ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


2000年10月

2000年10月29日

ボーン・コレクター  CC

フィリップ・ノイス監督 デンゼル・ワシントン/アンジェリーナ・ジョリー/クイーン・ラティファ

 これは公開時、否定的評ばかり目についてしまったようで、積極的にパスしてしまったのだが、原作を読んでいない僕としては予想外に面白いじゃない、という感じ。何故、あれほど否定されたのか。原作がよほど面白かったのかもしれないが。
 この映画で唯一弱いと思ったのは、マイクル・ルーカーの悪役としてのからみの弱さでしょうか。

wad's

Zom's






at 15:05|PermalinkComments(0) 映画 

2000年10月25日

魔の家   CB

ジェームズ・ホエール監督 ボリス・カーロフ、チャールズ・ロートン、メルヴィン・ダグラス 、アーネスト・テンジャー、エヴァ・ムーア、リリアン・ボンド

 ホエールの「フランケンシュタイン」に続く作品。トップクレジットがボリス・カーロフだが、映画を見れば主役がボリス・カーロフでないことは一目瞭然。彼がトップな訳は、彼が当たり役となったフランケンシュタインの怪物を思わせる役柄だからだ。
 嵐の中、山道で道に迷った自動車。そこには夫婦とその友人が乗っている。やっと屋敷を見つけてそこに逃げ込む三人。
 このシチュエーションは無数にあるだろうが、とりあえず三人、というところを無視すれば「ロッキー・ホラー・ショー」を思い出した。実際、この車で最初に描かれるのは夫婦のみであり、そこの時点で思い出してしまったのだから仕方ない。夫婦を演ずるのは知らない役者だが、同乗者はメルヴィン・ダグラスで、彼が実質的主役と言っていい。「フランケンシュタイン」の人気に負けただけで、演技的にはしっかりしている。
 逃げ込んだ屋敷の執事がボリス・カーロフ。怪物同様、喋れない怪人。酒を飲むと凶暴になるということで、人間ではあるがまさに怪物的。そこの主人のアーネスト・テンジャーとその妹のエヴァ・ムーアもいかにもという感じでなかなか良い。ベッドは絶対貸さないという老女エヴァ・ムーアは不気味な上にユーモラス。妻が着替えに別室に行き、そこで死んだ老女の妹の思い出を聞かされた後、嵐で開いた窓を閉じられない中、割れた鏡に映る自分の醜く変形した顔の描写が実はこの映画で一番恐ろしいシーンかもしれない。
 更に二人の訪問者がある。同じように嵐を逃れて来たチャールズ・ロートンと実質的ヒロイン、リリアン・ボンド。彼女は踊り子でロートンはそのパトロンだが、性的関係はないことは後で明らかになる。ロートンが金の亡者となった悲しい恋の結末が語られ、そんなロートンから離れてメルヴィン・ダグラスと恋に落ちるヒロイン、ロートンがそれを認める悲しさ、はともかく、やがて屋敷は停電となり、階上にランプを取りに行くのを嫌がって自室に退場してしまう主人、その妹とロートンも妻が開け放した窓を閉めに退場し、ダグラスとリリアンは納屋で恋を語り合っている間に、夫婦は階上で寝たきりの主人の父親を発見、しかし恐ろしいのは彼でなく、更にその上に監禁された狂人だった。酔った執事は必ずその鍵を開け、狂人は屋敷に火を放って皆殺しにするだろうと予言する父親。やがてその予言は当たり、狂人は階下に降りてくる・・・・
 実に面白い。ロートンは残念ながら予想したほど活躍しないで、むしろメルヴィン・ダグラスの方がロートンを思わせる放埒な演技を見せる。寝たきりの父親を演じるのは実は女優というのも見ていて何となく分かり、ニヤリとする。
 降りてきた狂人の態度が一見正気を思わせ、実は誰がアブナイのか一瞬混乱させるのも良い。しかし何より、ここまで盛り上がる狂気の夜が、夜明けと共に消えてしまうエンディングかもしれない。
 ホエールの映画は、実は「フランケンシュタイン」よりその後の作品の方が更に面白いと思う。「ミツバチのささやき」に引用される怪物よりも、その次にあたるこの作品でボリス・カーロフをこのように疑似主役としてたててしまい、しかしやがては「フランケンシュタインの花嫁」では見事に昇華させるホエールはまさにカルトな人だ。「ゴッド・アンド・モンスター」はそれなりには面白かったが、全く描き足りていないと感じさせられる。
 ちなみに、そのホエールの晩年の作品「ショウ・ボート」は後のカラー版よりずっと好きだ。



