2009年04月
2009年04月30日
相棒 -劇場版- BB
相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン
和泉聖治監督 戸田山雅司脚本 水谷豊 寺脇康文 鈴木砂羽 高樹沙耶 岸部一徳 木村佳乃 西村雅彦 原田龍二 松下由樹 津川雅彦 本仮屋ユイカ 柏原崇 平幹二朗 西田敏行
先日の「レッドクリフ1」のTV放映といい、最近の映画のTV放映は昔とは違う基準になっているようですね。NTVは「20世紀少年」において編集版を放映しましたが。つまり、Part2の劇場公開の宣伝も兼ねてDVDを発売するが、それと同時にTV放映もしてしまうわけか。(NTVの方は更に周到にもTV放映自体がDVDの宣伝も兼ねていた) 似たような状況は漫画雑誌にもあり、連載分が単行本分溜まるとすぐに単行本を発売してしまい、雑誌の販促を狙う。(続きはすぐに雑誌で読めるよ、ということ) しかし実際は雑誌の売り上げは落ちている。落ちているからの措置か、この措置故落ちるのか、そこらへんは分かりませんが。とりあえず読者、視聴者にとってこれらの展開は嬉しいけど。(この作品の場合、編集とまではいかなくとも冒頭に新相棒を登場させて景気づけしているのだから、すぐにTVシリーズを再開すれば、その宣伝にもなっただろうに)
というような内容外の問題はおいといて。
本編について。やはりこの「相棒」はあなどれないと思いました。シリーズ中にも時々扱われている時事ネタが実に興味深い。(最近見たネタでは裁判員制度に対する批判は秀逸だった) そして本作においては、もしかしたら既に国民は忘れているであろう「自己責任」問題を見事に掘り返してくれた。政府のマスコミを利用した国民操作。近いところでは小沢問題も明らかにそうなのだけど、馬鹿な国民は、多分本作を観てもまだ、多分「ああ、そういうこともあったな」で終ってしまうのでしょうね。
本作は、事件捜査自体は、まあそこそこ練られた展開ですが、残念ながらせっかくのマラソン自体がうまく使えていないし、せっかく主役二人の相方が出場しているのに活かされていない。こうしたドラマ構成の失敗に加えて、犯行側も、娘までも犠牲にしかねなかった展開や、何故ピストルに弾が込められていなかったか、などは多いに疑問が残るのだけど、しかし時事ネタとしてはそれらを補ってあまり有る、本当に秀逸な出来と思います。
ドラマだからこれだけ描いてくれる。(勿論、この暴露自体が政治的布石である毒もしっかりと盛り込んでいます) 学生紛争以来、日本は国民が大人しくなり過ぎてしまった。もはや、個人による本物のテロか、このように娯楽の中で擬似的に暴くしか出来ないのだろうか。そういう意味において、マスコミよりもドラマ制作というフィクション世界の方がまだ頑張っているのかもしれない。(これがドキュメンタリーになると圧力がかかる) フィクションに圧力がかかった時はまた暗黒時代が本格的に始まるのでしょうね。
まあ、現在はまだ、世論操作が与党の個人利益のためが中心であることが情けなくもセーフティゾーンなのでしょうが、そうした裏で、確実に危険な動きは蠢いている。
ああ、本作がここまで明快に描いているのに、国民はこれを単なる娯楽フィクションとして素通りしてしまう。(或は自らの責任を見て見ぬ振りをするつもりなのかもしれない)
世間では、既に民主党の波は去り、またも与党は生き延びようとしている。せっかく、ここまであからさまに、平幹二朗が小泉純一郎を演じてくれているのにね。
