ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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プロフィール

hiro


2002年01月

2002年01月07日

評伝・黒澤明/天気待ち  CC

評伝・黒澤明/堀川弘通著 天気待ち/野上照代著

 どちらも欠落を補うような引用が多いのが気に入らないが、直に接触した部分は勿論、本人の感触を書いた部分は面白い。堀川の方はやはり「七人の侍」以降、海外進出のあたり、それ以降の筆者の見方もまあ納得がいく。中で「日々平安」が「椿三十郎」になっていくあたりはまさに直の感触。「赤ひげ」に対する受け取り方は僕とは違うようにみえて、実はかなり近いところにあるのではないか。三船と黒澤の断絶の理由も、真実とは思わないが、一つの手応えではあるような気がする。
 一方、野上照代の方は、面白さがいくつかに分離している。序盤の伊丹万作のくだりは非常に興味深かったが、これは堀川の方の自作に触れるくだりに近いのだろうが、僕はこちらの方がより興味深かった。このあたりのエピソードの重複も成功している。
 ただし、こちらも黒澤に関する自分の欠落を補う部分は堀川と同様。同時にやはり関係している部分は面白かった。音楽に関するエピソードや事件簿と題されたいくつかの事件、しかしそれより更に最後のインタビューの掴み所が良くて感心した。
 それにしても、音楽の部分で、キューブリックがスッパリ、ニーノ・ロータを切ったようなことが出来なかったのが二人の差なのでしょうか。近いようで違う良い例かもしれない。


at 15:16|PermalinkComments(0) その他読書