ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


2005年01月

2005年01月31日

自由戀愛  BB

原田眞人演出 岩井志麻子原作 豊川悦司、長谷川京子、木村佳乃、香川京子、國村隼

 WOWOWドラマなんですが。やっぱり原田真人は、現在、絶頂でしょうか。こういうのが撮れてしまうんだから、絶頂時の森田芳光みたい。「それから」を思い出しました。
 アクションともサスペンスとも無縁(女同士の取っ組み合いはありますが)の大正ロマン。原田真人にこんな作品が撮れるなんて、と繰り返してしまう。
 退屈だろうと覚悟して見始めたが、そんなことは全然なく、長谷川京子演ずる善意の金持ち婦人と、木村佳乃演ずる貧乏な元同級生、そしてその二人共を愛するハセキョーの夫役の豊川悦司、三者好演。勿論、ハセキョーと木村佳乃の逆転劇が凄いのだけど、物語としては単にそれに終わらない展開、それぞれの女が男から自立して生き始める描写が素晴らしい。地震をアクセントとして使うのは原作からかどうかは未読なので分からないが、その描写も巧い。
 原作者の岩井志麻子はてっきり<コワイ>人かと思っていたが、こういう展開が出来る人だったんですね。初期作品(「ぼっけえ、きょうてえ」しか読んでいないのだけど)と、芸能界への露出がピタリと当てはまってしまっていたので、完全に見誤ってしまっていた。
 それは監督に対しても同様なのだけど。冒頭に今が絶頂と書いたけど、この言葉、この監督にはこの言葉を何度も繰り返しているような気がする。「ペインテッド・デザート」に始まって「KAMIKAZE TAXI」以来、「バウンズ」「呪縛」「あさま山荘」、質の高さと共にそのジャンルの多様性も注目。本当に、あれほど下手な映画(「ガンヘッド」だとか)を撮っていた人が、こんな映画を撮れるようになってしまうんだからなぁ。たいがいの俊英といわれた映画監督達が、撮るほどに中身が薄くなっていくのに対して、この人のベクトルは確実に撮るほどに上昇している。これは世界的に見てもそうはあることではない。(その点、原田、大林、黒沢清と三人も名前を挙げられる日本映画界はそれほど悪くないのだろうか)
 映画はよく観て、実戦を重ねて、そしてセンスなんだなぁ、と、つくづく痛感してしまう。あとはこの勢いがどこまで続くかだ。


 

at 11:12|PermalinkComments(0) TV 

2005年01月30日

「恋愛組曲」諌山実生  CB

 諌山実生のニュー・アルバムで、DVD付き。

 諌山実生を知ったのは、実は蛭子能収が映画を撮ったとき、確かその主題歌として、彼女の「手紙」が使われたからだと思う。蛭子の映画は見ていないが、そのプロモーションとしてラジオで「手紙」が流れたのだ。それを聴いて、すぐさまCDを買おうとしたのだが、これは憎きCCCD(コピーコントロールCD)だった。当時はそれだけで該当CDは買わなかった。不買運動の意味と、パソコンが壊れるかも知れないという噂があったからだ。心に残る歌だっただけに、非常に無念だった。それからしばらくして、今度は「朝陽の中で微笑んで 」がTV主題歌として使われた。ユーミンの曲を彼女がカヴァーしたのだ。これもなかなか良く、ちょうどその時、MacならばCCCDは全く問題がないらしいことが分かったので、このあたりを機に、CCCDを気にせず(憎くは思いながらも)買い始めたのだ(浜崎あゆみの曲を買えるだけで嬉しかった)。セカンドアルバムの「ハナコトバ~花心詩~」(朝暘入り)とファーストアルバム「撫子の華 」(手紙入り)を一度に買った。どちらもそこそこいいアルバムだったが、この二つのシングル曲以外、とりたてて傑作の曲はないと思い、それ以降、あまり多くは聴かなかった。
 そして「月のワルツ」である。これを聴いたのもラジオだが、昨年末あたり、琴線に触れる曲だったので、早速アマゾンで見てみたら、もうすぐアルバムが出るというので、アルバムの発売まで待って、やっと買ったのがこの「恋愛組曲」。ちなみに、CDDB(CDデータベース)にこれを登録したのは僕です。最近は発売直後でも登録されているので、きっとレコード会社の人が前もって登録しているに違いないと思っていたのだけど、そういうわけではないのか。そうだとしたら、随分怠慢だ。或いは、これもまた憎きCCCDなので、パソコンからのデータ入力は出来ないタテマエなので、わざとやっていないのか。ふざけたはなしだ。それはともかく。
 1曲目の「月のワルツ」が、勿論このアルバムの目玉。これは昨年のNHK「みんなのうた」にとりあげられたのだが、曲自体は実に良い。そして、今回、DVDにその「みんなのうた」の映像が収録されているのだが、このアニメーション(いしづかあつこ作)もまたなかなか良いのです。「みんなのうた」ってほとんど最近は見たことがないのだけど、凄いなあ。チェックすべきなのだろうか。(でも、もはやいつ放送されているかも知らない) とにかく、このDVDはお得。
 ただし。アルバムには「シングルヴァージョン」と称してもう一度「手紙」が収録されているし、DVDにも入っている。まあ、いいんですけどね。でも、それも含めて、今度の曲目は、全体に前2作より良いような気がする。ちなみに、これは4番目のアルバムです。これを聴いたらサードアルバムにも触手が動く。
 で、再び、ただし。いや、こちらが本物の「ただし」だ。DVDは3曲入っているように見えるのだけど、3番目はイラスト画像だけ。実際は2曲。ちょっとだけ、詐欺だと思ったのは僕だけでしょうか。(「月のワルツ」の映像は前述のように絶賛ですが、「手紙」の方は映像的にはイマイチ、という感じ)