*別に僕は民主党びいきではなく、党派政治自体に否定的です。ただ、少なくとも現在の与党を倒さなければ先に進まない。
それはさておき。本仮屋ユイカは良いなぁ。現在の実力派アイドル(堀北から志田未来まで)の影で地味でもしっかりと活躍し続けて欲しい。
和泉聖治監督 戸田山雅司脚本 水谷豊 寺脇康文 鈴木砂羽 高樹沙耶 岸部一徳 木村佳乃 西村雅彦 原田龍二 松下由樹 津川雅彦 本仮屋ユイカ 柏原崇 平幹二朗 西田敏行
先日の「レッドクリフ1」のTV放映といい、最近の映画のTV放映は昔とは違う基準になっているようですね。NTVは「20世紀少年」において編集版を放映しましたが。つまり、Part2の劇場公開の宣伝も兼ねてDVDを発売するが、それと同時にTV放映もしてしまうわけか。(NTVの方は更に周到にもTV放映自体がDVDの宣伝も兼ねていた) 似たような状況は漫画雑誌にもあり、連載分が単行本分溜まるとすぐに単行本を発売してしまい、雑誌の販促を狙う。(続きはすぐに雑誌で読めるよ、ということ) しかし実際は雑誌の売り上げは落ちている。落ちているからの措置か、この措置故落ちるのか、そこらへんは分かりませんが。とりあえず読者、視聴者にとってこれらの展開は嬉しいけど。(この作品の場合、編集とまではいかなくとも冒頭に新相棒を登場させて景気づけしているのだから、すぐにTVシリーズを再開すれば、その宣伝にもなっただろうに)
というような内容外の問題はおいといて。
本編について。やはりこの「相棒」はあなどれないと思いました。シリーズ中にも時々扱われている時事ネタが実に興味深い。(最近見たネタでは裁判員制度に対する批判は秀逸だった) そして本作においては、もしかしたら既に国民は忘れているであろう「自己責任」問題を見事に掘り返してくれた。政府のマスコミを利用した国民操作。近いところでは小沢問題も明らかにそうなのだけど、馬鹿な国民は、多分本作を観てもまだ、多分「ああ、そういうこともあったな」で終ってしまうのでしょうね。
本作は、事件捜査自体は、まあそこそこ練られた展開ですが、残念ながらせっかくのマラソン自体がうまく使えていないし、せっかく主役二人の相方が出場しているのに活かされていない。こうしたドラマ構成の失敗に加えて、犯行側も、娘までも犠牲にしかねなかった展開や、何故ピストルに弾が込められていなかったか、などは多いに疑問が残るのだけど、しかし時事ネタとしてはそれらを補ってあまり有る、本当に秀逸な出来と思います。
ドラマだからこれだけ描いてくれる。(勿論、この暴露自体が政治的布石である毒もしっかりと盛り込んでいます) 学生紛争以来、日本は国民が大人しくなり過ぎてしまった。もはや、個人による本物のテロか、このように娯楽の中で擬似的に暴くしか出来ないのだろうか。そういう意味において、マスコミよりもドラマ制作というフィクション世界の方がまだ頑張っているのかもしれない。(これがドキュメンタリーになると圧力がかかる) フィクションに圧力がかかった時はまた暗黒時代が本格的に始まるのでしょうね。
まあ、現在はまだ、世論操作が与党の個人利益のためが中心であることが情けなくもセーフティゾーンなのでしょうが、そうした裏で、確実に危険な動きは蠢いている。
ああ、本作がここまで明快に描いているのに、国民はこれを単なる娯楽フィクションとして素通りしてしまう。(或は自らの責任を見て見ぬ振りをするつもりなのかもしれない)