at 13:38|PermalinkComments(0) 映画 

2000年10月20日

ターン・テーブル  CC

ポール・グリモー/ジャック・ドゥミ監督 アヌーク・エーメ

 内容はポール・グリモーの短編アニメを、グリモー自身とそのキャラクターが紹介役、その実写部分をジャック・ドゥミが撮った作品。アヌーク・エーメも出演するが、相手役ではなく、キャラクター達の一人としての完全なゲスト出演。
 グリモーは代表作が「やぶにらみの暴君」で、僕でもタイトルくらいは知っている。付録の小伝でその作品がグリモーの本意でなく、「王と鳥」というタイトルでディレクターズカットを発表した経緯も紹介されている。しかし実際は「やぶにらみの暴君」の方が面白かったという評判も小耳に挟んだような気がする。紹介文を書いている高畑勲はそこらを微妙にボカしているが(時代の違いによる全く違った作品と・・・)
 ただ、正直、このようなアニメはあまり得意ではないが、個人的感想としてはあまり面白いと思わなかった。実験アニメではなく、まさにアンデルセンなどから育ったという感じ、ジャック・プレヴェール(天井桟敷の人々等)やJ・オーランシェ(禁じられた遊び)が主要な脚本で協力しているというのもまた正統派の印なのだろうが、一番面白かったのは「音楽狂の犬」のブラックな味かな。ここまでブラックならいいのだけど、逆に「魔法のフルート」のような作品になると、悪役の王様は、実は単に音楽が嫌いだから吟遊詩人お断りの張り紙を出し、それを無視して城内に侵入して混乱させる主人公こそ、実は迷惑者ではなかろうかと考えてしまう。この二作、どちらも音楽が暴力に感じられてしまうのは偶然か。(後に日本のアニメ「マクロス」で歌が武器となるのも故意か偶然か)
 「ダイアモンド」はそれでもそれなりに面白かったかな。「避雷針泥棒」はぎりぎりのところ。面白い部分とつまらない部分がある。「かかし」になるとつまらないと思ってしまう。名作と評判らしい「小さな兵士」もちょっとピンとこなかった。こちらは技術でなくエモーショナルな部分で。



at 13:49|PermalinkComments(0) 映画 

2000年10月18日

ホワイトアウト  DD

若松節朗監督 織田裕二、松嶋菜々子、佐藤浩市 、石黒賢、吹越満、中村嘉葎雄

 原作は未読。だからよかったのかもしれませんが、HIDE.Oさんが酷評するほど悪くはなかった。まあ、それだけ用心して見たからかもしれませんが。

 それでも、いざ書き始めると、どうしても批判的部分ばかりになってしまうような気がする。
 プロローグ部分の描写の弱さ。これは多分、クライマックスに重ねるためにわざとぼかしたのでしょうが、それでももう少しうまい描写の仕方はあった筈。
 ダムの使い方、描写の悪さ。知的対決という部分が完全に失敗していて、それは織田裕二の方は勿論、地上の警察署長の方も描写としては独りよがりだった。彼が見破るトリックは、一見、さすが、というようでいて、実はかなり「?」なのではなかろうか。自衛隊でさえ飛べないヘリが軽々と飛んでしまうのは、いくらなんでもご都合主義過ぎるでしょう。冷静に考えれば、の話ですが。それに関連させれば、雪崩でヘリを落としておきながら本人は被害を受けず、しかも犯人も生きていてしかもリモコンが簡単に見つかってしまうなんて。いや、結果より先、少なくとも雪崩でヘリが落ちたらまずリモコンを見つけることが不可能だと考えませんか?
 だから、そういう意味では、ほんと、ひたすら雪を歩く以外、ほとんどアクションがないと感じるほどだし、もう一つ付け加えるなら、松嶋菜々子の部分はほとんど鬱陶しいだけなのだけど(会ったこともない人間に対して愚痴愚痴言っているだけ)、しかし、そうした負の部分ばかりにある程度でも目をつぶらせるのが、多分、主役の織田裕二のように、僕は感じられました。
 毎度のごとく、「帰ると約束したから」という一言が情感的にこの映画を支配している。それは「踊る大捜査線」、いや、実はそれよりもっと前からずっと織田裕二にあったキャラなのだと思います。(僕がはっきり認識したのは多分「エンジェル」あたりからだと思うけど)
 結局、主役である織田裕二と松嶋菜々子が一言も会話しないという小細工は監督や脚本としては「やったね」なんだろうけど、それが見えすぎているだけあざとく感じた。最初の方のエレベータのすれ違いなんて、やっぱりなんか非常にわざとらしいことで印象に残ってしまうでしょう。そういうのってよくない。
 テロリストの中で一人だけ良い人っぽい人も、この作品の隠し球だったのだけど、もう少しうまく演出して欲しかったな。
 書けばキリがないけど、前半の閉鎖された食堂での織田裕二の最初の反撃、テロリストの一人が「撃つな」という台詞、これがタイミングが非常に悪い。台詞が早すぎて、「撃ってはいけない」と解釈出来た筈の後に撃ってしまっている。

