ようこそ hirot'sBlog へ

2004/11/25
本BLOGの公開を
開始しました。
映画は、今世紀に入って
ほとんど劇場では
見ていません。
主にDVD、CS、BS放送
による観賞です。
表題後ろにあるのが評価で、
前は客観点(出来の良さ)、
後は主観点(好き嫌い度)。
A-Eにするつもりですが
客観・主観とも
Cが及第点として、
Aが最高評価
Eが最低評価
とお読みください。
よろしくお願いします。

最新記事
QRコード
QRコード
プロフィール

hiro


2000年02月

2000年02月29日

13ウォリアーズ 

ジョン・マクティアナン

 マクティアナン監督で原作がマイクル・クライトン、ということでちょっと気になりました。クライトンでも旧作の部類だからよけい興味がありましたが、残念ながら「北人伝説」は未読。なんか勝手に北京原人かなんかの話のようなイメージを持っていたけど、全然勘違いですね。笑ってしまう。
 マクティアナンということでも、実は現在に至るまで、それほど嫌いではないです。wadさんのように「ダイハード」の中盤以降見放す、という感じではありません。確かに伸びには欠けるきらいがあるけれど、「ザ・スタンド」はとても好きだし、「ダイハード3」も好きだし、「トーマス・クラウン・アフェア」も面白いところがあった。
 この「13ウォリアーズ」は、順番で言えば「トーマス・クラウン」の前作に当たるようです。
 主人公はアントニオ・バンデラスということに全然興味はないけど、他に知っている名前は冒頭近くで出てくるオマー・シャリフくらい。後はいかにも北欧系、ってのがなかなか悪くないけど、全然知らない顔ばかりです。そんな中のアラブ系一人、というところで、バンデラスが良い配役ですね。そういう意味では。
 内容も、全然知らなかったけど、なんかいまいち理解し辛いのだけど、なんかぐいぐい見せられてしまう。そんな中で全く通じない言語がいつのまにか話せるようになっているあたりの描写は結構テク使ってる、って感じ。
 でも、それより何より、もう納得よりも先に強引に話を進めていくあたりが久々にマクティアナンっぽさを感じてしまった。
 で、全然予備知識とかなくて、単にマクティアナン、クライトン、翌週には(つまり今週金曜には)終わってしまうということで飛び込んだのだけど、終わりの方になってやっと、「七人の侍」を思い浮かべた迂闊さか。絶対意識はしてると思う。
 正直、この作品が傑作なのか佳作なのか、駄作(というほどひどくはないと思うけど)なのか、よく分からないのだけど、分からないなりに惹きつけられました。