世間では、既に民主党の波は去り、またも与党は生き延びようとしている。せっかく、ここまであからさまに、平幹二朗が小泉純一郎を演じてくれているのにね。
*別に僕は民主党びいきではなく、党派政治自体に否定的です。ただ、少なくとも現在の与党を倒さなければ先に進まない。
それはさておき。本仮屋ユイカは良いなぁ。現在の実力派アイドル(堀北から志田未来まで)の影で地味でもしっかりと活躍し続けて欲しい。
2009春の新ドラマ時評
「婚カツ」
ビミョー。一応中居の話としては分かるが、上戸彩の配置が分からない。それ次第というところでしょうか。笑ったのは りょう の配役ですね。小学校時代の太ったキャッチャーが三十代になって りょう として再会するのは意表を突いていて、しかもその後の掛け合いが絶妙。
「アタシんちの男子」
相変わらずの馬鹿設定を掘北がひょうひょうと演じている。もしかしたら「イケメンパラダイス」よりも面白いかも。義子となる六人兄弟次第。
「白い春」
「ポニョ」(未見)の大橋のぞみと阿部寛のカップリングは予想外の効果を生み出しているのかもしれない。
病身の恋人の命を救うため鉄砲玉となったヤクザの阿部寛は出所後、恋人が別の男と結婚後、病死していることを知る。結婚相手が彼女の入院費を使ってパン屋を出店したと思った彼は出所後、パン屋に嫌がらせをするが、一方で偶然、それと知らぬままパン屋の娘大橋のぞみと知り合う・・・・なんか三十年くらい前の木下恵介アワーを見ているような気分だが、ても引き込まれる作品。パン屋が遠藤憲一という配役も良い。あとは第三の存在であるカップルがどのように関わるのか。とにかく今シーズン最も期待出来る作品。
「アイシテル~海容~」
子供を殺された夫婦と、その子供を殺した少年の家族。殺人を犯した少年は酒鬼薔薇のような異常者でなく、普通のストレス少年であることがより悲惨な展開の予感。
初回の衝撃は、殺人自体よりもむしろ、それを知った父親が「これで出世は閉ざされた、俺はどうなるんだろう」と嘆く山本太郎演ずる父親の姿だった。
しかし三回目あたりでちょっと手応えが出てきた。
「臨場」
警察の検視官と刑事の軋轢を描く作品になりそう。原作が横山秀夫ということでそれほど期待はしませんが、ちょっと主人公を演ずる内野聖陽がクサいことに目を瞑れば初回は悪い出来ではなかった。松下由樹が太ったのが目立つが、それをもキャラに組み込んでいるのは何と言いますか。
「BOSS」
天海祐希主演の刑事ドラマ。エリート集団のボスになる筈が、はみ出し者集団のボスになってしまったヒロインが、いかにはみ出し者を戦力として調教していくか。初回のスーパー(ウー)マン的活躍を今後、どのように展開していくかが鍵。
(残念ながら第二回は心理戦でなく大味なアクション物っぽくなってしまった)
「夜光の階段」
イケメン藤井が過去のある美容師として恋をとるか金をとるか、というところから展開するんでしょうね。
「スマイル」
在日外国人と口がきけない(聾唖ではない)少女を主人公としたドラマだけど、初回はザイニチ=犯罪者という安直な流れで、ちょっと感心しない。ただし中井貴一の存在がちょっと気になる。
「ゴッドハンド輝」
うーん。本人の自覚無く天才医師になってしまう話ですか。まさに荒唐無稽な漫画だけど、ハナシの作り方次第で面白くなるのだろうか?
あ、これ二回目以降録画忘れていた。ちょっと残念? 水川あさみ目当てでも見るべきだった?
