ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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プロフィール

hiro


2004年11月

2004年11月30日

理由  BC

大林宣彦監督 村田雄浩,岸辺一徳,大和田伸也,久本雅美,宝生舞,松田美由紀,赤座美代子,風吹ジュン、他滅茶苦茶沢山

 前にWOWOWで録りっぱなしだったものを劇場公開、おすぎが絶賛しているということで、久々に封切り気分で録画を見る。
 宮部みゆきの原作は未読なので、同じスタイルかどうか確認していないのだけど、映画は事件の証言の積み重ねで構築されていく。
 もしもこのスタイルを大林が独自で行ったとしたらかなり凄い。いや、そうでなくとも、やはり大林は確実に熟成の域に達していると思う。よくぞこれほどうまく作り上げたものだ、というのは単に巧妙とか、形式とか、そういうことでなく、既に土台がしっかりしていて、その上に大林タッチが無理なく乗っているということなのだろう。
 まあ、それでも、結末近くで作者を登場させたり、更には映画の撮影風景を曝してしまうあたりは実に大林らしい蛇足なのだけど。どこかに隙間を作りたいのかな。完璧さをわざと崩して。
 或いは、エピローグ、幽霊の章の描写。終わり方。しかし土台がしっかりしているから、何をやっても許される。これは思えば「異人たちの夏」の終盤、つまらぬSFXで映画をぶち壊しに近くしてしまったにもかかわらず、みなが許した、それが懐かしく思い出されるなあ。
 宮部みゆきの作品は、なかなか面白い作品が多いと思う。しかし、同時に、恩田陸のように愛着が持てないのですよ。(かろうじて「クロスファイヤー」は好きだけど)
 そうだ、恩田陸作品を大林に撮って貰いたいなあ。近すぎて失敗するかな・・・
(ちなみに恩田陸は最近「Q&A」という完全質疑応答或いは会話形式の小説を成功させている=>11/1小説カテゴリ参照)


at 13:39|PermalinkComments(0) 映画 

2004年11月29日

ソラリス  DE

スティーヴン・ソダーバーグ監督 ジョージ・クルーニー/ナターシャ・マケルホーン/ジェレミー・デイヴィス/ヴィオラ・デイヴィス/ウルリッヒ・トゥクール

 実は随分前に買ってあって、購入直後、何度も見ようとしたのだが、すぐに眠ってしまい、冒頭から先に進まなかった。(具体的には女乗組員に会いに行くあたり・・・一度はヒロインが出現するあたりまで見たかな・・というところ)
 しかし最近、「ソラリス」の新訳が出て評判が良いということで、もう一度読んでみたいと思ったら、この作品を見終えていないことを思い出した。
 しかしやっとのことで見終えてみると、どうもこの作品を見てはもう一度原作を読もうという気は失せてしまう。いや、逆に、こんな筈ではないという意味で、もう一度読むべきなのだろうか。
 映画は単にソラリスにおいて自殺された恋人がもう一度出現して、それに悩んだり喜んだり、というだけ。全く奥行きがない。原作も、タルコフスキーの映画もこんな感触ではなかったぞ。
 勿論、主演がジョージ・クルーニーということもあるのだろうが(僕はいつからこの俳優を嫌いになったのだろう?)。主演女優も好きじゃない。
 こんな作品にジェームズ・キャメロンがタッチしていることが悲しいが(キャメロンは夫婦愛の物語を「アビス」で見事に演出している)、コメンタリーを確認する気にもなれない。
 ソダーバーグは「エリン・ブロコヴィッチ」以来、最近何作か、まともな仕事もしているが、元々(「SEXと嘘とビデオテープ」等)はあまり好きな演出家ではなかった。それもこういう作品を作るから、ということで納得がいく。
 DVDを見た後、「すみ&にえ ほんやく本のススメ」というサイトで新訳「ソラリス」が取り上げられているのを読んだら、再び、この新訳は読むべきかもしれないと思った。くだらない映画よりずっと説得力がある会話だ。




at 15:22|PermalinkComments(0) 映画 

2004年11月28日

死者は黄泉が得る  CC

西澤保彦著

 ノン・シリーズ、初期作品。山口雅也の「生ける屍の死」にオマージュを捧げているが、内容的に接点はないだろう。実は西澤は既に奇想天外な設定は完全に自分のモノにしている。(その原点に山口雅也があるのは嬉しいし、「生ける屍の死」 自体は西澤とは関係なく傑作なのだが)
 さて、本編は死者の蘇りのエピソードと、普通の殺人事件のエピソードがほぼ交互に描かれる。読者はこのどこかに接点があることを予想するのだが、これがなかなかクセモノだ。
時系列に展開する事件と、時系列とは反対に展開していくらしい蘇りのエピソード(実はゾンビが仲間にすべく殺していくエピソードなのだが)。多分、これがどこかで交差するのだろうと予想しているのだが。やはり西澤はクセモノの上を行くクセモノだった。
 正直、この結末を僕は理解していない。一つには、なるほどと思いつつ、どこがどう、と改めて検証するだけの根気と興味がないこともあるのだが(僕は西澤の小説をトリックは刺身のつま、人間描写に興味を持って読んでいる)、でも、解説で謎を提示されて、あららほんとだ、オレは分かっていない以上に分かっていないことに気が付かされてしまった。でも、楽しみました。もしかして実は破綻しているのかもしれないけど。作者も失敗作か成功作か分からないと書いてある真意は? もしもツジツマを作者も合わせられないなら失敗作、僕のような読者が理解できないだけなら成功作と言っていいと思う。