at 15:14|PermalinkComments(0) 音楽 

2005年01月29日

ヴァン・ヘルシング アニメーテッド CD

シャロン・ブリッジマン監督 ヒュー・ジャクソン、ロビー・コルトレーン

 劇場映画のプロローグとなるエピソードをアニメ化したもので、劇場公開前にDVD発売されていたが、これも発売と同時に買っていたけど、何故か冒頭だけしか見ないでそのままになっていたものを、今更見たわけ。勿論、本編を見た後なら買わなかっただろうが、本編があんな駄作とは知らず、結構期待していたもので。
 このアニメは、本編ほど悪くはないが、それでもたった30分そこそこなのに最初に見た時は冒頭だけで眠ってしまったし、今回も途中で1度眠ってしまい、慌てて見直したくらいだからたいした出来ではない。それでも、一応、本編がプロローグで使ったいきなりハイドのエピソードを、ジキルとハイドに女王陛下まで絡ませたエピソードとして、それなりにまとめあげている。まあ、いいんじゃないでしょうか。僕は寝ちゃったけど。




at 10:46|PermalinkComments(0) 映画 

2005年01月28日

バイオハザード2/アポカリプス  CC

アレクサンダー・ウィット監督 ミラ・ジョヴォヴィッチ/シエンナ・ギロリー/ジャレッド・ハリス/オデッド・フェール/ソフィー・ヴァヴァサー/トーマス・クレッチマン/マイク・エップス/サンドリーヌ・ホルト

 「バイオハザード」の続編。前作監督のポール・アンダーソンは製作と脚本になっている。
 前作の続きから始まるが、僕としては今回の方が格段、面白かった。これを見だしたとたん、前作の違和感を思い出したが、今回はそれに悩まされることはほとんどなかった。それは、前作があまりにもゲーム的な作りで、映画として違和感があったこと。一例をあげれば、侵入者を排除すべきシステムがまるでゲームのように難易度が上がっていくシステムになっていたりすること。現実には最初から最高難易で(というよりクリア出来ないように)作ってあるべきものだろう。クリアされるべきゲームと、されてはならない防御システム。目的が違うのだ。前作ではそのような展開が多すぎて、まさにゲーム、だった。
 今回は、少なくともそのような不条理な展開はあまりない。せいぜい、突然アリスが教会に救出に現れるシーンの唐突さや、クライマックスで戦士同士が戦いを強いられることくらいだが。まあ後者は会社が最強を知りたがったとこじつけられるだろう。
 しかし地下から一つの町全体に規模をグレードアップした上、それなりの人員を配置し、犠牲になる人間もそれなりの意味を持ち、また助かる側もそれなりの意味を持つ。前作より格段、納得のいく展開にはなっている。唯一、困ったものと思うのは、続々編につなげようとする終わり方くらいでしょうか。まあ、仕方ないか。
 アリスが強すぎること、少女が生き残っていること、ネメシスの正体、それにアリスの他にもう一人、女性ヒロインを配置したことは巧かった。まわりの固め方もうまい。特に未公開シーンを見ると、キャスターがお天気キャスターであることを強調している部分が全部カットされているが、ちょっともったいないな、と思った。唯一の<遊び>だったのに。逆に一番失敗していたのは墓場のシーンかな。確かに死体が墓から蘇るのは恐いけど、でも、バランスはよくなかった。しかし動きの鈍いゾンビたち(これは「ナイト・オブ・リビング・デッド」以来の伝統?)にプラスして動きの速いゾンビ犬を登場させたのはヒットですね。教会で出た怪物よりもずっと面白かった。
 僕はこの作品は前作と違い、映画として消化されていると思う。ただし、僕は今も昔も、ゲーム世界をほとんど知らない。というところで付録のDVD(2枚組特典とは別に非売のDVDがオマケについてきた)を見ると、ゲーム会社関連の対談が入っていて、前作よりも今回の方がゲーム会社側の関与は大きいらしい。そしてニュアンスからすると、今回の作品が最も映画とゲームの関係が狭まっているとか。アリスがゲームには登場しないとは知らなかった(ゲームにアリスが登場したら強すぎてつまらないという発言が笑えた)。しかしそれ以外の、もう一人のヒロインも含めた主要人物はゲームのキャラだとか。あのゾンビ犬もゲーム・キャラなんですね。しかしこの対談を見たら、関与の薄かった第一作の方がゲームっぽいという点がやはりポイントのような気がする。逆にゲームは、今回の映画のシーンをかなり取り入れられているという。つまりゲームの方はどんどん映画っぽくなっているわけか。そこらへん、本当に映画人は間違えてはいけないと思う。
 映画では明確に「3」の存在をほのめかしていたが、現在のところ、カプコムの方にはそのような連絡は来ていないそうです。




