ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

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hiro


2000年07月

2000年07月26日

ジュブナイル

山崎貴監督

 最初に予告で見たとき(まだそれほど内容が描写される前)、ああ、こんなのは見ないな、と思っていて、なんか非常に恥ずかしい印象があったのですが。ちょっと内容的に見えてくる次の段階の予告になると、結構本格的なSFXをやってるじゃん、なんて、ちょっと見直しつつ、でも、やっぱり恥ずかしさは変わらなかった。そんな見る気のなかった作品を見てしまったのは、やっぱり「MI2」を見るのが億劫だったこと。1時間も時間を潰さなければならないくらいなら、こっちを見ちゃえ、ってのは、やっぱり2番目の予告を見ていたからかな。
 で、見てみたら、意外に面白い。非常に見やすい。全面的に良くできているとは言わないけど、まさに良質なジュブナイルという感じ。ジュブナイル映画、とはちょっと書くのに躊躇したのだけど。でも、そう言えるでしょう。
 正直、裏のオンボロ電気屋の息子がワームホールによる転送実験に成功しているなんて法螺話以外の何物でもないのだけど、それをスッと受け入れてしまう類の映画なのです。
 恥ずかしい、と思ったのは、後日談、辻褄合わせの部分くらいだけど、これも見方によっては心地よい恥ずかしさというべきか。

 で、全く意識しなかった僕が間抜けなんですが、この感覚の正体が、最後のクレジット部分で教えて貰いました。あ、なぁんだ、という感じ。これって、まさに藤子不二雄の少年物SF漫画なんです。あのテトラはドラエモンではないけど、そういえばキテレツに出てくる類のロボットだし、ストーリーや展開、そう、あの恥ずかしい後日談まで、藤子テイストと言っていいでしょう。藤子SFは大人向きでなくても大人が読んでも面白いでしょ。まさにそのもの。それを最後にバラしてしまうのは潔いと言うべきなのでしょうね。まさにオマージュになっている。別にストーリー的にはわざわざ書かなくても盗作にはならないオリジナルストーリーでしょうから。(ちゃんとは調べていないけど、原作はついてませんよね)

 配役は、子役達は主人公とヒロインはまあまあ、後の二人はちょっと持ち味を出し切れてはいない惜しさがある。マーク・レスターに対するジャック・ワイルドに成り切れていない、という感じが残念。香取は全然興味ないけどそれなり、酒井美紀はもう少し活かさないと勿体ない。無理矢理はめ込んだキャラになってしまっていたのが残念。その他、吉岡とか緒川たまきとかは特別出演と言うべきなのだろうけど、なんか気持ち悪かった。完全否定ではないのだけど。

 意外な楽しさに喜んでしまったけど、「クロスファイヤー」同様、まっったく観客という人気(ヒトケ)は無し。「スチュアート・リトル」は少しは入っているようで、それはそれでいいのだけど、でも、本物のポケモンとかデジモンは見ていないから大きいことは言えないけど、こっちもお奨めだよ、って。正直、吃驚。



at 14:25|PermalinkComments(0) 映画 

2000年07月25日

13F

ジョゼフ・ラズナック監督

 これは劇場公開されましたよね。ちょっとソソられるタイトルだったのだけど、
劇場では見損ねました。ローランド・エメリッヒの名前が前面に出ていた胡散臭さ。
だけど、監督したわけではなく製作だけなんですね。僕にとっては逆宣伝だった。
 DVDで見たのだけど、前面に出すならミハエル・バルハウスの方を出せば渋い
スジの眼は惹いたかも。これもまた監督も撮影もしているわけではなく、クレジッ
トとしては製作総指揮だけなのだけど、ドイツで同じ原作によるTVドラマにバル
ハウスが関係したとき、その面白さに目を付けて自らの映画化を企てていたとか。
今回、自分の手が空かないので、同じドイツ系のエメリッヒに相談を持ちかけて実
現したとのこと。

 ちょっとタイトルに話を戻すと、この13階というと、昔のハヤカワ・ポケット
ブックスで、ミステリ、SFと共にサスペンス・シリーズも出そうと企てた。確か
その最初の配本にこれを思い出すタイトルがあったと思う。デパートか何かの存在
しない13階(縁起が悪いので12階の上は14階になっている)の売場の話だっ
たと思う。
 なんかそれを連想してそそられたのだけど、見てみたら13Fという数字にそれ
ほど意味はなかったのが残念。単にエレベータで13Fを押すというだけ。

