2010年09月
2010年09月30日
少しは、恩返しができたかな
難病と闘う卓球少年の最後の親孝行は東大合格だった…一日だけ東大に通って逝った19歳の青春と家族の実話
吉田健演出 山崎淳也脚本 二宮和也 池脇千鶴 勝地涼 勝村政信 小木茂光 高橋一生 大東俊介 浅利陽介 村田雄浩 谷啓 大竹しのぶ 郭智博 金田明夫 志賀正人
・二ノ宮和也が定期的に出演している実話シリーズの未見だった旧作。多分近日新作が放映されるという事で再放送されたものを見ました。
・勿論、内容は涙を誘うものですが、これは東大受験という内容なので、二宮の演技的見せ場は少ない、せいぜい自ら坊主になることと、喋り方のろれつ程度。昼の時間帯でやたらCMが多くてうんざりし(これは内容に関係ないけど)、こんなものかな、と思っていたら、一ヶ月後という後日談にヤラレましたね。エンディングも悪くないです。
シリーズ
マラソン
DOOR TO DOOR
シリーズ外
天国に君に逢えたら
吉田健演出 山崎淳也脚本 二宮和也 池脇千鶴 勝地涼 勝村政信 小木茂光 高橋一生 大東俊介 浅利陽介 村田雄浩 谷啓 大竹しのぶ 郭智博 金田明夫 志賀正人
・二ノ宮和也が定期的に出演している実話シリーズの未見だった旧作。多分近日新作が放映されるという事で再放送されたものを見ました。
・勿論、内容は涙を誘うものですが、これは東大受験という内容なので、二宮の演技的見せ場は少ない、せいぜい自ら坊主になることと、喋り方のろれつ程度。昼の時間帯でやたらCMが多くてうんざりし(これは内容に関係ないけど)、こんなものかな、と思っていたら、一ヶ月後という後日談にヤラレましたね。エンディングも悪くないです。
シリーズ
マラソン
DOOR TO DOOR
シリーズ外
天国に君に逢えたら
雪冤
死刑囚の息子は無実だ 冤罪を訴える父に届く密告電話!沈黙の15年に秘められた衝撃の真実!
黒沢直輔監督 大門剛明原作 西岡琢也脚本 橋爪功 吹越満 大和田美帆 本田大輔 林泰文 鶴田忍 波岡一喜 木下ほうか 神山繁 加藤武
ネタバレします。
・橋爪演ずる主人公は元刑事弁護士。死刑反対派の彼は死刑囚を無期懲役に減刑にし、15年後に出所した犯人は雇い主とその娘を殺して自殺した。その後、彼の息子が友人二人を殺した容疑で死刑判決を受け、息子は黙秘を貫いて父親と絶縁した。しかし父親は息子の無実を信じて再審運動をしている。そんな彼が勤める新聞配達屋に入った新人が、実は彼が減刑させた為に父と妹を殺された男と感づく。
・ご都合主義の極みではあってもここには究極の命題がある。主人公は死刑廃止派だったにもかかわらずその行動により罪の無い二人の人物を死なせてしまう。更に自分の息子まで死刑に処せられる。もっとも、ここで問題は、彼が減刑させた犯人はまぎれもなく殺人犯であり、彼の息子は実は冤罪であること。
・ということがこの物語のようにはっきりしていれば問題は無い。しかし実質は冤罪は死刑までにはらされなかった。僕は死刑制度賛成なのですが、この物語を見はじめたときは冤罪なのだから死刑になることに反対した。しかしこれが現実で第三者ならば死刑に賛成してしまう自分がいる。だからといって死刑制度自体はまだ賛成なのですが。
・ここには主人公以外も、前述の妹と父親を殺された被害者遺族もいれば、息子が容疑をかけられた事件の被害者遺族もいる。
・本作は非常に重大な命題を扱っているが、只一つ明らかな間違いは、最後に主人公が「息子は恋する人をかばう為に死刑になったのか」と叫んだところ。それは違うでしょう。彼は、この事件の犯人ではなかったけれど、自分たちが殺した犯人の、只一人の生き残りだから、その償いの為に死刑になったのだ、と言いたい。
・吹越満が珍しく颯爽とした弁護士を演じている。大和田美帆は重要な役なのにひとつはじけ損ねているが、これは脚本のせいだから仕方ない。加藤武が久々、存在感を出してくれたのが嬉しかった。
・東京12チャンネルは死刑制度キャンペーンでもするつもりなのでしょうか。本作の後、死刑を扱った連続ドラマを放映予定のようです。
黒沢直輔監督 大門剛明原作 西岡琢也脚本 橋爪功 吹越満 大和田美帆 本田大輔 林泰文 鶴田忍 波岡一喜 木下ほうか 神山繁 加藤武
ネタバレします。
・橋爪演ずる主人公は元刑事弁護士。死刑反対派の彼は死刑囚を無期懲役に減刑にし、15年後に出所した犯人は雇い主とその娘を殺して自殺した。その後、彼の息子が友人二人を殺した容疑で死刑判決を受け、息子は黙秘を貫いて父親と絶縁した。しかし父親は息子の無実を信じて再審運動をしている。そんな彼が勤める新聞配達屋に入った新人が、実は彼が減刑させた為に父と妹を殺された男と感づく。
・ご都合主義の極みではあってもここには究極の命題がある。主人公は死刑廃止派だったにもかかわらずその行動により罪の無い二人の人物を死なせてしまう。更に自分の息子まで死刑に処せられる。もっとも、ここで問題は、彼が減刑させた犯人はまぎれもなく殺人犯であり、彼の息子は実は冤罪であること。