Zom's



at 14:08|PermalinkComments(0) 映画 

2005年01月27日

岸辺の二人  AA

マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィッド監督

 HIDE.Oさん絶賛の短編アニメーション。DVDは8分で1890円。解説とアニメの絵をモチーフとした詩の絵本は付いているが、映像的にはこの8分のみ。しかし、それだけの価値はあるのだろう。インターネットだと、210円で見れたのだけど、Windowsのみ、Mac未対応でした。でも、まあ劇場で見れないのなら、ゆっくりDVDで見れて良かったのでしょう。

 BGMに流れる「ドナウのさざ波」で思い浮かぶのは「パパは出張中」(クストリッツァ)、特にそのラストシーン。奇しくもこの作品のラストは、当たらずとも遠からずだったかもしれない。
 最初の一回は、このドナウのさざ波と共に描写の上手さに感嘆しつつも展開を見守るが、すぐに見返した二度目は、ただただ作品に浸った。文句の付けようがない作品。
 最後、彼女が幼女にまで戻らないところが何となく心に残った。



at 10:08|PermalinkComments(0) 映画 

2005年01月26日

テイキングライブス  CC

D.J.カルーソ監督 アンジェリーナ・ジョリー/イーサン・ホーク/キーファー・サザーランド/ジーナ・ローランズ/オリビエ・マルティネス/チェッキー・カリョ/ジャン=ユーグ・アングラード

 アンジェリーナ・ジョリーがFBIの特別捜査官を演じ、猟奇殺人を追うサスペンス。モントリオールの工事現場で白骨死体が発見され、過去のいくつかの殺人事件との関連が浮上する。共通点は、出会った相手を殺害した犯人が、被害者になりすましてしばらく生活をするという異常性。捜査官のイリアナらは、殺人事件を目撃した画商のコスタを警備し、犯人を突き止めようとするが…。

 前半はそれほど悪くない、かな。プロローグも含めて、一応、犯人像も面白いし、アンジェリーナ・ジョリーのキャラクターもしっかりしているように見えたし、対する刑事達の対応もそれなりだったし。何より、ジーナ・ローランズの出演が、いつ彼女がクローズアップされるのかという期待感も大きかった。
 だから実際のローランズの使われ方などがはっきりしてくると、かなりテンションが下がってくるのがはっきり分かるのだけど、それでも、まあ一応の結末までは、まあ許すとしましょう。
 問題はエンディングのエピソードですよね。これを許せるかどうか。僕は笑って許しますか。その前にジョリーちゃん、事件が終わった開放感からかなり頑張ってくれてましたので(DVDの特典?)。

Zom's

 





at 17:37|PermalinkComments(0) 映画 

2005年01月25日

6ステイン  CC

福井 晴敏著  短編集。

いまできる最善のこと  
 僻地の山の中、ローカル線の中で元諜報員が北の元諜報員の襲撃に合う話。引退後、諜報技術の悪用によって成り上がった主人公は当然善人ではないし、それが目立った故に北の工作員の目にとまったのだし、だから守ってくれるべき組織も冷たい。
 そんな二人の、引退したとはいえプロフェッショナルな戦いの描写と、更に善人でない主人公が悪ガキを背負い込んでしまうハンディがポイントだろう。長編のクライマックスだけを読ませて貰ったような佳作。そこまでの状況設定もコンパクトにまとめられていて悪くない。