at 01:24|PermalinkComments(0) 映画 

2000年02月22日

シュリ CC

カン・ジェギュ

 どんなものかな、と思っていたけど、とりあえず、香港映画が出現した時に感じたインパクトは全くない。これが全てかもしれない。ちなみに、インド映画も「ラジュー出世す」には、この一作だけだが、香港映画とは全く違う、しかし確実なインパクトを感じた。それは香港映画とは全く別の、しかしその香港映画をも肥やしとした確実なエンターテインメントの子孫。香港映画自身、同様の感触の特化なのだが。
 しかしこの「シュリ」。それなりの娯楽性としてのレベルはクリアしているのだろうが、全く新鮮さというかインパクトは感じない。むしろ、それなりに見せてはいるものの、同様のレベルでは上手くはない。もう少し上手く描けないものかという感じがしてしまう。何故、この程度でこれだけ評判になるの。韓国映画で初めてこういう映画が出来て、自国で評価されるなら分かるけど。日本ではもう数年前に、この程度なら原田真人がもっと上のレベルで達成しているでしょう。アクションを離れて「呪縛」で更に完成度を増している。ここで足りないのは、派手な爆破とか、そんな要素だけでしょう。でも、そこらは本質ではない。
 正直、全体として、それほどたいした映画ではない。ロマンス部分も弱い。というか、描写が上手くない。描写でなく、配置、その配置を描写が弱めた。しかし。しかし唯一誉められるべきは、ほんの数カ所ではあるが、ヒロインの凄さだ。いくつかのシーンの凄さ。いや、駄目なシーンもいくつもある。主人公が必死で追った相手を神の目の如く好ポジションで射殺してしまうシーンなど僕の感覚ではシラケるとしか言いようがないが、逆にクライマックス、恋人でなく最後に大統領の車(シークレットサービスの動きが笑えるが)を狙撃して果てるシーンなんて泣けますね。出来れば、防弾ガラスに的確にヒットしていた銃弾を示して欲しかったほど。でも、ほとんどの部分は一見カッコいいようでいて、全然リアリティはない。香港映画ほどぶっ飛んでしまっていない重さ故によけいリアリティの無さが目立ってしまっているのだ。こういう描写だと、弾が当たらない、包囲したのに簡単に抜けられてしまう、あたり、リアリティがなくご都合主義的なのです。香港映画の開き直りがない。これはハリウッド、香港映画の一見上手いようでいて、実は下手な模倣に感じられてしまうのです。
 最後に、とても美しく終われたのに、なまじ綺麗に病院のシーンなんて出してしまって、こういうところも下手だな。一つ前で終わっていれば、もう少しは良かったのに。下手です。
 「ブレアウィッチ」にしろ、この作品にしろ、評判に惑わされて、本質を見ていない。かたや最悪、みんなそう思っているのに、そう言わせない雰囲気があるという恐ろしい感想を最近聞きました。その不気味なパワーがヒットにしてしまった。(これはブレアウィッチの話) 「シュリ」は「ブレア」ほどの駄作以下ではないにせよ、たいした作品ではないことは確か。3:7くらいで下手です。3くらいは評価していいけど。
 それにしても、敵の工作員、山本圭にそっくりじゃなかった? 昔、チョウ・ユンファも小林旭に似ていると思っていたけど。


at 01:44|PermalinkComments(0) 映画 

2000年02月07日

リング0/バースディ CC

鶴田法男

 これも実は中田監督でなくなった時点でほとんど期待は出来なかったのだけど、実際、その通りだった。実はこの脚本家の力量を見てみたかったのが本音か。もっとも、原作を読んでいないので、そこのところがちょっと困ったところなのだけど。
 映画はまあ、一応は引っ張ってくれる。クライマックス前あたりまでは。
 そこまでの恐怖の作り方がほとんど中田監督の真似というか、「シックス・センス」なんかはそれでもそれなりに新鮮だったのだけど、この映画にその新鮮さが全くないのが痛い。
 それと気になるのが、わざとか、それとも撮りたくても撮れなかったのか、時代というものが完全に<逃げ>だけになってしまっているという印象。電話がリーンと鳴ったり、現代を見せない(電話を例にするなら携帯を出さないとか、そういう当たり前のこと)だけで、ほとんど過去の時代が映画に映っていないのです。かろうじて最後の自動車が昔のモデルっぽかったというくらい。
 肝心の内容。芝居を内容に取り入れているというのは悪くないアイデア。これは原作でしょうか、脚本でしょうか。脚本としたら、悪くない。貞子の位置も悪くない。
 ただ、この時点で井戸がポイントとなってしまうのは、いかがなものか。つじつまが合わないような気がするのだけど。終盤は、正直、ひどい。まず演劇公演をこのような形でぶち壊しにするということ自体、説得力が感じられない。それをしなければならないほどの動機がないのです。それに、集団リンチ的展開も、田中好子にかろうじてその動機がある程度で、他の劇団員にはそれだけの説得力が持てない。まさか全員、呪い殺されたマスコミの子供だったわけではあるまいし。
 もう一人の貞子というアイデアの不完全燃焼。団員達が次々殺されていくシーンは場内に笑いが起こってしまっていた。そして第一作のクライマックスを踏襲しようとしたであろう、あの<動き方>が何故ああいう動き方であるのかという説得力の無さ。第一作は説明しないで良い。しかし、ここでは説得力がなければならない展開でしょう。次のところではもとに戻っているのだから。
 それに何がなんでも井戸にたどりつかなければならないのがこの作品の宿命ではあっても、それが観客に見えてしまっては駄目です。これだけ無理矢理やってしまっては。
 それも、毒殺・斬り殺す、井戸に落とすという三重の展開は、それもひどくありませんか。なんで生きていられるの。最後の井戸の中で、血も流れていないのは、自分の治癒能力で直したということでしょうか。それだけの力を出せるなら、井戸から出ることも出来るのではないでしょうか。
 まさに終盤部分はこのようにメタメタに破綻してしまっている。田中好子は攻撃に出たところから全然駄目になった。
 演出もあまり感心しない。一応、終盤までは引っ張ったけど、駄作だろう。