 このように、結局、織田裕二以外は書けば書くほど批判的になってしまうのだけど、でも、実は僕はそれなりには楽しめた、かな。でも、織田裕二の魅力が分からなければ、全然駄目な映画ではないかな。
 あ、もう一つ。エンディングロールはイマイチだったけど、全体として音楽はいいと思った。途中、何度かサントラを買いたくなった。

Zom's



at 13:53|PermalinkComments(0) 映画 

2000年10月11日

クッキー・フォーチュン  BB

ロバート・アルトマン監督 グレン・クロース、ジュリアン・ムーア、パトリシア・ニール、リヴ・タイラー、クリス・オドネル 、ネッド・ビーティ

 劇場公開時は見逃していたけど、これは面白かった。最近では一番好き、かもしれない。
 まず酒場での黒人歌手のヴォーカルで引き込まれ、町のスケッチが描写される。登場するのが見た顔ばかりなのはさすがアルトマンの最近の傾向。
 でも、僕がこの映画の登場人物で最も好きだったのは、ネッド・ビーティでしたね。ウィリーが犯人でないと断言する根拠として、「だって奴は釣り仲間だ」の一言は実は観客の笑いを誘う以上の重みがあります。
 もう一つ。クッキーを演じているのが誰かを確認したら、パトリシア・ニール。別に何の思い入れもないけれど、久々の出演らしいですね。
 この作品、別になんてことはないのです。それほど展開を隠す必要もなく、あらすじ紹介で全て書かれてしまっている。
 クッキーばあさんが亡き夫のもとに自殺したが、それを発見した姪のカミーラは一族の名誉のためにと自殺の痕跡を消してしまう。そうなると犯人が必要になり、警察は捜査を始め、クッキーの世話をやいてあげていた黒人ウィリーを逮捕するが・・・
 カミーラを演ずるのがグレン・クローズ。以前の雰囲気とちょっと変わって、この役は彼女の好き嫌い、に関係なく非常に適役、好演をしていた。
 妹役のジュリアン・ムーアは現在、グレン・クローズより好きでない女優なのだが、彼女もまた。嫌いではあるけどそれなりに上手さは認めざるをえない。この映画ではボケッとした演技が全編に渡って絶品。その底の見えないところまで。
 リヴ・タイラーとクリス・オドネルは結果として彩りにしかなっていないような気がするが、それも仕方ないだろう。
 しかし映画の展開としては、観客は初めから事件の全てを知っていて、しかも無理にややこしくするようなアクシデントは起こさない。せいぜい、その場で子供の証言をさせない程度で、そこで小細工をするのかと思えば、すぐに後で子供の目撃を届け出る。ほとんどそれで事件は終わってしまうのだが。
 この事件により白日に曝される秘密、というのも、観客にとってはそれほど驚愕すべきものではないだろう。当事者にはそれなり驚きだろうが。
 しかし、そういう驚きよりむしろ、展開の(ブラックも含めた)ユーモアがこの作品の味だろう。
 とても面白い作品だった。

wad's

at 13:59|PermalinkComments(0) 映画 

2000年10月10日

ヒマラヤ杉に降る雪  CC

スコット・ヒックス監督 工藤夕貴、マックス・フォン・シドー 、イーサン・ホーク、サム・シェパード

 スコット・ヒックスの「シャイン」の次の作品で、工藤夕貴とイーサン・ホークの競演もちょっと話題になったのかな。
 小さな漁村で発見された水死体。容疑者として日系人が逮捕され、裁判にかけられるという裁判劇に戦争時代を挟んだ日系人との過去の回想が織り込まれて描かれる。
 映画の出来としては無難という印象。日本人が描いてもこういう雰囲気になるのではないかと思うくらい、一応、日系人問題はうまく描かれていると思うが、しかしひとつのウリであろう夕貴とホークの恋愛描写は僕にはどうも甘ったるいだけでうざったく感じてしまった。演技には信頼がおけた夕貴も、この作品ではどうもイモ臭いだけで、本領が発揮されていたとは思えず、大人しいだけで、はじけるところがなかったような気がする。一方のイーサン・ホークもまた似たような印象。出番は多くないが、その親父を演ずるサム・シェパードの久々登場の渋さが、よけい息子のホークを小さく感じさせる。
 裁判劇としても無難なのだけど、唯一、感動的なのがやはりマックス・フォン・シドー演ずる弁護士。もしかして遺作近くだと思うのだけど、特に最後の最終弁論は感動的だった。内容もそうなのだけど、彼のしゃべり方、動き、全て。こちらが彼の死を知っているからよけいに感じるのでしょうか。

 僕にとってこの作品はマックス・フォン・シドーが全て、という感じでした。

wad's


at 14:04|PermalinkComments(0) 映画