at 18:01|PermalinkComments(0) 小説 

2004年11月27日

レディ・キラーズ  CC

コーエン兄弟監督 ? トム・ハンクス、イルマ・P・ホール、マーロン・ウェイアンズ、J・K・シモンズ、ツィ・マー、ライアン・ハースト

 「マダムと泥棒」のリメイクで、トム・ハンクス主演。決してつまらないわけではなく、「ディボースショウ」のように演出・演技(出演者)共に失敗しているわけではないのだが、何か物足りない。ここにはコーエン兄弟に期待するものがない。いや、一見コーエン兄弟らしい雰囲気作りはあるのだが・・・ 繰り返すが「ディボースショウ」のようなあからさまな失敗とは思わないが、物足りないのだ。
 ちなみに、「マダムと泥棒」を見ているわけではないのだが(多分・・・この作品を見て展開の想像はついても見たことを思い出さない)、しかしそれでも既にある物を作り直していることを感じてしまうのはこちらの潜在意識故なのだろうか・・・

Zom's


at 16:30|PermalinkComments(0) 映画 

2004年11月15日

ビッグフィッシュ  BB

ティム・バートン
 評判が高いことは分かっていたし、原作も読んでいたので、だいたいの内容は予想が出来ていたのだが。
 たいがいの人が先に映画を見た後で、原作小説を読んでの小説の感想だったのだが、僕は順序が逆になってしまった。
 持論として、いかに映画が優れていても、大概は出来の良い小説にはかなわない、と思っているのだが、見ながら、それを思い出した。確かにエピソードや展開は小説とは違っている
のだが、映画を見ながら、小説のメッセージがひしひしと伝わってきて、小説が思い出されるのだ。
 しかし、最後まで見て、映画は映画で、やはり素晴らしい出来と思った。映画と小説は両立して素晴らしい。いや、正直言って、映画を見ることによって、小説が(読んだ当初よりも)より素晴らしい出来に感じてしまった。(それでもなお、映画には無く、小説において繰り返された臨終シーンの繰り返しは心に残るが)
 映画と小説のギャップとして、映画がキャラを俳優のイメージに固定してしまうこと、逆に言えば、先に小説を読んだ場合、演じる役者との間にイメージのギャップが出来てしまうことがある。(そして勿論、ほとんどは自分のイメージの方が強い)
 この映画において、それはほとんど無かった。アルバート・フィニーの父親がちょっと違ったが、違和感はすぐに消えた。ただし、見た後で思ったこと。息子は、マイクル・キートンが演じるべきではなかったか。何となく、この作品がティム・バートンのこれまでの集大成のように感じてしまった時、彼はマイクル・キートンとの決着をつけるべきのように感じてしまったのだ。(単にバットマンとバートンの決別がキートンとの決別に感じてしまっているだけかもしれないが) そう考えると、無理すれば、少女は(若き頃の)ウィノナ・ライダー、ジェシカ・ラング(好演)の役はミシェル・ファイファーに重なる?

Zom's


at 13:54|PermalinkComments(0) 映画 

2004年11月14日

少年探偵団2-3  CC

 2と3が出ているのを発見、しかもこれで完結らしい。では二十面相の扱いが不満だったが、2ではそれにも慣れて、それなりに子供の頃の楽しさを思い出させてくれる。更に3は長編、しかも後半まで明智も小林少年も登場しないという異色な展開で、しかも江戸川乱歩的雰囲気を存分に発揮してくれて楽しい。
 ただし、二十面相が2巻で中途半端なまま完結してしまうことや、とうとう少年探偵団のタイトルにもかかわらず、それが結成・活躍しないまま終わってしまうのは作者としても非常に不本意なのではなかろうか。もう一度仕切直しして再開して貰いたいものだ。
 やっと雰囲気に慣れてきただけにとても残念。

at 11:17|PermalinkComments(0) 漫画 

サンダーバード実写版  DC

まずオープニングに懐かしい音楽と台詞を使ってくれているのは嬉しいけれど、同時にそのアニメはあまりに貧弱で悲しい。最初の救出活動シーンも観客の心を掴むにはあまりに情けなく、同時に一員になれない末っ子アランの状況説明にはなっていてもオリジナルの人形劇以上に子供向けを意識させられざるを得ない。
 逆に、本筋に入って、フッドの基地乗っ取り、対抗出来るのが子供達三人だけになるという状況はなかなか魅力的だ。
 ただし、アランの独りよがりさと、ペネロープ達の活躍の中途半端さ、折角乗っ取った基地や乗り物を簡単に手放してしまうフッド一味の中途半端さも物足りない。
 幼稚園の甥っ子はスラップスティックなドタバタ・シーンに大笑いして楽しんでいたが、もう少し練れば大人も子供も楽しめただろうに。(原作の子供向けにもかかわらず大人も楽しめるクオリティの高さと反比例しているように感じた)

 子供と一緒に見て楽しめたと言うことで 主観はC。
(一人で見たらやっぱりD?)

Zom's

at 09:15|PermalinkComments(0) 映画