「クイズ・ショウ」
深夜時間帯に放送されていたドラマのリニューアル。主役を櫻井翔にしているわけですが、ビミョー。
「ボクの妹」
オダギリジョーと長澤まさみです。オダギリジョーは長澤まさみとの共演故に出演したということですが、その理由が、二人が一緒に映画賞をソウナメにしていた時、斜に構えた自分に対して、喜びを露にしている長澤まさみが眩しくて注目していたとのこと。(長澤の方は、全員で作った映画で自分だけが賞を受けることに対するスタッフに報いるのは素直に喜ぶことと割り切っていたと言います)
ドラマ自体はビミョーですが、長澤が不良妹を演ずるミスマッチと、初回の意外な展開にちょっと驚いています。
「ゴーストフレンド」
見る前は「死と彼女とぼく」(川口まどか)を連想したけど、まあああいう展開には出来る訳ないよね。
ビミョー。一応中居の話としては分かるが、上戸彩の配置が分からない。それ次第というところでしょうか。笑ったのは りょう の配役ですね。小学校時代の太ったキャッチャーが三十代になって りょう として再会するのは意表を突いていて、しかもその後の掛け合いが絶妙。
「アタシんちの男子」
相変わらずの馬鹿設定を掘北がひょうひょうと演じている。もしかしたら「イケメンパラダイス」よりも面白いかも。義子となる六人兄弟次第。
「白い春」
「ポニョ」(未見)の大橋のぞみと阿部寛のカップリングは予想外の効果を生み出しているのかもしれない。
病身の恋人の命を救うため鉄砲玉となったヤクザの阿部寛は出所後、恋人が別の男と結婚後、病死していることを知る。結婚相手が彼女の入院費を使ってパン屋を出店したと思った彼は出所後、パン屋に嫌がらせをするが、一方で偶然、それと知らぬままパン屋の娘大橋のぞみと知り合う・・・・なんか三十年くらい前の木下恵介アワーを見ているような気分だが、ても引き込まれる作品。パン屋が遠藤憲一という配役も良い。あとは第三の存在であるカップルがどのように関わるのか。とにかく今シーズン最も期待出来る作品。
「アイシテル~海容~」
子供を殺された夫婦と、その子供を殺した少年の家族。殺人を犯した少年は酒鬼薔薇のような異常者でなく、普通のストレス少年であることがより悲惨な展開の予感。
初回の衝撃は、殺人自体よりもむしろ、それを知った父親が「これで出世は閉ざされた、俺はどうなるんだろう」と嘆く山本太郎演ずる父親の姿だった。
しかし三回目あたりでちょっと手応えが出てきた。
「臨場」
警察の検視官と刑事の軋轢を描く作品になりそう。原作が横山秀夫ということでそれほど期待はしませんが、ちょっと主人公を演ずる内野聖陽がクサいことに目を瞑れば初回は悪い出来ではなかった。松下由樹が太ったのが目立つが、それをもキャラに組み込んでいるのは何と言いますか。
「BOSS」
天海祐希主演の刑事ドラマ。エリート集団のボスになる筈が、はみ出し者集団のボスになってしまったヒロインが、いかにはみ出し者を戦力として調教していくか。初回のスーパー(ウー)マン的活躍を今後、どのように展開していくかが鍵。
(残念ながら第二回は心理戦でなく大味なアクション物っぽくなってしまった)
「夜光の階段」
イケメン藤井が過去のある美容師として恋をとるか金をとるか、というところから展開するんでしょうね。
「スマイル」
在日外国人と口がきけない(聾唖ではない)少女を主人公としたドラマだけど、初回はザイニチ=犯罪者という安直な流れで、ちょっと感心しない。ただし中井貴一の存在がちょっと気になる。
「ゴッドハンド輝」
うーん。本人の自覚無く天才医師になってしまう話ですか。まさに荒唐無稽な漫画だけど、ハナシの作り方次第で面白くなるのだろうか?
あ、これ二回目以降録画忘れていた。ちょっと残念? 水川あさみ目当てでも見るべきだった?