畳算
 恋人との新生活を始めるために組織を抜けた男が、それを手助けしてくれたソビエトスパイの頼みを聞いたことにより、二度と恋人に会えなくなる。そしてその事件自体が忘却の彼方となった1999年、コンピュータ2000年問題が話題となり、ソビエトスパイの頼みがコンピュータ制御の水爆を隠すことであることが判明した。トランクの形をしたソレは、どうやら恋人が隠しているらしいということで、トランク回収に向かった主人公だが、相手はもう偏屈になった老女で、3千万を要求してくる・・・
 老女との交流、それと恋人を置き去りにした真相が、想像通りとは云え、それがいいのですが、当然ながらそれだけでは終わらず、一悶着ある。まあ、そちらはどうでもいいのだけど、それでもそれでこの短編の態勢が出来ると言うことで。佳作。一編目より好きです。


サクラ
 普段はデスクワークの部員が、一日だけ親友の見張りを替わってやったら、その相棒はまだ若い少女にもかかわらずトップクラスの腕利き。しかし彼は迷惑がられながらも親身になって説教なんかしたりして。そしたら突然事件が動き出してしまい、「邪魔だけはすんなよ」って邪魔しなかった筈なのに、「邪魔だけはすんなと言ったのに・・」って。
 これもハードなスパイの中に紛れ込んだ人情系でちょっとほのぼの。後味も悪くないです。嫌いでない一作。

媽媽
 ここまでの短編、みんな一見日常から入ったスパイの世界を描いていて、これもまた典型的にそうなのだけど。つまり、子育てでリタイアした主婦がそれで物足りなくて現場復帰したのだけど、その現場というのがスパイの世界、と。導入は仕事で子供の面倒を見られなくなった自己嫌悪に近いものが描かれるのだけど、それが最後に、相手のスパイもまた母親のために罠の中に入ってくるところで構図が重なる、と。ちょっと中途半端な終わり方。

断ち切る
 元スリの老人が主人公で、何故か敵方のこれまた元刑事が彼にもう一仕事させようとする。これこそスパイは関係ないのかな、と思いきや、中途半端な前の短編の完結編だった。前編で取り逃がした犯人を、死んでいったスパイの無念を晴らすべく奮闘。しかしそれが後半に至るまでつながらないというのがミソでしょうか。計画の読み合い、騙し合いは悪くなく、読者もまた前編の中途半端さが晴れるというもの。まあ、短編集ならでは、でしょうか。雑誌なんかで別々に読んでも、一応成立はするのだけど。

920を待ちながら
 これはリタイア直前の部員が、若手の無愛想なパートナーに、見張りの暇潰しに伝説のスナイパーと遭遇した話をしていたら、なんとそのスナイパーに狙われてしまう、と。
 これまた後半に至って完全な騙し合いの様相となり、それが面白いと思うかどうか、でしょうね。特に短編集として読むと、前の短編と似たような展開が続いてしまうわけで、いや、実際は全編、騙し合いのようなものだから。確かにリキが入った、有終を飾る佳作ですが。(結末部分で、作者のファンはもう一つ喜びを味わいます)

 これも「対岸の彼女」と同じ回の直木賞候補となっていたらしいのですが、あまりにゲーム的ということで落選したようです。確かにそれは云える。それをテーマにした短編集(連作集とは云えない)なのは分かるけど、もう少し手法にメリハリを持たせて、広がりがあってーた方が良かったと思います。一つ一つはちゃんとゲーム以上の情感を出しているけど、これだけ集中して疑似ゲームを読まされると、そちらの方が勝ってしまうのでは。特に、最後の1編は、直木賞候補としては落選を決定づけたかもしれないと思います。1つの短編としては傑作かもしれないのに、残念ですね。

 実は、この短編集より前に同作者の話題作「亡国のイージス」を読み始めたのだけど、あまりに自衛隊描写が鬱陶しくて、序章だけで放り出してしまいました。それでも、まあ一緒に買った短編集くらいはと読んだのだけど、序章だけでも読んだおかげで、最後の短編の作者のオマケが分かってラッキーと言うべきか。
 まあ、悪くはなかったけど、もう一度「亡国のイージス」を手にする気にはなれませんでした。また映画でも見たらその気になるかもしれませんが。




at 11:57|PermalinkComments(0) 小説