに気がつきます。
殺してしまうのは、というのはまあそうなんですが、「真夜中のカーボーイ」を思い出せば同じではなく、しかし「その夢」というのは上手く描かれたと思います。


hirot15 at 00:25|PermalinkComments(0) 小説 

2011年02月22日

ぼくのエリ 200歳の少女 DD

トーマス・アルフレッドソン監督 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト原作 カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナー、ペール・ラグナル、ヘンリック・ダール

・「モールス」を原作としたスウェーデン本国で製作された映画で、映画も大ヒットしていると聞いていたので楽しみにしていたのですが、期待はずれ。
・それなりに忠実に映画化しているように見えて、何か色々物足りない。ひとつに原作に忠実にしようとした故にダイジェスト的に中身が薄くなってしまったこと。それと同時に肝心なクライマックスの一つをカットしてしまったこと。(地下室のエピソード) 更に、吸血鬼の中性性も女性に確定してしまった。主人公の子供二人もあまり魅力がなかったし。吸血鬼の従者が自らに硫酸をかけた後の物凄いメイクや、招待されずに入った吸血鬼から血が流れるシーンなど、いくつか凄いシーンもあったのでもったいないと言えばもったいないですが。
・同じスウェーデンのベストセラーを映像化しても、「ミレニアム」との差が歴然。もっとも、あちらは元々TVのミニシリーズとして企画されたのが出来が良くて映画館で上映されたわけですが。(しかもそれが第一作だけから結局三作ともになった) TVだから余裕ができた、と一瞬思いましたが、実はどちらも二巻を一本で比重は変わらないのだから、量でなく質の問題である事は歴然。



hirot15 at 00:08|PermalinkComments(4) 映画