「クイズ・ショウ」
深夜時間帯に放送されていたドラマのリニューアル。主役を櫻井翔にしているわけですが、ビミョー。
「ボクの妹」
オダギリジョーと長澤まさみです。オダギリジョーは長澤まさみとの共演故に出演したということですが、その理由が、二人が一緒に映画賞をソウナメにしていた時、斜に構えた自分に対して、喜びを露にしている長澤まさみが眩しくて注目していたとのこと。(長澤の方は、全員で作った映画で自分だけが賞を受けることに対するスタッフに報いるのは素直に喜ぶことと割り切っていたと言います)
ドラマ自体はビミョーですが、長澤が不良妹を演ずるミスマッチと、初回の意外な展開にちょっと驚いています。
「ゴーストフレンド」
見る前は「死と彼女とぼく」(川口まどか)を連想したけど、まあああいう展開には出来る訳ないよね。
2009年04月29日
ジュテーム~わたしはけもの~ CC
星田良子監督 鎌田敏夫脚本 芦名星 加藤雅也 和田正人 洞口依子
芦名星目当てで見ましたが、元々はBSフジのオリジナル連続ドラマ(芦名星ドラマ初主演作)を再編集した劇場版映画とのこと。きわどいタイトルに題材はコールガールと政治家の恋。(というか劇場版がその部分に絞ったらしい) タイトルや内容から期待するシーンは控え目。
芦名星は美人だけど凛としたイメージがあるので、コールガールをしてもハードボイルドなイメージで、だから彼女の論理は正論に感じるけど、それをコールガールが言っているギャップ。まあ、そういう彼女のイメージだから、暖かさに接した時の彼女の溶ける心の演技がいいんですけどね。本作の場合、出会いはコールガールを拒絶する政治家、再会が拉致から逃げ出した鎧を脱がされた存在。加藤雅也がまあ、そうしたキャラを好演している。(デビュー時からは格段の成長と毎度感心する。なんせダイアン・レイン競演作を見ていますから、あの頃を思い出せば、感慨は深いです)
感慨と言えば奇妙な女優洞口依子も生き残っていて嬉しい。今回はコールガールの元締め(?)だけど、しっかりと商品は守ってくれる、こちらこそ真のハードボイルド。ピンからキリまで演じられる女優だ。(もっとも正統派ヒロインだけは無理かもしれない)
正直、芦名星のキャスティングは、演技力でなく、外見からだろう。しかし毎回、彼女はそれにプラスアルファの魅力は出している。あとは、いかに一流監督が彼女の存在を認め、彼女を使い、育てるかだ。スタートラインとしては加藤雅也より良い位置にいる(位置というより演技力の差だが)。晩成でもいいから、大器として育って欲しい。もっとも、彼女の外見の魅力を生かすなら、早く見出されるにこしたことはないのですが。セクシーという衣も良し悪しと実感しますね。
芦名星目当てで見ましたが、元々はBSフジのオリジナル連続ドラマ(芦名星ドラマ初主演作)を再編集した劇場版映画とのこと。きわどいタイトルに題材はコールガールと政治家の恋。(というか劇場版がその部分に絞ったらしい) タイトルや内容から期待するシーンは控え目。
芦名星は美人だけど凛としたイメージがあるので、コールガールをしてもハードボイルドなイメージで、だから彼女の論理は正論に感じるけど、それをコールガールが言っているギャップ。まあ、そういう彼女のイメージだから、暖かさに接した時の彼女の溶ける心の演技がいいんですけどね。本作の場合、出会いはコールガールを拒絶する政治家、再会が拉致から逃げ出した鎧を脱がされた存在。加藤雅也がまあ、そうしたキャラを好演している。(デビュー時からは格段の成長と毎度感心する。なんせダイアン・レイン競演作を見ていますから、あの頃を思い出せば、感慨は深いです)
感慨と言えば奇妙な女優洞口依子も生き残っていて嬉しい。今回はコールガールの元締め(?)だけど、しっかりと商品は守ってくれる、こちらこそ真のハードボイルド。ピンからキリまで演じられる女優だ。(もっとも正統派ヒロインだけは無理かもしれない)
正直、芦名星のキャスティングは、演技力でなく、外見からだろう。しかし毎回、彼女はそれにプラスアルファの魅力は出している。あとは、いかに一流監督が彼女の存在を認め、彼女を使い、育てるかだ。スタートラインとしては加藤雅也より良い位置にいる(位置というより演技力の差だが)。晩成でもいいから、大器として育って欲しい。もっとも、彼女の外見の魅力を生かすなら、早く見出されるにこしたことはないのですが。セクシーという衣も良し悪しと実感しますね。