 しかし、それとは関係なく、ドラマとしてはちょっと悪くない。仮想空間として、
コンピュータによるヴァーチャル空間に1937年を構築し、そこに住む人間に人
格を転送して、その世界を楽しむ、という娯楽事業を開発する会社の社長が殺され
る。彼は副社長である主人公にメッセージを残しているのだが、それは仮想空間内
に預けられているらしい。一方で主人公は社長殺人の犯人としても疑われ、しかも
自分ではないという確信が持てない。確かに社長の死により全財産は主人公のもの
となるのだが、そこに主人公も知らなかった社長の娘という人物が現れ・・・
 ともかく主人公は社長のメッセージを受け取るため、ヴァーチャル空間に転送さ
れるが・・・・

 原作がドイツのダニエル・ガロイという作家の「模造世界」という小説らしいの
ですが、確かに魅力的設定。単なるヴァーチャル・ゲームと違うのは、自分が本人
としてそのヴァーチャル空間に入るのではなく、ヴァーチャル空間では日常という
ものを常に作動させていて、その中の人物の一人の中に潜り込む、という設定。
 とは言え、元々は人間が設定したものだから、このヴァーチャル空間に入っても
現実の知り合いをモデルにした人間がいても不思議はない、というのがまあ、おき
まりの設定ではあるが。

 とにかく、この設定は確かに魅力的。前半の1937年という時代設定も、非常
に良いと思う。ただし、この時代を後半まで生かし切れないことが最初のつまずき。
次に大きな謎解きが中盤に用意されているのだが、これもまた悪くない。それによっ
て1937年というものが追いやられてしまったのが残念なのだが。そしてもう一
つ。間違って1937年の人間が現代に来てしまったという展開も悪くはない。つ
まりこちらが人格転送した時、相手にそれまで形成されていた人格がどうなってし
まうのか。事故によってショック状態になった時、間違ってそちらの方の人格が現
代に転送されてしまっても不思議はないということだろう。
 更に、自分自身が殺人者であることを自覚するあたりの展開もちょっと面白い。
というか、まさにこれまでの主人公が本物の殺人者になってしまった時の観客の戸
惑い。
 決着は見えている。しかし、それならそれで、もう少ししっかりした伏線を張っ
て欲しかった。これでは、ちょっと納得の出来る結末とは言えない。それも含めて、
クライマックスから結末部分で、完全に失敗しているのがとても残念。
 中盤までは、かなり面白いです。俳優もアーミン・ミューラー・スタールが存在
感として結構効いていて、一方で、ヴィンセント・ドノフリオはこんな感じになっ
ちゃったんだな、という感慨。その他のキャスティングも悪くなかった。
 何と言ってもエメリッヒが監督しなかったことがこの作品の勝因ではないでしょ
うか。

at 14:20|PermalinkComments(0) 映画 

2000年07月19日

スチュアート・リトル

ロブ・ミンコフ監督

 「MI2」は定員入替制なのでどうも入りにくい。ということで、
「スチュアート・リトル」にしてしまったのだけど、原作も全然知ら
ないのだけど、どうも気になっていたのは、やはり脚本がM.ナイト・
シャマランだったからでしょう。ちなみに監督は全然知らなかったけ
ど、ディズニー・アニメの監督だったんですね。それと、声優として
マイクル・J・フォックスが出ているのは知っていたけど、その他に
もチャズ・パルミンテリとか、結構な俳優が声優で出ています。出演
としては勿論、ジーナ・デイヴィスが場違いな出演のようでいてなか
なか良い。でも、何よりも、名前は忘れたけど、いっつも絶対悪役の
俳優さんが、リトル家の親戚(父親の兄)としてニコニコして出てい
るのがすっごく場違いで良かった。いや、この人、ニコニコすること
はよくあるけど、いつもは裏腹なんだけど、今回はたとえ結果として
主人公を傷つけても悪意がないという、善人を演じているのです。で
も、いつもなら絶対に「ネズミが親戚になったぁ? ふざけんなよ」
というキャラが、驚きつつも頭から受け入れようとする態度、感動的
です。(勿論冗談ですが)
 この映画は面白かったです。これはマジで。で、マジで、全編、前
述した悪人の常連さんが善人をやっていて、それをどこまで信じるか、
なんていう違和感が面白いのです。これもマジ。
 たとえば、「ベイブ」という、一見似たようなファミリー映画、技
術的にはブタのSFXと実写の合成という、この映画と同じような試
み。同じ技術かどうか、僕は興味ありませんが。しかし、何が違うと
言って、「ベイブ」はベイブ側は人間とある程度コミュニケートして
いるが、人間側はブタと会話しているわけではないという、表面的に
は現実的な世界なのです。しかし、この「スチュアート・リトル」は
どこが現実的で、どこが作り物の中の常識なのか、その境界線が見え
ないという面白さ。だから、養子としてネズミを選ぶのは、この世界
でも常識には外れているけど、あり得る、という世界。別に主人公の
スチュアート・リトルだけが人間の言葉を喋れる特殊なネズミという
わけではない。彼の両親を名乗るネズミが現れても悲しみはするけど
驚かない。しかし一方で、猫は人間と会話を出来ない。ネズミは人間
とも猫とも会話を出来る。
 だったら、例えばこの映画で、ネズミが誘拐されて警察を呼んだら、
警察の対応はどうなるのか、なんて、観客側としては警察が真面目に
対応するのか、それともふざけるなと怒るのか、分からないのです。