at 01:53|PermalinkComments(0) 映画 

2000年02月04日

ISOLA CC

水谷俊之

 全然期待していなかった。前にも似たような多重人格物でつまらない作品があったし、予告も気に入らなかったし。実際、神戸地震から始まる導入部にも全くノレなかったのだけど、しかし実際に物語が動き出すと序盤から中盤にかけては悪くない。なかなか引き込まれる展開。多重人格の少女に人の心が読めるヒロインをつけるというアイデアが結構うまくいっている。そして問題のISOLA、磯良、の正体もなかなか面白かった。最初から最後までつまらなかった宇津井健主演の名前も忘れた作品とは大違い。序盤にちょっと登場人物をくっつけ過ぎた不自然を感じたくらいでここまではなかなか面白い。
 ただ、残念なのは終盤部分。まずISOLAの超能力というのがただの念動力とか、カマイタチもどきとか、そんなものになってしまったところで「あれ」という感じ。ヒロインの心を読んだ(?)あれはいったいなんだったのか。自殺者達は、心を乗っ取られたのだと思っていたのに、単なる念動力だったなんて。
 そしてクライマックス。これ、なんだ「エクソシスト」じゃない、と思ったら、本当にそうだったのは、なんじゃこりゃ。原作もそうなのか。脚本家や監督は「エクソシスト」を知らないのか。困ったものだ。出来の悪い「エクソシスト」になり果ててしまった面白くなる要素のあった作品。残念。勿論、この作品も結果として多重人格をほとんど<使えて>いなかったのも残念。
 役者はヒロインを演じた木村佳乃と少女を演じた黒澤優がちょっと味を出していたのと、それとエンドクレジットまで分からなかったのだけど、手塚理美って本当に全然分からなかった。実は最初、彼女が主人公になるのかと思ったけど、それも残念かな。多重人格少女とテレパシストと精神科医って悪くない取り合わせで、それなら精神科医がヒロインというのが一番良い位置だと思いませんか。



at 01:59|PermalinkComments(0) 映画 

2000年02月03日

雨あがる CC

小泉堯史

 評判通り、それなりの出来に仕上がっている。映画らしい映画、もっと言えば時代劇らしい時代劇。もっとも単なるアクションとしての時代劇ではないが。
 ただ、僕はこの映画に対する印象を良くも悪くも、一点に集約されているように感じてしまった。つまり、三船史郎、これ一点。三船史郎が非常に三船敏郎を彷彿とさせながらも三船敏郎ではないように、この映画も確かに黒澤の雰囲気を持ちながら黒澤ではない。これは必ずしも悪い意味で言っているわけではなく、この映画で僕が最も好きなのが、この三船史郎なのです。三船敏郎には全く及ばないながら、確実に三船敏郎を思い出させるばかりでなく、非常に好感の持てる、この作品を引っ張る存在になっている。僕にとってこの映画で良かったのは、寺尾と宮崎という主役ではなく、三船と、そして夜鷹を演じた原田美枝子の二人だった。原田美枝子が喧嘩を売るシーンでなく、喧嘩をせずに、宿泊客たちの中で大人しく酒を飲むシーン。
 実は、多分、今生きている黒澤が撮ったより、この映画の方が面白いんじゃないかな、と、ふと思った。この映画は少しだけ、以前の黒澤に戻っているような気がする。気のせいかもしれない。黒澤組とはいえ、実はほとんどは以後の黒澤組だろうから。もっとも、佐藤勝のように出戻ってくれた人や、補佐してくれた人もいるけど。
 確かにあざとさもあるし、寺尾がぎりぎり(それでも予想よりは良かった)、宮崎や檀、井川比佐志の演技はあまり感心しなかったけど、(吉岡秀隆の演技が逆に味を出していたような)、それでもなかなか楽しめる映画だった。ラスト、せめて鷹の飛んでいるあたりで切ってくれたらな。


at 02:03|PermalinkComments(0) 映画