2009年04月28日
猫を抱いて象と泳ぐ BB
小川洋子著
「博士の愛した数式」以来かな。(というかそのあたりでまとめて読んで以来) 「ミーナの行進」は未読。近々読みたい。そろそろ予約待ちしなくてもいいみたいだから。(でも予約本が立て込んでいるんだよなぁ)
興味を持ったのは、チェスを扱っているから。前半は文句無く面白いです。主人公の生い立ちから、チェス人形の操縦者になるまで。マスターの存在が実に良く、インディラ(象です)とミイラの存在感も抜群。ミイラは「ジョジョ」シリーズの壁に挟まった女を思い出しますね。インディラの、子像がデパートの上で見せ物になっていたのだけど、育ち過ぎてデパートから降りられなくなったというエピソードも素晴らしい。チェスを盤上でなく、盤下からでしか出来ないというのもいいのだけど、それにより異端に傾くのがちょっと残念。正直、人間チェスのエピソードは好きではありませんでした。
しかし、エチュードでのエピソードは再び素晴らしいです。その結末の悲しさも。いや、その前に祖母の前で打つ一戦も素晴らしく、それだから、エチュードでの令嬢との再会が悲しいですね。
前述のようにちょっと好きでない部分もあるのだけど(人間チェス自体より地下組織というのが実は気に喰わない)、全体としてはとても感動的な作品でした。
「博士の愛した数式」以来かな。(というかそのあたりでまとめて読んで以来) 「ミーナの行進」は未読。近々読みたい。そろそろ予約待ちしなくてもいいみたいだから。(でも予約本が立て込んでいるんだよなぁ)
興味を持ったのは、チェスを扱っているから。前半は文句無く面白いです。主人公の生い立ちから、チェス人形の操縦者になるまで。マスターの存在が実に良く、インディラ(象です)とミイラの存在感も抜群。ミイラは「ジョジョ」シリーズの壁に挟まった女を思い出しますね。インディラの、子像がデパートの上で見せ物になっていたのだけど、育ち過ぎてデパートから降りられなくなったというエピソードも素晴らしい。チェスを盤上でなく、盤下からでしか出来ないというのもいいのだけど、それにより異端に傾くのがちょっと残念。正直、人間チェスのエピソードは好きではありませんでした。
しかし、エチュードでのエピソードは再び素晴らしいです。その結末の悲しさも。いや、その前に祖母の前で打つ一戦も素晴らしく、それだから、エチュードでの令嬢との再会が悲しいですね。
前述のようにちょっと好きでない部分もあるのだけど(人間チェス自体より地下組織というのが実は気に喰わない)、全体としてはとても感動的な作品でした。
2009年04月27日
赤んぼ少女 CD
山口雄大監督 楳図かずお原作 水沢奈子 野口五郎 斎藤工 板尾創路 堀部圭亮 亜沙美 生田悦子 浅野温子
原作は非常に恐かった記憶があります。(最初に読んだ「黒いねこ面」から、当時の楳図かずお作品はみんな恐かった) 本作もヒロインは非常に当時の楳図かずお的だし、母親や召使いも非常に雰囲気が出ているのですが、やはり肝心のタマミがなぁ。今更ながら楳図かずおの造形の凄さを思い知ります。当時も恐ろしく不気味な少女ではあったけど、本作に描かれるような凡庸な胎児のような造形とは違うんですよね。本作にもあるけど、タマミが化粧しようとするシーンなんて、すぐに原作の絵が蘇ってきました。
原作に忠実にしようとしたスタイルは買いますが(父親役の野口五郎が久々故に演技が下手になっていることも大目に見ますが)、しかしいざ動かすとなると、全く駄目になってしまう。残念な一作でした。そういう意味で、金子修介はさすがかな。
原作は非常に恐かった記憶があります。(最初に読んだ「黒いねこ面」から、当時の楳図かずお作品はみんな恐かった) 本作もヒロインは非常に当時の楳図かずお的だし、母親や召使いも非常に雰囲気が出ているのですが、やはり肝心のタマミがなぁ。今更ながら楳図かずおの造形の凄さを思い知ります。当時も恐ろしく不気味な少女ではあったけど、本作に描かれるような凡庸な胎児のような造形とは違うんですよね。本作にもあるけど、タマミが化粧しようとするシーンなんて、すぐに原作の絵が蘇ってきました。
原作に忠実にしようとしたスタイルは買いますが(父親役の野口五郎が久々故に演技が下手になっていることも大目に見ますが)、しかしいざ動かすとなると、全く駄目になってしまう。残念な一作でした。そういう意味で、金子修介はさすがかな。