 それにしても、ネズミが人間家族の一員になるということは、ペッ
トである猫の主人となる。ネズミと猫の立場が逆転するという点では
常識通り、猫にとっては最大の屈辱となる、というあたり、一番同情
されるべきはやはり猫のスノー・ベルなのでしょうか。

 一つ一つのエピソードとしてはヨットレースのエピソードとか、弱
いものが多いけど、ポイント、ポイントで妙にハマッていて面白い。
特に何度も書くけど、猫のスノーベルが土壇場でスチュアートを助け
てしまった時、スチュアートが「スノーベルが家族である」ことを演
説する台詞が、実に名演説なのだけど、それゆえにスノー・ベルはス
チュアートを見捨てることが出来なくなってしまうあたり、上手いで
すね。(その前に、スノー・ベルがスチュアートに切り抜かれた写真
を示して、お前は愛されていないと信じ込ませるのも効いている)

 声優陣は前述した通り、チャズ・パルメンテリなんかノラ猫のボス
なんかやっちゃって、微笑ましくも適役だったりする意外な豪華メン
バーなのだけど(他にブルーノ・カービーだとかスティーヴ・ザーン
だとか)、何と言ってもマイクル・J・フォックスが良い。この映画、
吹き替えが主流になっているので、別にそれでもいいや、と気にもし
なかったのだけど、やっぱり字幕版でよかったと実感してしまった。
フォックスは映画は御無沙汰で(「さまよえる魂たち」以来?)、病
気を心配していたけど、実際、連続TVドラマもついに降板したらし
いけど、「スチュアート・リトル2」への(声優)出演は決定したら
しい。そういう形でも出続けて欲しいですね。結構、貴重なキャラだ
と、最近、実感し始めた。別に「BTF」シリーズでなくとも、彼が
出なくなってから一つ、ジャンルが減ってしまったような妙な気持ち
になる。「摩天楼はバラ色に」だとか「ドク・ハリウッド」だとか、
それらが特に成功していたわけではないのだけど、ないと寂しい。
 一方、本当の出演のジーナ・デイヴィスは、本当に意外なほどハマッ
ていた。旦那も子供も合わせて間違えたら「アダムス・ファミリー」
なんだけど、それがそうならず、しかも彼女が旦那以上に優しい母親
として存在出来ている。スチュアートがネズミの夫婦に引き取られて
いく時、彼女が夫に「何とかして。あたし達は人間なんだから、ネズ
ミくらいシッシッとでも追い払えばいいじゃない!」(これが現実と
映画の中の現実のギャップとなる台詞になっている)などとヒステリー
を起こしかけるあたり、良かったなあ。
 旦那と子供も悪くないけど、前述の悪役さん(ああ、名前が思い出
せない)も含めた親戚連が動けば面白そうなんだけど、みんな彩りに
しかなっていないのが残念。もう少し大騒ぎして動いてくれればいい
のに。
 等々。最近のディズニー映画なんかよりずっと面白い。気楽に楽し
い、ちょっと変わったファミリー映画。その違和感が原作からあるも
のなのか、映画化によって生まれたものなのか。でも、原作まで読む気はあんまりしないけど。




at 14:13|PermalinkComments(0) 映画 

2000年07月11日

サイダーハウス・ルール

ラッセ・ハルストレム監督

 原作はとても好きだった。細かい部分はもう覚えていないけど。どんなに悲しい部分があろうと、アーヴィングがとても好きな時代に読めた幸福な作品だったような気がする。

 映画はそれなりに楽しみにしていたし、アカデミー賞でもマイクル・ケインの助演賞に、原作者アーヴィング自身に贈られた脚色賞と、多分、もっともいい部分を受賞したのではなかろうか。そして、映画は確かにそれなりによく出来ていた。マイクル・ケインはもう少し、過大に期待していたのだけど、それはそれで仕方ない。