・ということがこの物語のようにはっきりしていれば問題は無い。しかし実質は冤罪は死刑までにはらされなかった。僕は死刑制度賛成なのですが、この物語を見はじめたときは冤罪なのだから死刑になることに反対した。しかしこれが現実で第三者ならば死刑に賛成してしまう自分がいる。だからといって死刑制度自体はまだ賛成なのですが。
・ここには主人公以外も、前述の妹と父親を殺された被害者遺族もいれば、息子が容疑をかけられた事件の被害者遺族もいる。
・本作は非常に重大な命題を扱っているが、只一つ明らかな間違いは、最後に主人公が「息子は恋する人をかばう為に死刑になったのか」と叫んだところ。それは違うでしょう。彼は、この事件の犯人ではなかったけれど、自分たちが殺した犯人の、只一人の生き残りだから、その償いの為に死刑になったのだ、と言いたい。
・吹越満が珍しく颯爽とした弁護士を演じている。大和田美帆は重要な役なのにひとつはじけ損ねているが、これは脚本のせいだから仕方ない。加藤武が久々、存在感を出してくれたのが嬉しかった。
・東京12チャンネルは死刑制度キャンペーンでもするつもりなのでしょうか。本作の後、死刑を扱った連続ドラマを放映予定のようです。
2010年09月29日
2010年09月26日
八朔の雪 BB
高田郁著 みをつくし料理帖1
・この作家は初読、別名で漫画原作も手掛けていたというが、こちらも多分未読。週刊ブックレビューででも知ったのかと思ったら、HIDE.Oさんのブログで知ったのですね。すっかり忘れていたけど、引っ掛かりがあったので予約していたのでしょう。今、HIDE.Oさんの感想を読み返すと、HIDE.Oさんはそれほどでもないようだが、第一作を読み終えた限りでは、僕はとても気に入った。
・女流作家の時代小説は諸田玲子の「お鳥見女房シリーズ」が好きだが(あれは完結しているのでしょうか?)、あちらが活劇とホームドラマの混合というオーソドックスな作りなのに対し、こちらはまさにHIDE.Oさんが書いているように「細うで繁盛記」(と、言ってもこちらは実は僕は断片的にしか見たことがないのですが)。
・発端から展開はHIDE.Oさんが書いてくれている通りなのですが、僕が面白かったのは、ヒロインの澪が大阪出身というところですね。それが江戸で料理をすることになったことで、その風土の違いを思い知り、それにめげずに工夫していく、という展開が気に入りました。工夫以前に、東西の違いが実に興味深いのですが。(例えば、出汁が昆布と鰹の差、とか、心太を砂糖で食べるか酢で食べるかとか、高くても初物好きの江戸っ子と安くなってから食べる大阪気質とか) 澪の生い立ちの不幸と、更に助けられて仕えた大阪の料理屋の不幸、という二重の不幸な背景が、単に背景でなく、うまく現在の展開に対応していきそうな予感がするところも良い。僕は本巻最終話の過去とのつながりに感心してしまった。(単に読みが悪いだけと言われそうな気もしますが)
・というわけで、次巻が楽しみなのですが、唯一、折角レシピが巻末に掲載されているにも関わらず、自分で作る気がしないもの(読んでいるうちは充分機能している料理なのですが)なのが残念。もっとも簡単に自分で作れたら料理屋の意味が無いか。
・この作家は初読、別名で漫画原作も手掛けていたというが、こちらも多分未読。週刊ブックレビューででも知ったのかと思ったら、HIDE.Oさんのブログで知ったのですね。すっかり忘れていたけど、引っ掛かりがあったので予約していたのでしょう。今、HIDE.Oさんの感想を読み返すと、HIDE.Oさんはそれほどでもないようだが、第一作を読み終えた限りでは、僕はとても気に入った。
・女流作家の時代小説は諸田玲子の「お鳥見女房シリーズ」が好きだが(あれは完結しているのでしょうか?)、あちらが活劇とホームドラマの混合というオーソドックスな作りなのに対し、こちらはまさにHIDE.Oさんが書いているように「細うで繁盛記」(と、言ってもこちらは実は僕は断片的にしか見たことがないのですが)。
・発端から展開はHIDE.Oさんが書いてくれている通りなのですが、僕が面白かったのは、ヒロインの澪が大阪出身というところですね。それが江戸で料理をすることになったことで、その風土の違いを思い知り、それにめげずに工夫していく、という展開が気に入りました。工夫以前に、東西の違いが実に興味深いのですが。(例えば、出汁が昆布と鰹の差、とか、心太を砂糖で食べるか酢で食べるかとか、高くても初物好きの江戸っ子と安くなってから食べる大阪気質とか) 澪の生い立ちの不幸と、更に助けられて仕えた大阪の料理屋の不幸、という二重の不幸な背景が、単に背景でなく、うまく現在の展開に対応していきそうな予感がするところも良い。僕は本巻最終話の過去とのつながりに感心してしまった。(単に読みが悪いだけと言われそうな気もしますが)
・というわけで、次巻が楽しみなのですが、唯一、折角レシピが巻末に掲載されているにも関わらず、自分で作る気がしないもの(読んでいるうちは充分機能している料理なのですが)なのが残念。もっとも簡単に自分で作れたら料理屋の意味が無いか。