 映画はそれなりによく出来ていたと思う。ただ、残念ながら、原作のおおまかな粗筋しか思い出させてくれず、僕がとても悲しくも好きだったニュアンスは、この映画を見ても蘇らなかった。もう一度読まなければならないのだろうが、それは出来そうにもないし、読み直しても蘇らないかもしれない、などと思う。

 勿論、いくつか、原作同様、或いは映画として好きな部分もあるが。何より、主役のトビー・アグワイアがいいのだと思う。ノホホンとしたちょっととぼけた味が出ている。デルロイ・リンドはいつもながら安心出来る役者だ。久々にケイト・ネリガンも出ていた。
 でも、「レインディア・ゲーム」でも書いたけど、シャーリズ・セロンが嫌いなのです。それと、やはりモードとしてこういう映画を受け付けなくなっているのかもしれないな。

P.S.

 後でこの作品の特集記事など読んだら、原作が人の一生を扱ったものだったことを思い出させてくれた。この映画はそれを青春期に集約して、その他にもいくつか原作とは違った改変があるようだが(たとえばシャーリズ・セロンとのくだりとか、デルロイ・リンドと娘の部分とか、ポイント部分)、しかし脚色が原作者当人なのだから文句も出ないし内容も損なわないわけか。代わりに監督は相当替わったらしいけど。

at 15:32|PermalinkComments(0) 映画 

2000年07月07日

レインディア・ゲーム

ジョン・フランケンハイマー監督

 先日、「グラディエーター」を見に行ったおり、予告でフランケンハイマーとフリードキンの揃い踏みでおよよ、と思った。これがフランケンハイマーの方。正直、どっちもイマイチ面白そうかどうか不安だったのだけど、奇しくもフリードキンの方もキネ旬の評で後味悪いという一言が目に飛び込んできた。
 フランケンハイマーのこちらの作品は後味云々ではない。なんか非常に仕掛けてあるようでいて、その仕掛けがいかにも凡庸そうなのが不安だったのだけど。せめて「ワイルドシング」くらいやってくれたらと願ったけど、そうはならなかった。
 いや、確かに仕掛けはいくつもある。サンタクロースの扮装なんてのは、基本的にどんなに古くさくても好きなネタだ。漫画の「ミュータント・サブ」から、映画の「サイレント・パートナー」とか懐かしく思い出す。でも、やっぱりいまいち不満が残って、やっぱしちょっとばかり古くさいと思うのは、きっと演出が悪いのだ、と思いたい。

 まあ、内容を書ける種類のものではないので、その他、少しばかりの印象だけ。ネタは凡庸、ゲイリー・シニーズももうこのような役は飽きたし、シャーリズ・セロンは嫌いだ。

 ベン・アフレックのみ、多分、ヒロインが嫌いな反動かもしれないけど、ちょっとばかり好感が持てて、デニス・ファリーナがちょっと哀れな役をやっているのが微笑ましい。この人、なぜか結構好きなのです。

 それにしてもフランケンハイマー、なんか中途半端な存在になってしまったような。このような作品でしかもはや映画界に居場所がないのかもしれない、などと、前作「RONIN」にしろ、この作品にしろ、思ってしまう。

at 15:37|PermalinkComments(0) 映画 

2000年07月03日

翼のない天使

M・ナイト・シャラマン監督

 あの「シックス・センス」のシャラマン監督のそれ以前の作品。最後まで見て、なるほど、というのはまあ蛇足というべきか。この作品でそれが生きているかどうかは際どいところかもしれないが、そういう意味では「シックス・センス」は少しばかり上達している。
 しかしそんなことは関係なく、正道として、この監督は非常に良いオーソドックスな演出で、お涙頂戴になりそうな作品を上手く仕上げている。

 ストーリーは、おじいちゃん子の主人公である少年が、おじいちゃんが死んだ年、一年でそれを乗り切って成長するという話。少年がおじいちゃんの近況を知りたいばかりに神様を捜すという一つの仕掛けを使って、宗教校での生活、家庭生活、友人とのこと、淡い恋心などをしっかりと描いている。

 2度目を見て、この映画が非常に「小さな恋のメロディ」に似ていることに気が付いた。どちらも宗教系小学校が舞台という環境的なものもあるかもしれないが、主人公の少年もマーク・レスター系だし、親友との関係もジャック・ワイルドとの関係を思い出すし、もっとも二人はメロディを原因として喧嘩するなどということはないけれど。運動会の徒競走シーンも効果的に使われているし。
 世代的に、もしかして潜在的にでも監督に影響を与えているんじゃないかな、なんて思ってしまった。

at 15:39|PermalinkComments(0) 映画